しばらく新型コロナの脅威が薄らいでいたかもしれません。
今やGo To トラベルなど国を挙げての経済対策で国内旅行のお得感もあり、開放感が出てきたところです。
ところが2020年11月11日の東京は新型コロナの感染者数が317人と300人台に入りました。
日本医師会の中川会長が11月11日午後、「第3波と考えていいのではないか」との見解を示しています。
いよいよ新型コロナ感染の第3波に入ったのでしょうか?
政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の提言も含めてまとめてみました。
新型コロナの第3波とは?

現在の感染状況から、感染症の専門家の間では「新型コロナの第3波」ではないかとされています。
この後にグラフを掲載していますが、北海道では急激な感染者増加となっています。この感染増加が南下すると予測されています。
報道によると東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は、北海道の人口規模を考えると現在の感染者数は深刻だと述べています。
冬が近づくにつれ、本州でも窓を閉め切って暖房を使うようになり、北海道の流行が南下することが予想されるとも述べています。
感染者の急増は北海道だけの問題ではないとしていて、来月から来年1月にかけ、流行は全国でピークを迎えるとみられると警戒感を示しています。
(参考;JIJI.comニュース11月12日)
新型コロナ感染の第1波~第3波(?)まで
第1波から今回の第3波とみられる時期までの経過を振り返ってみました。
新型コロナウイルスの感染者数はNHKの特設サイト「新型コロナウイルス」から引用しました。
新型コロナ感染の第1波
第1波は、国内では最初にピークを迎えた4月頃でした。
緊急事態宣言が発出され、全国に感染が拡大された時期で新型コロナウイルスの正体はイマイチよくわかっていない段階での感染拡大期です。

新型コロナの第1波が収まってきた5月の連休明けにもなると、徐々に新型コロナウイルスがどんな性格のものかが各国の研究から見えてきました。
新型コロナ感染の第2波
新型コロナと共生して経済活動を再開する動きが出てきた時期から、徐々に感染者数が増加していきます。

7月下旬から8月初めにかけてピークを迎えたのが、第2波と呼んでいる感染拡大期です。
第1波の1日の感染者数のピークは4月11日の720人でしたが、第2波では8月7日の1,605人と倍以上にもなりました。
第2波の収束は緩やかで、なかなか減らない状態が続いていきます。
新型コロナ感染の第3波?
新型コロナ感染者数の第2波の感染が底となった9月以降10月に入り、徐々に増加傾向に向かいます。

そして、11月11日には感染者数は1,546人と第2波は8月7日の1,605人に迫る勢いで増加しています。
この感染者数の増加を、現状では第3波になるのではないかと見ています。
新型コロナの第3波?北海道の増加
北海道では徐々に増加傾向がみられていましたが、ここにきて急増しています。
専門家の話では、感染症の専門家は「第3波に入った」「北海道の流行が南下する恐れがある」と指摘しています。(参考:JIJI.COMニュース11月12日)

政府対策分科会の見解
令和 2 年 11 月 10 日(火)17 時 40 分~18 時 00 分に官邸2階 大ホールで開催された『新型コロナウイルス感染症対策本部(第 45 回)』では、11月9日に行われた政府の『新型コロナウイルス感染症対策分科会』の資料を基に次のように説明しています。
急速な感染拡大に至る可能性が高い
適切な新型コロナの感染防止対策を取らなければ、急速な感染拡大になる可能性が高いと警鐘を鳴らしてます。
その提言の一部を引用しますので参考にしてください。
社会経済活動が徐々に戻る中、適切な感染防止策が講じられなければ、感染の「増加要因」が強まり、その力が人々の基本的な感染防止策や自治体によるクラスター対策などの感染の「減少要因」を上まわることになる。最近になって、クラスターの数も増え、しかも、多様化しつつある。そうした中、「減少要因」を早急に強めなければ、急速な感染拡大に至る可能性が高い
引用:第14回新型コロナウイルス感染症対策分科会 緊急提言
新型コロナ感染予防対策
これから冬に向かうため、政府の感染症対策分科会では寒冷地の対策を次のように提言しています。
寒冷地における新型コロナ感染防止等のポイント
1.基本的な感染防止対策の実施
〇マスクを着用
〇人と人の距離を確保
〇3密を避ける
2.寒い環境でも換気の実施
〇機械換気による常時換気を
〇機械換気が設置されていない場合は、室温が下がらない範囲で常時窓開け(窓を少し開け、室温は18℃以上を目安!)
3.適度な保湿(湿度40%以上を目安)
〇換気しながら加湿を(加湿器使用や洗濯物の室内干し)
〇こまめな拭き掃除を
また、『感染リスクが高まる5つの場面』についても以下のように説明しています。
感染リスクが高まる5つの場面
場面① 飲酒を伴う懇親会等
● 飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。
● 特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると、感染リスクが高まる。
● また、回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める。
場面② 大人数や長時間におよぶ飲食
●長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。
●大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。
場面③ マスクなしでの会話
● マスクなしに近距離で会話をすることで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。
● マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。
● 車やバスで移動する際の車中でも注意が必要。
場面④ 狭い空間での共同生活
● 狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。
● 寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。
場面⑤ 居場所の切り替わり
● 仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染
リスクが高まることがある。
● 休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されている。
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出典:新型コロナウイルス感染症対策分科会 緊急提言「最近の感染状況を踏まえた、より一層の対策強化について」への政府の具体的なアクションについて。令和2年11月10日(火)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r021110.pdf
おわりに
欧米ではすでに第1波を超える感染拡大となっています。
日本では個々の対応によりロックダウンをせずに感染拡大を最小限に抑えていることが世界から評価されています。
第3波は初めての体験であり、今まで以上に徹底した予防対策が必要とされています。