3,000年の歴史を誇る「道後温泉(どうごおんせん)」とはどのような温泉なのでしょうか?
今回は、道後温泉の歴史と温泉の特長を紹介します。
また、道後温泉にある「源泉かけ流し」の温泉宿6件もご紹介いたします。
道後温泉は3,000年の歴史を誇る名湯
道後温泉は、四国・愛媛県松山市(旧国伊予国)に湧出する温泉です。
道後温泉は古くは聖徳太子にはじまり正岡子規や夏目漱石(1,905年小説「坊つちやん」)などにも親しまれてきました。
近年ではアニメ作品「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のモデルになった「道後温泉本館」は話題となりました。
道後温泉は「日本三古湯」のひとつ
3,000年の歴史を誇る「道後温泉」の存在は古代に知られていたことがわかっています。また、日本書紀(720年)や万葉集巻1(759-780年)にも登場する古からの名湯です。
道後温泉は日本三古湯(にほんさんことう)のひとつです。日本三古湯とは日本で古くからの歴史がある温泉のことをいいます。
日本三古湯には、道後温泉(愛媛県)、有馬温泉(兵庫県)、白浜温泉(和歌山県)の3つがあります。
道後温泉のシンボル「道後温泉本館」
道後温泉のシンボルといえば共同浴場「道後温泉本館」で国の重要文化財に指定されています。明治27年(1894年)に工期約20ヶ月、総工費は13万5千円と記録されています。
この同時期に金額で比較するできるのは「坊ちゃん列車」です。
坊ちゃん列車は日本に現存する最古の軽便鉄道機関車で「伊豫鉄道1号機関車」といいます。ドイツのミュンヘン州クラウス製造所から輸送も含め9,700円で輸入されました。
その金額と比べると「道後温泉本館」の費用は約14倍と高額でした。
その理由は、初代の道後町長(明治23年1890)伊佐庭如矢(いさにわゆきや)が老朽化していた道後温泉本館の改築に取り組みにあります。
記録によると「100年たっても真似の出来ない物を造ってこそ意味がある、人が集まれば町が潤い、百姓や職人の暮らしもよくなる」として様々な困難を乗り切ってこの偉業を成し遂げたとされています。
道後温泉「白鷺」の言い伝え
1羽の白鷺(しらさぎ)が傷ついた足を癒して元気になった伝説が残っていますので紹介します。
足に傷を負い苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけました。白鷺は毎日飛んできてその中に足を浸していたところ傷は完全に癒えて元気に飛び去りました。
これを見た人たちは大変不思議に思いその温泉に入浴してみると爽快で疲労を回復したといいます。また、病人もいつのまにか全快しました。そのことにより多くに人に利用されるようになりました。
この白鷺の足を致した「鷺谷」という場所は、今の道後温泉にほど近い地だといわれています。この伝説を後世に残すためにそこに石を置きました。その石を「鷺石」といい現在は道後温泉駅前の「放生園」に移されて保存されています。
本館三階の屋上に振鷺閣(しんろかく)があり周囲は赤い色の障子で囲まれています。当時は湯の町の夜空に異彩をはなったと伝えられています。
ここには時刻を告げる「刻太鼓」があり現在は朝・昼・夕の3回だけ鳴らされます。(環境庁:残したい日本の音風景100選のひとつ)
道後温泉の泉質と特徴
道後温泉の泉質は「単純温泉」です。単純温泉とは温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で湧出時の泉温が25℃以上の温泉をいいます。
pH8.5以上を「アルカリ性単純温泉」と呼び、肌触りが柔らかく癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴で日本人の肌にピッタリのなめらかなお湯で湯治や美容に適しています。
入浴すると「肌がすべすべする」感触があることで「美肌の湯」として知られています。
