新型コロナで『買いだめ』が起きる意外な心理と行動

スーパーで買いだめ 新型コロナと生活
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新型コロナが原因で2月27日に熊本市で始まったトイレットペーパーの買いだめがありました。

直近では3月25日に東京都小池百合子知事が自粛要請を発表した直後から始まったスーパーでの食品の買いだめなどが記憶に新しいところです。

どちらの現象も在庫は十分にあるにもかかわらず発生しました。何が原因でこのような行動を人は起こしてしまうのか?

人間の心理を分析しながら今回の買いだめがなぜ起きたのかを調べてみました。

そのことから新型コロナの感染予防対策でロックダウンが起こった場合にパニックにならないよう次の3つのポイントを確認して今後の心構えを作っておきましょう。

その①:新型コロナが原因で買いだめが起きた事例
その②:買いだめに走る人の心理
その①:予想されるロックダウンでの行動
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その①:新型コロナが原因で買いだめが起きた事例

事例1:熊本でのトイレットペーパー買いだめの事例

2020年2月27日「新型肺炎の影響でトイレットペーパーがなくなる」といった情報がツイッターなどで拡散したため起こりました。

ツイッターには「アルコール、マスク品薄に続き『今後はトイレットペーパーの不足が予測されている』とのことです」という書き込みと実際に商品が無くなった店の写真が公開されたことが原因です。

参考:毎日新聞「トイレットペーパー買い占め相次ぐ新型肺炎の影響巡りデマ熊本で」

事例2:緊急記者会見直後からの買いだめの事例

2020年3月25日夜、小池百合子都知事が緊急記者会見を開き今週末3月28日・29日は不要不急の外出を自粛するよう要請しました。

平日も出来る限り自宅で仕事し、夜間の外出を控えるよう呼びかけました。その直後から都内のスーパーなどでは食料品を「買いだめ」する人の姿が多く見られるようになり翌日は早朝から行列ができました。

参考:日本経済新聞「在庫は十分、買いだめ避けて 国など冷静対応呼びかけ」

上記の2つの事例はなぜ起きたのかを社会心理学を参考に調べてみました。

その②:買いだめに走る人の心理「予言の自己実現」

これらの事例が起きた背景を中日新聞が紹介しています。その記事では東京大大学院の関谷直也准教授(社会心理学)の取材をもとに原因を分析した内容です。

それによると「予言の自己実現」という現象が起きたと述べています。

参考:中日新聞『新型肺炎、デマで買いだめ「なぜ」 東大・関谷准教授に聞く』

「予言の自己実現」とは?(自己成就とも書かれています)

大阪大学の講義「第一部 社会制度に特有の<危うさ>と<堅固さ>」の「第二回講義§2予言の自己実現」でこの内容を説明しています。

ロバート・K・マートンの理論です。

ロバート・K・マートンの「銀行の事例」

「銀行資産が比較的健全な場合であっても、一度支払不能噂がたち、相当数の預金者がそれをまことだと信ずるようになると、たちまち支払不能の結果に陥る」

「銀行の財政状態の安定性は、一連の状況規定に依存していた。すなわち、人々が生活してゆくための経済的約束の込み入った体系が揺るぎないものでという信念に依存していた。ところが、一度預金者が状況を異なったふうに規定し、また一度彼らが約束の果たされ得る可能性について疑念を抱くに至ると、そのときはじめてこの不真実な決定の結果は十分に真実なものとなったのである。」(訳384) 

引用:大阪大学の第2回講義より抜粋

簡単に理解すると、安定があり信じていた銀行で、ある人が「支払いが不能になる」という間違った噂をしたことで、それまで銀行を信じていた人々の間に拡散しましたた。

その結果銀行から預金が多数引き落とされて「支払いが不能」が現実になったという事例です。

「予言の自己実現」をトイレットペーパーの事例に置き換える

メーカーには十分な在庫があってスーパーからの発注で店頭分を卸していた。

ところが誤った予言(推測)「マスクと同じ材料でトイレットペーパーが作られているから無くなる」が流れたのです。

その情報をまともに受けた人は、無くなる前に買っておこうとスーパーに走り買いだめしました。その結果「棚にトイレットペーパーが無い」ということが現実となったのです。

つまり「誤った予言」が「実際にトイレットペーパーが棚に無い」という自己実現になったということです。それを見た人々はさらに正しい噂だと信じて買いだめがもっと進んてしまったのです。

私見ですが、パニックまではいかなかったのですが、軽い「予言の自己実現」が起きたと分析します。

「在庫十分」のアナウンスと現場の「棚にものが無い」というギャップ

実際に棚からトイレットペーパーが無くなっている現実を見ているから買いだめが止まらないのです。

いくら政府やメーカーが「在庫はまだ十分にあります。必要な分だけ買ってください」とアナウンスしても現実には「棚に物は無い」からアナウンスと現実のさが大きく逆効果になり、政府もメーカーもその時点では信じられなくなりさらに買いだめが進むのです。

その①:予想されるロックダウンでの行動

このような行動が2月と3月に発生したことは今後の行動に重要な教訓を残してくれました。

東京都の小池百合子知事が出した「不要不急の外出を自粛するよう要請」よりもさらに強い「ロックダウン」が発令されたら、人々の不安はさらに高まる事が予測されます。

どこかで「予言の自己実現」が起きる可能性は否定できません。噂を信じる人がいる限り買いだめは無くなることは無いとおもわれます。

信頼のおける機関が正確にスピーディーに情報公開

それを防ぐには、正確な情報を信頼置ける機関がしっかりと公開することです。

信頼がおける機関がちょっとでも不信を抱くような事柄が起きると人々は信じなくなり、「マートンの銀行の事例」のように「本当に無くなる」ことを引き起こすことにつながります。

政府や各機関は当然ですが、ネットに関係する一人一人も信頼を基に正確な情報を公開することが大切です。

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