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九州地方の温泉

別府温泉【大分】の歴史と魅力。8つの温泉地の特徴とは?

九州大分県の別府温泉は全国的に有名です。でもどんな温泉なのかまだまが謎がたくさんあります。

今回は「別府温泉」の歴史、8つの温泉と7つの泉質について詳しく解説します。

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別府温泉の歴史とは?

鶴見岳と扇山
鶴見岳と扇山

別府市には活火山「鶴見岳(つるみだけ)」があり阿蘇くじゅう国立公園に指定されています。同じく活火山の由布岳(ゆふだけ)と並ぶ美しい姿です。

別府温泉郷は鶴見岳の東側に広がっています。

別府温泉は総湧出量で日本第1位です

大分県のデータでは、別府温泉郷のある別府市には「源泉数2,291」「湧出量87,360L/分」で、源泉数・湧出量ともに大分県内でトップです。国内でも第1位。

この記録を持つ別府温泉はいつからあるのでしょうか?

歴史を簡単に紹介します。

別府温泉の歴史

鶴見岳山麓に温泉が湧くことは古代から知られていました。

720年頃の「豊後国風土記」や760年頃の「万葉集」に別府の温泉が確認されています。

特に「豊後国風土記」には、678 年に日田郡の五馬山で発生した大地震で崩れ落ちた山峡から熱泉が間欠泉でほとばしり紺色の温泉が誕生した瞬間の記載が報告されています。

もともと別府温泉の源泉は自然湧出でした。ところが、明治時代の上総掘りによる源泉掘削「湯突き」が行われるようになっていきます。

その結果、明治9年(1876年)まで全部で17ヶ所だった自然湧出に対して、明治44年(1911年)になると掘削泉が76ヶ所へと増加していきました。

そして現在の別府温泉郷へと発展していきました。

別府温泉の魅力は8つの温泉「別府八湯」

鉄輪蒸し湯

別府市内には古くから8つの温泉地がありました。それぞれ温泉の由来があります。

1996年(平成8年)8月に有志により「別府八湯独立宣言」を旗印に8つの温泉の魅力をひろく発信しました。

これが発端となり「別府八湯」として広く知られるようになりました。

「天然の泥湯」「蒸し風呂」、温泉で温められた砂を体にかけてもらう「砂湯」の3つを体験できる温泉地は全国でも別府だけです。

「別府八湯」の位置を紹介

別府市内に点在する「別府八湯」の8つの温泉地の場所は以下の地図で確認できます。

この地図は別府市観光課様のご協力によりご提供いただきました。

出典:別府市観光課 番号は筆者が追記 https://www.gokuraku-jigoku-beppu.com/entries/pamphlet

地図の数字と温泉の名称を一覧にしました。また各温泉の泉質も添えました。

  1. 浜脇(はまわき)温泉:単純温泉、炭酸水素塩泉、48.9~65℃
  2. 別府(べっぷ)温泉:単純泉、食塩泉、炭酸水素塩泉
  3. 観海寺(かんかいじ)温泉:単純温泉、塩化物泉、湯色がコバルトブルー
  4. 堀田(ほりた)温泉:単純温泉、65.8℃
  5. 鉄輪(かんなわ)温泉:塩化物泉、酸性泉、硫酸塩泉
  6. 明礬(みょうばん)温泉:酸性硫酸泉、pH:1.7 、67.5℃
  7. 柴石(しばせき)温泉:単純温泉、塩化物泉、52.4℃~80.1℃
  8. 亀川(かめがわ)温泉:塩化物泉

参考サイト:別府市観光課 https://www.gokuraku-jigoku-beppu.com/entries/pamphlet

別府温泉郷「8つの温泉地」の特長

浜脇温泉 砂場

別府市内に点在する「別府八湯」の8つの温泉地の特長を紹介します。

1.浜脇温泉(はまわき)

浜脇温泉はJR東別府駅の前の海沿いある温泉街です。別府温泉発祥の地と呼ばれる「浜脇温泉」。浜から温泉が湧き出る様子から「浜わき(脇)」の地名が生まれたと伝えられます。

2.別府温泉(べっぷ)

市営温泉「竹瓦温泉」
市営温泉「竹瓦温泉」

別府温泉はJR別府駅周辺にある温泉街です。町内会経営の共同温泉も多く観光客も利用できる。明治12年(1879)創設、入母屋破風の外観の市営温泉「竹瓦温泉」は有名で砂湯も楽しめます。

3.観海寺温泉(かんかいじ)

観海寺温泉は朝見川上流の山の斜面の古い街道沿いにある温泉街です。別府湾の見晴らしがよいことで有名。地熱が豊富なため湯煙が広く立ち上り情緒豊かです。コバルトブルーに温泉の色が変化する湯など多彩な温泉。

4.堀田温泉(ほりた)

堀田温泉は観海寺温泉のさらに奥の由布院温泉へ向かう九州横断道路沿いにある源泉地帯で湯量が豊富です。別府市内の数ある市営温泉の中でも入湯客数1、2を争う人気。週末は特に多くの人でにぎわう。

5.鉄輪温泉(かんなわ)

鉄輪温泉は別府市街と明礬温泉との中間にあります。「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されています。別府地獄めぐりの中心に位置し、海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄などがあります。

6.明礬温泉(みょうばん)

別府 明礬温泉(みょうばん)湯の花小屋の写真
別府 明礬温泉(みょうばん) 湯の花小屋

明礬(みょうばん)温泉は別府市街から少し離れた伽藍岳中腹の標高400メートルの所にあります。別府明礬温泉の湯の花製造技術は国の重要無形民俗文化財に指定されています。

7.柴石温泉(しばせき)

柴石温泉は血の池地獄や龍巻地獄の一帯にあります。895年に醍醐天皇や1044年には後冷泉天皇が入湯。療養効果の高い温泉地として国民保養温泉地、国民保健温泉地として指定されています。

8.亀川温泉(かめがわ)

亀川(かめがわ)温泉はJR亀川駅の海沿いにある温泉街です。一遍が九州に上陸した地点と言い伝えられている上人ヶ浜(別府大学駅近く)に市営温泉「別府海浜砂湯」があります。

別府温泉郷の泉質の特長

温泉には療養泉が10種類ありますが、別府温泉郷には7種類が確認されています。

  1. 単純温泉: 別府温泉、浜脇温泉、観海寺温泉、鉄輪温泉、亀川温泉
  2. 炭酸水素塩泉 :別府温泉、浜脇温泉、観海寺温泉
  3. 塩化物泉:別府温泉、浜脇温泉、鉄輪温泉、亀川温泉
  4. 硫酸塩泉 : 鉄輪温泉、柴石温泉
  5. 含鉄泉:明礬温泉、鉄輪温泉、柴石温泉
  6. 硫黄泉:堀田温泉、明礬温泉
  7. 酸性泉:堀田温泉、明礬温泉

「泥湯+むし湯+砂湯」は別府温泉だけ

鉄輪 むし湯

天然泥湯、むし湯、砂湯の3つが楽しめる温泉地は全国でも別府温泉郷だけです。

  • 天然泥湯:別府明礬温泉 別府保養ランド 
  • むし湯:市営 鉄輪むし湯
  • 砂湯:別府海浜砂湯、ひょうたん温泉、竹瓦温泉

まとめ

別府温泉郷の8つの温泉地を紹介しました。

日本一の湧出量を誇り、国内の療養泉10種類の泉質のうち7種類が楽しめる別府温泉はぜひ一度は行きたい温泉街です。