北海道函館にある「湯の川温泉(ゆのかわおんせん)」とはどんな温泉なのでしょうか?
今回は湯の川温泉の歴史、泉質や特長など温泉の魅力をご紹介いたします。
また、湯の川温泉の中で泊まってみたい「源泉かけ流し」の温泉宿5軒もご案内いたします。
湯の川温泉の歴史とは?
「湯の川温泉は国内で最も空港の近くにある温泉で車で約5分、函館中心部からも車で約15分と便利な立地です。
湯の川の街を100mも掘ればお湯がでるほどの温泉地といわれています。
そもそも「湯の川」の語源は、アイヌ語の「ユ(湯)+ペツ(川)」からきているというのが定説です。
湯の川温泉の発祥はいつごろなのかを「函館湯の川温泉旅館協同組合」の公式ウェブサイトで紹介しているのでそのまま引用します。
1653年(承応2年)、松前藩主九代・高広(幼名 千勝丸)が難病にかかり、病は日に日に悪化していき、ある夜母の清涼院は「松前城の東にある温泉に行けば、どんな病も治る」という夢を見ます。その温泉に千勝丸を湯治させるとまもなく全快。藩はお礼に、薬師堂を再建、鰐口を奉納しました。これが湯の川温泉の発祥といわれています。
引用:函館湯の川温泉旅館協同組合 https://hakodate-yunokawa.jp/
湯の川温泉の発祥は今から約570年も前のことだと分かります。
温泉の発祥には様々な言い伝えがあります。例えば日本3大古湯で四国松山の道後温泉では鷺(さぎ)が温泉に浸かってキズが治ったことを見たのが発祥となっています。また石川県加賀市の山代温泉は1,300年以上前にある高僧が傷口を湧水で癒す一匹の烏ヤタガラスを見つけたのが発祥とされています。温泉は古くから病や傷の治癒と関係が深いことがよくわかります。
当初の湯の川温泉は湯量が少なく温度も低く、しばらくは知られていませんでした。ところが明治18年に石川藤助が源泉温度100℃以上で毎分140リットルの温泉を掘り当てたことでにぎわい始めたと言います。
そして明治19年に湯治場が開かれると入浴客が増加したことで料理店・宿・商店も増えて湯の川は下活気を帯び始めます。明治20年なると路面電車が開通し歓楽地として栄えることになりました。
湯の川温泉は多くの著名人らが通った温泉でもあります。箱館戦争時には、旧幕軍の榎本武揚が傷病兵を療養させ榎本自身も入湯していたといわれています。
現在の函館と湯の川温泉
湯の川温泉の特長は函館の奥座敷と呼ばれる便利な立地条件の場所にあることです。
現在の函館には毎年450万人とも言われる観光客を始めとする人々が訪れます。宿泊客270万人のうち、130万人程が湯の川温泉に宿泊すると言われています。
また、湯川の街の地面の下は温泉といっても過言ではありません。100mも掘ればお湯が出てくるので雑水用の井戸が掘れない地区だとも言われています。
函館市の中心部から歩いて行けるほどの距離にありながら「北海道三大温泉」とよばれるほど泉質に恵まれています。北海道三大温泉とは、登別温泉、定山渓(じょうざんけい)温泉、湯の川温泉です。
近隣には一度は行ってみたい函館の観光地が多数あります。香雪園(見晴公園)、女子修道院・トラピスチヌ修道院、根崎海 水浴場、熱帯植物園、松倉川などは有名です。
湯の川温泉の特長と魅力
湯の川温泉の湧出量は1日に7,000トンを超える湯量で源泉温度は平均65度前後の高温の温泉です。
高温の温泉ではそのままでは熱すぎるため、通常は加水して温度調整をすることがほとんどです。登別温泉でも源泉温度が源泉温度45℃~90℃と高温なため加水で温度調整している温泉宿が多いです。
ちなみに「源泉100%かけ流し」は、加水も加温もしない方法。「源泉かけ流し」は加水はせず加温だけ可。「温泉かけ流し」は加水も加温も可。
湯の川温泉の源泉温度は高いため、お湯を新しく湯船に入れる際は適温にするための水を入れることはあります。