源泉温度20℃~ 55℃で混合して46℃で供給しています。
道後温泉は「火山型ではなく地熱由来の温泉」です。
現在い源泉18本から温泉を汲み上げていて4ヶ所の分湯場に集められたお湯は、道後温泉本館・椿の湯、周辺のホテル・旅館へ配湯しています。
道後温泉の温泉街
道後温泉街は「道後温泉本館」を中心として土産物店や飲食店などが軒を連ねた商店街があります。
市内電車の「道後温泉駅前」には、ちいさな「放生園」という公園があり、あの鷺石や坊っちゃん列車の機関車と客車、からくり時計、足湯、湯釜などがあります。
規模の大きな温泉ホテルや旅館は温泉本館の北から東にかけて集まっています。
道後温泉「源泉かけ流し」の温泉宿6軒
道後温泉のなかで「源泉かけ流し」の温泉宿を10軒を紹介します。
1.奥道後 壱湯の守(いちゆのもり)
男女各7種からなる浴槽の敷地面積約千畳(約1,508㎡)の西日本最大級の大露天風呂。美しい肌を作る美人の湯と名高い天然温泉源泉かけ流しがあります。豊富な湯量、効能豊かな泉質を誇る奥道後源泉。
- 泉質 アルカリ性単純硫黄泉(ph9.4)
- 源泉かけ流し
- 大露天風呂
- 湧出量 400リットル/分
- 源泉温度が38℃のため42℃まで加温調整
- 住所:愛媛県松山市末町乙267-1
- TEL:089-977-1111
- 公式サイト:https://www.okudogo.co.jp/
2.オールドイングランド 道後山の手ホテル
道後温泉の膝元に位置し、源泉からの豊富なお湯を引いています。各フロアの客室の壁紙は全て英国製で異なるものを使用しています。
- 弱アルカリ単純泉
- 源泉かけ流し
- 露天風呂あり
- 所在地: 〒790-0836 愛媛県松山市道後鷺谷町1−13
- 電話: 089-998-2111
- 公式サイト:https://www.dogo-yamanote.com/
3.オーベルジュ道後
地産地消の「道後イタリアン」が自慢の温泉宿です。道後温泉駅から徒歩1分、道後温泉本館まで徒歩2分の便利な立地。道後温泉から源泉を引いた源泉かけ流しです。
- アルカリ性単純温泉
- 源泉かけ流し
- 所在地:愛媛県松山市道後湯之町1-26
- TEL:089-934-1414
- 公式サイト:http://www.auberge-dogo.com/
4.琴の庭
この地で70余年続く老舗旅館「葛城」が道後温泉本館に隣接した振鷺園の地にオープンした木と温泉にこだわった本格旅館です。住友林業が設計・施工を担い、時を経て「榯美色(ときみいろ)」の風合いになることを想定した設計。
- アルカリ性単純温泉
- 源泉かけ流し
- 所在地:愛媛県松山市道後湯月町4-16
- TEL:089-931-5141
- 公式サイト:https://kotononiwa.jp/
5.隠れ宿 どうごや DOUGOYA
DOUGOYAは、ゲストハウスの良さと昔ながらの雰囲気を兼ね合わせた「ゲストハウス型温泉宿」です。昭和の名館を復元した心地よい宿です。地元愛媛の無農薬農家が手間暇かけて育てた食材を使用した朝食「源氣めし」が人気。
- アルカリ単純泉
- 源泉かけ流し
- 所在地:愛媛県松山市道後多幸町6-38
- TEL:089-934-0661
- 公式サイト:http://www.dougoya.com/
6.別邸 朧月夜(おぼろづきよ)
別邸 朧月夜はひっそりと佇む隠れ宿です。7タイプのお部屋は全て露天風呂付のスイートルームタイプ。道後温泉最大級の湯量を持つ離れの露天風呂「道後御茶屋がある。
- 源泉名:道後温泉 第一分湯場
- 泉質:アルカリ性単純温泉 ph:9.1
- 源泉温度:44.6℃(気温11℃)使用位置41.0℃
- 源泉かけ流し
- 露天風呂付のスイートルームタイプ
- 所在地:愛媛県松山市道後鷺谷町4-4
- TEL:089-915-2222
- 公式サイト:http://www.oborozukiyo.jp/