岐阜県にある下呂温泉（げろおんせん）とはどんな温泉なのでしょうか？
そこで今回は下呂温泉の歴史と泉質の特徴について説明します。
また源泉かけ流しの宿も紹介します。
下呂温泉【岐阜】の歴史
岐阜県の飛騨川の流域にお湯が湧く下呂温泉は昔から有名です。
下呂温泉にはどんな歴史があるのでしょうか？
下呂温泉街にほど近い場所に「湯ヶ峰」という山があります。
湯ヶ峰は海抜1,067mで10万年前に噴火した火山です。
下呂温泉は、湯ヶ峰の頂上付近で平安時代の中頃にあたる天暦年間（947～957年）に発見されました。また、延喜年間（901～923年）という記述も残されています。
さて、湯ヶ峰の頂上付近で湧き出していた温泉がある日突然お湯が出なくなったと言います。
それは鎌倉時代の中頃（文永２：1265）以前のこと。
その後、温泉は別の場所で再発見されることになります。
その場所こそが、現在の下呂温泉街の中央を流れる飛騨川の河原でした。
この再発見にまつわる伝説は「白鷺伝説（しらさぎでんせつ）」として伝えられています。
再発見された場所が大変便利だったこととお湯の評判が良かったことで名泉として各地に広がりました。
下呂温泉のお湯の評判は、室町時代には京都五山の僧「万里集九（ばんりしゅうく）」が訪れたことから。下呂温泉の名泉ぶり初めて天下に紹介したとされています。
下呂温泉の泉質の特徴
下呂温泉の泉質は単純温泉（アルカリ性単純温泉）です。
効能は、リウマチ、運動機能障害、神経症、神経麻痺、病後回復、疲労回復など。
お湯は「pH9.2」です。
「pH7」が中性で0～14の間で表されます。
- レモンはpH2～3程度の強酸性
- 石鹸はpH9～11程度の弱アルカリ性
つまり下呂温泉のお湯は「pH9.2」の弱アルカリ性で石鹸と同じ。
アルカリ性特有の石鹸効果によりツルツルした肌ざわりといわれ、「美人の湯」とも呼ばれています。
天然の石鹸とも言えますね。
お湯は「滑らかな肌ざわり」で美容や健康づくりにも優れた効果があります。
身体が大変温まるので血行が良くなり、疲労回復や健康増進に効果があり「健康の湯」といわれています。
無色透明でほんのりとした湯の香りがあります。
温泉の泉質の種類は下記の記事で詳しく紹介しています。
下呂温泉のお湯は日本三名泉
下呂温泉は、「日本三名泉」のひとつです。
日本三名泉とは、下呂温泉と兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉です。
冒頭で紹介した僧「万里集九」の詩文集「梅花無尽蔵」があります。
ここに下呂温泉と兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉の3つが記載されていました。
これを受けて、江戸時代の儒学者「林羅山（はやし らざん）」が自らの詩文にも３つの温泉名を残したことに由来。
下呂温泉のお湯は、岐阜県立下呂温泉病院のリハビリ施設で利用されているほどです。
下呂温泉「源泉かけ流しの宿」3件
下呂温泉の宿を３軒紹介します。
55本の源泉井戸から最高79度の温泉が毎分2,300リットル湧き出しています。
下呂温泉では、昭和49年から源泉保護のため集中管理が行われ、各旅館へは約55度の温泉が供給されています。
源泉かけ流し、一部循環ろ過併用方式もあります。
湯之島館（ゆのしまかん）
5万坪にも及ぶ、広大な敷地のそこにあった自然美を重んじ、樹齢数百年とされる杉や檜の木立を縫うように建物や庭が造られた湯之島館。木造三階建の宿泊棟を擁する本館は、国登録の有形文化財です。
泉質 アルカリ性単純温泉（ＰＨ8.9）
泉温 摂氏55度（源泉）摂氏42度（使用位置）
源泉100％かけ流し（加温・加水なし）
- 〒509-2207 岐阜県下呂市湯之島645番地
- TEL 0576-25-4126、 FAX 0576-24-1882
- 公式ページ：https://www.yunoshimakan.co.jp/
川上屋花水亭（かわかみやかすいてい）
昭和７年（1932年）の創業の老舗温泉旅館です。極上の飛騨牛料理は好みでメニューが選べる。
また、食後、お部屋まで「お夜食」を届けるなどのおもてなしサービスが特徴。
全国のお米コンクールで数々の賞を受賞している「銀の朏」使用。「銀の朏」は岐阜県飛騨地域で、低農薬で科学肥料を一切使用せずに栽培されているお米です。
- 泉質：アルカリ性単純温泉 （pH9.1）
- 源泉かけ流し、一部循環ろ過併用方式
- 〒509-2207 岐阜県下呂市湯之島30
- TEL：0576-25-5500、FAX：0576-24-2345
- 公式ページ：https://www.yunoshimakan.co.jp/
こころをなでる静寂みやこ
下呂温泉の高台に位置し客室19室の隠れ家的宿、露天風呂付き客室や離れがある。
飛騨ならではの素材を活かした郷土色豊かな懐石料理が自慢。本庭園を臨む男女別大浴場をはじめ、貸切露天風呂と陶器風呂を完備。
- 泉質 アルカリ性単純温泉（55.0℃湧出地）
- 温泉の利用形態 放流一部循環濾過式 加温あり
- 〒509-2202 岐阜県下呂市森2505
- TEL：0576-25-3181、FAX：0576-24-1012
- 公式ページ：https://www.miyako21.co.jp/
下呂温泉の歴史と泉質のまとめ
岐阜県下呂温泉の歴史と泉質の特徴を紹介しました。
歴史のある名湯としてぜひ一度は足を運んでいただければ、その良さを実感できるはず。
近辺の観光も含めて名湯に浸かってみてはいかがでしょうか。
