北海道「登別温泉」にはどんな魅力があるのでしょうか?
登別温泉の歴史と驚くべき泉質の特徴や温泉街の魅力を紹介します。
よく知られている有名な登別温泉ですが、まだまだ未知の魅力が満載です。
登別温泉はいつからあるの?
登別温泉は江戸時代末期の安政5年(1858年)に開湯した温泉です。
江戸中期に北海道を探検した最上徳内(もがみ とくない:1755-1836)という方がいました。
現在の山形県村山市楯岡の出身で北方探検家として知られていて、探検家としてその業績は高い評価を得ています。
最上徳内が記した「蝦夷草子」に登別について書いたことが残っています。
「ノボリベッという小川有り、この川上に温泉湧き出て、流れ来るため白粉と紺青をかきたてるが如し、一日も水底の見ゆることなし」
「ノボリベッ」はアイヌ語の「ヌプルペッ」です。
「ヌプルペッ」は「白く濁った川・色の濃い川」を意味し地名「登別」の語源と言われています。
温泉地として登別が使われ始めたのは江戸末期ごろ。
地獄谷から硫黄の採掘を行っていた近江商人の「岡田半兵衛」が私費で人夫用湯治止宿小屋(共同浴場)を作ったことから始まります。
その後1858年(安政5年)滝本金蔵が移住し岡田半兵衛の許可を受けて湯守となりました。現在の「第一滝本本館」の開業者です。
明治末期になると日露戦争の傷病兵保養地として指定され、登別温泉の知名度は全国的に広まりました。
そして、旅館やみやげ物屋が並ぶ現在の登別温泉郷の原型になったと言われています。
札幌や函館からの足回りもよく、知名度・内容ともに北海道でダントツと言えるのが登別温泉だと言えます。
登別温泉の特徴はなに?
北海道トップといわれる豊富な泉質の登別温泉。その種類は9種類の泉質にもなります。
登別温泉の自然湧出量は1日1万トンで、毎分3,000リットル湧き出す湯量の多さです。
源泉のお湯の温度は、45℃~90℃と言われています。かけ流しの温泉が楽しめるのも登別温泉の湯量が豊富だからです。
「登別地獄谷」は登別温泉で最大の源泉のエリアとなっています。
登別温泉の泉質は豊富
登別温泉の泉質の種類はとても多くなっています。中には旧名称で呼んだり、あるいは泉質の一部を表記したりと、様々な方法で表現されています。
今回は温泉法で温泉療法としての新名称で分けてみました。()内は旧名称などです。
- 硫黄泉:美人の湯。独特の匂いの乳白濁。慢性気管支炎、動脈硬化、解毒作用、慢性皮膚病
- 塩化物泉(食塩泉):湯冷めしにくい。無色透明で塩辛い、神経痛や腰痛、冷え性に良い
- 含アルミニウム泉(明礬泉・緑礬泉):傷の湯。美肌の湯
- 硫酸塩泉(芒硝泉):傷の湯。美肌の湯
- 含鉄泉(鉄泉):鉄分を含む温泉。黄金の湯、赤湯
- 酸性鉄泉:よく温まり、貧血症や慢性湿疹、婦人病などに良い。金属味がする。
- 炭酸水素塩泉(重曹泉)
- 放射能泉(ラジウム泉)
美肌に効果のあるとされる泉質など一つの温泉場で多くの泉質が楽しめる魅力が登別温泉の魅力です。
多種の泉質をもつ温泉郷は国内では登別温泉にしぼられます。
登別温泉郷には不思議な魅力がある
特有の硫黄臭が漂っている登別温泉街。
そのすぐ近くの登別地獄谷から豊富に湧出する温泉の湯量は豊富です。
地獄谷とはよくいったもので、まさに地獄とはこのような世界の光景。
場所によっては草木も生えない光景が広がっている。遊歩道が整備されているので雄大な登別地獄谷を間近に肌で感じながら歩くのもワクワクします。
登別地獄谷の散策の帰り道には温泉街で食事を楽しむのもいいですね。
登別温泉街のお店は魅力的なところがあります。
昭和のレトロ感が味わえるのですが、それが現代と妙にマッチしていて違和感がないのです。
温泉宿でお湯につかったら、そのまま違和感なくお店でビールをのんでいてもおかしくないのです。
なによりも妙に大人が落ち着く温泉街が登別温泉の魅力かもしれません。
登別温泉「温泉かけ流し」の温泉宿11軒
登別温泉を楽しむには、「源泉かけ流し」「温泉かけ流し」の温泉に浸かりたいものです。
「源泉かけ流し」方式は、温泉水を浴槽に直接供給し加水せずに浴槽からあふれ出た湯を排水することです。再利用はしません。
「温泉かけ流し」方式は、源泉の温度調整ために加水や加温をする方式です。源泉が熱い場合に行われます。
登別温泉は源泉地の地獄谷を中心に温度は45~90度の高温で温泉街のホテルや旅館に給湯されています。なので登別温泉は「温泉かけ流し」方式を取り、加水して入りやすい湯温にしています。
1日に1万トン、毎分3,000リットルもの湯量が豊富に湧き出すからこそ「温泉かけ流し」が可能なのです。
第一滝本館
1858年(安政5年)滝本金蔵が病の妻のために開湯した「愛妻の湯」がはじまり。地獄谷と対峙するロケーションで5つの泉質を35の湯船で24時間はいることができます。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水・加温)
泉質:硫黄泉、硫酸塩泉(芒硝泉)、食塩泉、酸性泉(酸性緑ばん泉)、炭酸水素塩泉(重曹泉)