また、湯の川温泉はビルのような大きなホテルも多く大浴場や個室の露天風呂が上階にあることもあります。湯の川温泉では湯量が豊富なため新しい温泉をどんどん入れて古いものを捨てる「放流・循環併用式」を多く採用しています。
つまり天然温泉のかけ流しと循環ろ過を併用しているところもあります。
天然温泉の質に変わりはありません。
湯の川温泉の泉質
湯の川温泉の泉質は「ナトリウムー塩化物泉」で無色透明なサラっとしたお湯です。
ナトリウム塩化物泉、カルシウム塩化物泉を豊富に含むため保温効果が高く湯冷めしにくいお湯と言われています。
湯の川温泉の「源泉かけ流し」の温泉宿5軒
湯の川温泉で泊まってみたい「源泉かけ流し」の温泉宿を5軒選びました。
川温泉旅館協同組合に加盟している温泉旅館・ホテルは18軒あり、どこもゆったりくつろげるおすすめの宿です。
今回はその中から特に源泉かけ流しの温泉にこだわり、さらに湯につかってみたい5軒を選びました。
1.割烹旅館 若松
函館の地に創業以来約一世紀。津軽海峡・下北半島を望む絶景のお部屋と湯量豊かな源泉かけ流しのお風呂、ミシュランで星を獲得したお料理。湯の川温泉の老舗旅館。
- 源泉:自家源泉 源泉温度57.6℃
- 泉質:ナトリウム・カルシウム―塩化物泉
- 方式:源泉かけ流し、天然の温泉が噴出する様が見られます。
- お風呂:露天風呂あり
- 所在地:北海道函館市湯川町1-2-27
- TEL:0138-86-9626
- 公式サイト:
2.竹葉新葉亭(ちくばしんようてい)
1949年5月に創業の源泉かけ流しの老舗温泉宿です。15畳+10畳+ベッドルーム+茶室+書斎+専用露天風呂付きの部屋もある。
- 泉質:二酸化炭素ナトリウム塩化物泉
- 方式:源泉掛け流し
- お風呂:露天風呂あり
- 所在地:北海道函館市湯川町2-6-22
- TEL:0138-57-5171
- 公式サイト:https://www.chikuba-s.co.jp/
3.全26室の小さな宿 笑函館屋(えみはこだてや)
函館市湯の川温泉 奥座敷に佇む 全26室の宿。湯の川温泉でも珍しい源泉掛け流し100%の温泉
囲炉裏を囲んだロビーで湯ったりとお寛ぎ頂けます。
- 源泉:湯川3丁目11,12,13,14,15,16の混合井
- 泉質:ナトリウム・カルシウム―塩化物泉
- 方式:源泉100%かけ流し(加水、加温なし)
- お風呂:露天風呂あり
- 所在地:北海道函館市湯川町3丁目10-3
- TEL:0138-36-2000
- 公式サイト:https://www.hakodateya.jp/
4.ホテル雨宮館(あまみやかん)
湯の川温泉でありながら温泉の循環はせず全て掛け流しで「湯の花」が楽しめる最高に贅沢な温泉宿。
- 泉質:ナトリウムー塩化物泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:非常に成分が濃く「湯の花」がみられる。
- 所在地:北海道函館市湯川町1-26-18
- TEL:0138-59-1515
- 公式サイト:https://www.amamiyakan.net/
5.KKRはこだて
国家公務員共済組合連合会「湯の川保養所」。最安値季節会席、美食少量会席、海の幸御膳、定番ゆったり会席などのプランが人気。
- 源泉:源泉温度65℃
- 泉質:ナトリウムー塩化物泉 PH6.8
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:源泉かけ流しの貸切風呂あり
- 所在地:北海道函館市湯川町2-8-14
- TEL:0138-57-8484
- 公式サイト:https://hakodate.kkr.or.jp/index.html