PCR検査『陽性率7%未満』は新型コロナの死亡率が低い、千葉大の分析結果

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大阪府が新型コロナ対策で自粛解放で目安のひとつに挙げたPCR検査の目標「陽性率7%未満」という数字が重要な意味をもっています。

実はこの数字は2020年4月に千葉大学の研究グループが解析していました。その数字は驚くべき指標であり世界初の数字でもありました。

データをもとに3つの項目から紹介します。

その①:「PCR検査と死亡率」研究の背景
その②:陽性率7%未満の意味
その③:新型コロナ対策への提言
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その①:「PCR検査と死亡率」研究の背景

PCR 検査数を増やすと、陽性数を検査数で除した陽性率が低下します。

千葉大学大学院 薬学研究院および医学研究院の研究グループは、「西洋の国々で陽性率が 7%未満の国では、陽性率がそれ以上の国に比べて 1 日の死亡者の割合が 15%でしかない」との解析結果を発表しました。

アジアの国々でも陽性率が 7%以上の多くの国では感染者の増加が続いています。

PCR 検査はリスクの低い人に対し大量に実施しても、誤って陽性となる数が多くなるので検査の意味がなくなります。

必要な検査数を保つことが重要で、陽性率はその指標になります。

日本の陽性率は 4 月 10 日現在 7.8%で上昇傾向にあり、死亡者数を増加させないために陽性率を低下させるように PCR 検査能力を拡大することが急務と考えられます。

千葉大の研究グループでは入手可能な世界の情報を科学的に解析することで、感染症終息のための新たな戦略が見いだせることを期待し研究にとりくみました。

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その②:「陽性率7%未満」の意味

PCR検査でなぜ陽性率が7%未満だと新型コロナでの死亡率が低いのでしょうか?

論文からその根拠を紹介します。

新型コロナの感染拡大は西洋とアジア地域では約100 倍の地域差

一般に世界の感染拡大は国ごとの PCR 検査陽性者数の増加で報告されていますが、新型コロナ感染症では無症状の感染者が多くいることから、この数字は各国の検査の徹底度に影響されており、感染者数を正確には表していないと考えられます。

そこで、 1 日の死亡者数をその国の人口で補正したデータを、その変化のパターンから地域ごとの予測を可能とする機械学習で解析しました。

その結果によれば、「死亡者数から解析すると新型コロナ感染症の広がり方には、西洋とアジア地域では 100 倍程度の著しい地域差があります」とまとめています。

十分な PCR 検査を実施する国の 1 日あたりの死亡者数は少ない

感染による死亡者数には地域差が大きいため、条件のよく揃っている西洋諸国について、感染による死亡者数と PCR 検査の状況を比較しました。

グラフを見ると感染で死亡者が増加を始めてから日数が経過するごとに、死亡者するに差が出てくることがわかります。

陽性率7%未満とそれ以上では30日目位で約10倍の死者数の差になります。

千葉大:「十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い」より
出典:千葉大:「十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い」より

機械学習の解析によると、「陽性率が 7%未満の国の死亡者数は陽性率がそれ以上の国の15%に過ぎませんでした。」としています。

陽性率が 7.0〜16.9%の国と 17.0〜28.0%の国の間には推定死亡者数に差はなく、7%未満の陽性率を保つことが、死亡者数の抑制に重要と考えられました。

4 月 13 日の東京の陽性率は 32%もありました。

その③:新型コロナ対策への提言

千葉大の研究グループは次の様に提言しています。

新型コロナ感染症で死亡者数を減らすためには PCR 検査の陽性率を低下させることが必要であり、そのためには PCR 検査数を濃厚接触者などで症状が見られていない者にまで幅広く拡充させることが急務であると結論します。

引用:千葉大学:十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い

この研究を推進してきた千葉大学大学院 薬学研究院の樋坂章博教授は最後に次の様に述べています。

「この研究は世界で初めて新型コロナ感染症での PCR 検査陽性率と死亡者数との相関を見いだしたものです。
死亡者を増やさないためには、PCR 検査を充実させることが必要です。
しかし、私たちは、医療従事者の負担を今以上に増やすことは無理であることをよく知っています。
そこで私たちは、適切であれば医療関係者や研究者等を総動員してでも前向きに社会全体で PCR 検査拡大を強くサポートする必要性を提案します。」

引用:千葉大学:十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い

ここまでの内容は千葉大学が公表したニュースリースから紹介しまいた。

千葉大学:十分な PCR 検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い

■論文情報
Preprints
Global Comparison of Changes in the Number of Test-Positive Cases and Deaths by Coronavirus Infection (COVID-19) in the World

まとめ

PCR検査を十分に実施している国では死亡率が低いことがわかりました。

新型コロナ感染で患者数が増加して医療崩壊を回避するためには、症状が出ていない濃厚接触者、申し出た人をくまなく検査することの重要性を認識しなければなりません。

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