温泉と言えば大分県「由布院温泉(ゆふいん)」が有名です。
しかし、「由布院温泉」と「湯布院温泉」の2種類の表記をよく見ます。
どちらの表記を使ったらいいのでしょうか?
今回はなぜ「由布院温泉」と「湯布院温泉」の2種類があるのかを調べてみました。
「由布院温泉」と「湯布院温泉」の2種類があるのか?
温泉案内パンフレットをみていると「由布院温泉」と「湯布院温泉」の表記があります。
例えば道案内のアプリなどを見ると「湯布院インターチェンジ」➡「JR由布院駅」と案内に表示されます。地図にも「湯布院」と「由布院」の両方の地名があります。
この理由について次のように説明している記事があります。
この原因は「由布院町」と「湯平町」の合併によるもので、旧「由布院町」エリアでは「由布院」と書き、旧「湯平町」エリアでは「湯布院」を使っている。
ということを解説している記事を見ました。
この違いについてしっかりと歴史をさかのぼって調べてみました。
「由布院」と「湯布院」の歴史
1955年(昭和30年)に「由布院町」と「湯平町(ゆのひら)」が合併してできた地名が「湯布院町」です。
この時点ではじめて「湯布院」という新しい町名が生まれたことになります。
次の段階は、2005年10月1日に「湯布院町」と「挾間町」「 庄内町」が合併して「由布市」 になったことです。
つまり現在の由布市のエリアには、かつての「湯布院町:由布院町+湯平町」とその後に合併した「挾間町+庄内町」の4つのエリアが含まれていることになります。
そこで温泉を管轄している環境省ではこのことをどう説明しているのか調べてみました。
その結果「由布院温泉」「湯布院温泉」の2つ関係が見えてきました。
「湯布院温泉郷」と「湯布院温泉」がある?
環境省の令和元年10月「湯布院温泉郷 国民保養温泉地計画書」では次のように記載しています。
大分県由布市の「由布院温泉」「湯平温泉」「塚原温泉」「庄内温泉」「挾間温泉」の 5 か所の各温泉地について「湯布院温泉郷」として記載する。
引用:環境省の令和元年10月「湯布院温泉郷 国民保養温泉地計画書」 *文字強調は筆者が行いました。
つまり、温泉郷としてのくくりでは「湯布院温泉郷」であり、温泉地としては「由布院温泉」だということです。
つまり環境省では温泉地として呼ぶ場合は「由布院温泉」としています。
湯布院温泉郷を調べてみると、由布院市内を中心に広大な温泉地のエリアになっていることがわかります。
由布院温泉がたどって来た道
由布院温泉は 1955年(昭和30)年代の後半から地域主導でまちづくりおこなってきたと記され提案す。そして、4年後の1959年(昭和34)年に国民保養温泉地に認定されました。
それ以前は、現在のような観光地ではなかったようです。
由布院は別名「奥別府」と言われたように栄えていた別府温泉とは対称に由布岳山麓の田園地帯にぽつりぽつりとたたずむ温泉宿だったようです。
その当時、歴史のある別府温泉は温泉地として栄えていました。
一方、由布院温泉は別府温泉との差別化を図るため1959(昭和34)年に国民保養温泉地の認定を受けました。
この認定によって由布院温泉が目指す方向性が明確になったとしています。若手の旅館経営者が中心となり観光客誘致のための努力したようです。「
「国民保養温泉地として由布院温泉」という自然との共生や農村風景との調和を目指す「湯布院100 年のまちづくり」を掲げました。
それまでは施設の建設をメインとした観光地開発でしたが、由布院温泉はそれとはちがう方針をとり、由布院としてのユニークなまちづくりが実現してきました。