インターネットの世界は、不思議な世界でもあります。
今から20年も前の千葉県の外房のある堤防での出来事でした。
アジ釣りを堤防からしていた時のエピソードです。
インターネットがもたらした驚きのできごとで、いまでもはっきりと覚えています。
ちなみに、トップの写真は当時のもので、今回の記事の舞台となった堤防です。
堤防で夜釣りをしていた午前2時・・

アジ釣りは昼間は釣れません。もちろん他の魚も同じで、人と同じように朝食と夕食の時間があるようです。
良く釣れる時間帯は夕方の太陽が沈むころと、朝の日が昇る少し前あたりが入れ食いになる時間帯です。
「真夜中の入れ食い」秘密の時間帯
もう一つの時間帯「夜中」があって「ある時間が来ると堤防からアジが入れ食いになる」ぼくだけの特別な秘密の時間帯があるのです。
その時間帯は、堤防には一人だけになり、真っ暗な海面からは波の音だけがきこえてくるのです。
それが午前1時過ぎから午前2時なのです。
それまで夕方から堤防でアジを釣っていた釣り人たちが、疲れて帰り始める時間が午前1時ごろです。
実は、その時間からアジがポツポツと釣れはじめ、午前2時には入れ食いになる、ほんのわずかな不思議な時間帯が、そのポイントにはあるのです。
赤く光った電気ウキが、スパッと海中に消えるのです。
竿を上げてリールを巻くと、手にぶるぶると伝わる振動が・・・
アジです!!
サビキ仕掛けにアジが1~2匹かかっているのです。

そのアジは、身体がパール色に輝く、とても美しいアジで目は真っ黒で透き通っているのです。
真っ暗な堤防で「なおさんですよね・・」

ぼくは、車で120㎞も走りアジ釣りに100回以上通っている堤防です。
その堤防では、けっこう顔をしられた常連のひとりです。
真夜中の堤防は、釣り人が帰ってしまい、もう誰もいません。
堤防の先端に陣取り、ひとりアジを釣っていました。
いよいよアジが入れ食いになる時間帯です。
すると、だれもいないはずの堤防で、だれかが暗闇の中から声をかけてきたのです。
はじめは、「とうとう出たか…。夜中の堤防では、よく出る霊・・」背筋がゾッとして鳥肌が顔一面に広がったのです。
すると「なおさんですよね・・」と話しかけてきました。
「???」幽霊じゃない。
真っ暗な堤防の暗闇に、ほのかに人の姿がシルエットになって見えてきました。
「なおさんですね!」とさらに言うのです。
「はい、なおです」というと、
「よかった、お会いできてうれしいです!なおさんのホームページ見てきました」
といって、ぼくが書いた記事をみて、その時間帯には堤防にいるだろうと、遠方から来たというのです。
ぼくが書いた記事のはじからはじまで読んでいたというのです。
場所をネットで書いてしまうと、他の釣り人や地元の方々に迷惑になることがあるので、匿名で書いていました。
その港の名前は別名「ドリーム・ハーバー」です。
その「ドリーム・ハーバー」を探して、たぶんここかも知れないと苦労してたどり着いたとのことです。
おわりに
ぼくがコンピュータを始めたのは、1974年のころ。
インターネットでサイトを作り始めたのは、その20年後の1994年の12月31日から。
プロバイダーがあまりなくて、やっと探したのが「bekkoame」という会社で、その後、日本にもyahooができたのでサイトを移しました。
まだ、ブログは無くホームページを自分でタグを打って1ページずつ手作業で書いていた時代です。
そのサイトには、いまのブログに近い形で、その日の釣果をすぐアップできるようにして、使っていました。手作りのブログもどきですね。
そんな時代に、アジ釣りの記事を読んてくれた方がいて、真夜中の午前2時に堤防まで会いに来てくれたというエピソードです。
時に、インターネットは人と人のつながりをもたらします。
どんな時代でも、ネットはたのしいものですね。