太陽光で急速に新型コロナウイルスは不活性化するという研究を米国土安全保障省が公表しました。
その研究とはどのような内容なのかを3つのポイントから紹介します。
その前にトランプ大統領が同日の記者会見で述べた事の方がインパクトが強かったため、研究公表の方が隠れた可能性もありますので簡単に経緯を振り返ってみます。
そもそもこの話題の発端は2020年4月23日米国土安全保障省の研究公表の場でおきました。
トランプ大統領は記者会見で新型コロナ対策で「消毒液の注射などを試してみるのはどうか」、「紫外線または強力な光を人体に照射し肺など体内のウイルスを破壊する」という案を発言したことが話題になりました。
実は国土安全保障省が新型コロナを不活性化させる研究の取組みを知って提案にいたったのですが、短絡的過ぎて話題になったのです。
翌日4月24日にトランプ大統領は自身の発言は単なる皮肉だったと釈明しました。「どうなることかと思って、君たち記者諸君に皮肉っぽい質問を投げたまでだ」と述べています。
では、話をもとに戻します。
その②:実験で使用した紫外線ライト
その③:国土安全保障省(DHS)とは
その①:新型コロナが太陽光で不活性化

国土安全保障省のウィリアム・ブライアン氏が新型コロナを不活性化させる研究で分かったことを次の通り公表しています。
無孔質の表面にあるウイルスの量は、温度21~24度および湿度80%で太陽光があると、わずか2分で半減すると説明。空気中に漂うウイルスの量についても、通常の室温・湿度20%の環境に太陽光が当たると、わずか1分半で半減すると述べた。
引用:JIJI.COM「太陽光でコロナ不活性化、米政府が詳細公表」より
この内容は多くの専門家を驚かせました。
その理由は、通常地球上に到達する紫外線は「UV-A」と「UV-B」です。私たちが日焼けで赤くなったり黒くなったりする種類の紫外線です。
もう一つ「UV-C」がありますが地球の大気で吸収されて地表までは到達しない紫外線です。皮膚がんなどを誘発する紫外線です。
通常ウイルスにとって有害なのはUV-Cなのです。
ではなぜ地上でUV-Cが含まれない太陽光により新型コロナは不活性化したのでしょうか?
その②:実験で使用した紫外線ライト
実験で使った紫外線ライトは次の通り太陽光を想定したもので行ったと報告されています。
研究で使用した紫外線ライトの種類について「自然の太陽光に近いものに設定した」と説明。具体的には、北緯40度や大西洋中央部などの中緯度地域において、立夏の正午ごろに海抜ゼロ地点でみられる太陽光を想定したという。
引用:JIJI.COM「太陽光でコロナ不活性化、米政府が詳細公表」より
つまり普通に太陽光の下で新型コロナウイルスが不活性化が確認できるということです。論文は査察されたのちに科学誌に掲載される予定と報道されています。
■参考:『遠紫外線C波』に弱い新型コロナ?米コロンビア大学の研究
■参考:JIJI.COM「太陽光でコロナ不活性化、米政府が詳細公表」より
その③:国土安全保障省(DHS)とは
アメリカ合衆国国土安全保障省(United States Department of Homeland Security、略称: DHS)とは、アメリカ合衆国連邦政府の行政機関です。
テロリズムの防止、国境の警備・管理、出入国管理と税関業務、サイバーセキュリティ、防災・災害対策等を任務としています。以下の5部門から構成されています。
1.連邦・地方連絡センター
2.国土インフラ脅威・危険分析センター
3.監視・警告
4.国境及び化学・生物・放射能・核・強化高性能爆薬兵器の脅威分析
5.国土環境脅威分析
おわりに
新型コロナウイルスと太陽光の関係を紹介しました。ウイルスにとって紫外線UV-Cは影響をあたえます。
今回の研究で興味があるのは地上ではUV-Cが含まれない太陽光なのにウイルスである新型コロナが急速に半減するという疑問です。
太陽光が新型コロナを不活性化させる論文の公開が待たれます。