特徴:「美人の湯」「熱の湯」「きずの湯」「中風の湯」
露天風呂あり
飲泉あり
展望風呂付客室あり
住所:北海道登別市登別温泉町55番地 TEL:0143-84-2111
ホテルまほろば
日本最大級の大露天風呂と31のお風呂で湯めぐり。本物の温泉リゾートを満喫できます。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し、天然温泉(一部加水・加温)
泉質:硫黄泉 、食塩泉、単純硫黄泉、酸性鉄泉
露天風呂あり
源泉露天風呂付客室あり
住所:北海道登別市登別温泉町65 TEL:0143-84-2211
滝乃家
四季折々に彩を変える樹木に囲まれた露天風呂と風情あふれる日本庭園の温泉宿。割烹の味と技を受け継ぐ和風料を堪能できる。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水・加温)
泉質:食塩泉、鉄泉、ラジウム泉、硫黄泉
露天風呂あり
源泉かけ流し露天風呂付和室あり
住所:北海道登別市登別温泉町162 TEL:0143-84-2222
登別グランドホテル
本格ドーム型ローマ風大浴場、庭園露天風呂、⻤サウナがは地獄⾕の崖のような岩肌を採⽤し
まるで⻤の棲み家のような荒々しさを表現。110度の⾼温設定のオートロウリュ式。
源泉:登別温泉
方式:源泉かけ流し、温泉かけ流し、常時源泉注入(循環ろ過 加水・加温)
泉質:食塩泉、硫黄泉、鉄泉
庭園露天風呂あり、鬼サウナ
住所:北海道登別市登別温泉町154
予約直通電話 0143-84-2425
TEL:0143-84-2101
旅亭花ゆら
登別温泉の高級温泉宿「旅亭 花ゆら」。個室に檜の露天風呂があり、ゆったりと登別温泉が愉しめます。
源泉:登別温泉
方式:温泉掛流し(一部加水・加温)
泉質:硫黄泉、単純硫黄泉、子宝泉
露天風呂あり
客室露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉町100番地 TEL:0143-84-2322
ホテルゆもと登別
登別温泉の湯を源泉かけ流しで楽しめる。4種類の泉質と大小5つの浴槽。さらに露天風呂やサウナを完備し、存分に自慢のお湯を堪能することができます。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し、登別温泉(加水)
泉質:硫黄泉、食塩泉、酸性鉄泉、混合泉(酸性鉄泉+食塩泉)
露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉町29番地 TEL:0143-84-2277
登別万世閣
乳白濁の硫黄泉をじっくりと味わえる温泉宿。登別温泉初のセルフロウリュサウナや登別温泉の源泉をそのまま冷却した源泉水風呂もある。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水)
泉質:単純温泉
露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉町21番地 TEL:0570-08-3500
滝乃家別館玉乃湯
地場産の旬の海の幸を楽しめるお食事。和の空間でのんびりとくつろげる温泉宿。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水)
泉質:硫黄泉
露天風呂あり
貸切露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉31 TEL:0143-84-3333
御やど 清水屋
御やど清水屋は、お部屋に入ると日ごろの疲れを癒すかのように川のせせらぎの音が迎えてくれます。かぐわしいかおりの檜風呂と、野趣たっぷりの露天風呂が楽しめる温泉宿です。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水)
泉質:単純硫黄泉
露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉町173番地 TEL:0143-84-2145
名湯の宿パークホテル雅亭
パークホテル雅亭は源泉の上に建っています。かけ流しの贅沢なお湯で登別温泉の醍醐味を存分に味わえる本物のお湯を楽しめる温泉宿です。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水)
泉質:硫黄泉、硫酸塩泉、単純硫黄泉
露天風呂あり
住所:北海道登別市登別温泉町100 TEL:0143-84-2335
滝本イン
滝本インの大浴場では、源泉をかけ流しで湯舟に注いでいます。濾過器を通さない濃厚な温泉は「湯の花」が湯舟の底に沈殿するほど。登別温泉の中心にある手頃な価格の快適なホテル。第一滝本館の大浴場、プールを無料で利用できます。
源泉:登別温泉
方式:温泉かけ流し 登別温泉(加水)
泉質:硫酸塩泉
住所:北海道登別市登別温泉町76 TEL:0143-84-2205