兵庫県神戸に湧く温泉「有馬温泉」とはどんな特徴があるのでしょうか?
市街地に近い立地でありながら歴史は古い。
今回は有馬温泉の歴史、泉質と特長を解説します。
また源泉かけ流しの宿も紹介します。
有馬温泉は関西の奥座敷
「金泉」は兵庫県神戸市北区に位置しています。
温泉街は六甲山地北側の紅葉谷の麓の山に囲まれた場所に広がっています。
「有馬」とはそもそも「有間」と書くという。
その意味は「山と山との間」。
神戸の市街地にほど近く都会の喧騒から隔離された気分を味わうことができることから「関西の奥座敷」とよばれてきました。
日本三古泉「有馬温泉」の歴史
日本三古泉とは、古くから存在していて知られている温泉のこと。
日本三古泉には二つの説が存在するといわれています。
- 日本書紀や風土記の記述に基づく「道後温泉」「有馬温泉」「白浜温泉」
- 延喜式神名帳の記述に基づく「道後温泉」「有馬温泉」「いわき湯本温泉」
一般的には、(1)の日本書紀や風土記の記述に基づいた3つの温泉を指す場合が多くなっています。
簡単に道後温泉と白浜温泉を紹介します。
道後温泉は、三千年の歴史を誇るといわれ、聖徳太子、天智天皇、天武天皇といった皇族や夏目漱石、正岡子規などの著名人も訪れた由緒ある温泉です。
白浜温泉は和歌山県西牟婁郡の海岸沿いに湧き出る「湯崎」「大浦」「古賀浦」「綱不知」「白浜」「東白浜」「新白浜」の7つの温泉郷。千数百年の歴史持つ温泉。
有馬温泉の歴史
日本書紀の中で舒明天皇が西暦631年に滞在したと言う記述がのこされていることから飛鳥時代にはすでに存在が確認されているようです。
その長い歴史の中で有馬の発展は「開創の行基」「中興の仁西」「再建の秀吉」の3人によってなされたとして語り継がれています。
行基は聖武天皇(701〜756)の信任あつく、池や溝を掘り、橋をかけ、お堂を築くことなどに力を発揮した高僧。
行基が大池(昆陽池)を掘っていたときのこと。
一人の人に会いました。次のように懇願したといいます。
「悪いはれ物ができて、数年来苦しんでおります。聞くところによれば有馬の山間の温泉が病気に良いそうです。私をそこへ連れて行ってくださいませんか。」
行基は有馬に行きたいという望みを叶えるため連れて行くことにしました。
その道中ではさらにいろいろ望みごとを頼んだといいます。
行基はその人の願いをかなえてりました。
すると、不思議なことにその人は金色荘厳なみ仏の姿に変わりました。
そして、有馬温泉を復興するようにと言って紫雲に乗って東方へ飛び去ってしまいました。
行基はがここに堂を建立してから約370年、有馬は賑わいを見せたと伝えられています。
参考 有馬温泉観光協会公式サイト:http://www.arima-onsen.com/
また、有馬温泉の守護神「湯泉神社」の縁起に泉源を最初に発見したことが記されています。三羽の傷ついたカラスが水たまりで水浴。ところが数日でその傷が治っており、その水たまりが温泉であったと伝えられています。
温泉の伝説では代表的な言い伝えです。
有馬温泉の泉質と特長
江戸時代には、温泉を相撲の番付に見立てて格付け。
有馬温泉は最も格の高い 「西の大関」として記されました。
有馬は、日本最古の温泉です。
有馬温泉は7つの主成分
- 単純性温泉
- 二酸化炭素泉
- 炭酸水素塩泉
- 塩化物泉
- 硫酸塩泉
- 含鉄泉
- 放射能泉
が含まれています。
これは、世界的にも珍しい多くの成分が混合した温泉です。
環境省の指定の療養泉9種類の内7種類が含まれている珍しい温泉です。
有馬温泉のお湯は600万年前に日本列島の下に沈み込んだ海水の成分を含んでいます。
世界でも珍しい「非火山型の温泉」です。
有馬温泉の特長「金泉」の塩分濃度は海水の1.5~2倍。
金泉(有馬温泉古来の鉄分と塩分を含んだ温泉)
保湿効果とメタ珪酸が多量に含まれているため、お肌がすべすべになり保温効果も高いお湯です。
有馬温泉の源泉かけ流しの宿3軒
1.有馬山叢 御所別墅(ありまさんそう ごしょべっしょ)
御所別墅は、有馬温泉最古の宿「陶泉御所坊」の当代「15代目金井四郎兵衛」が運営開始。
*「陶泉御所坊」は、3番目に紹介しています。
鉄分豊富な塩化物泉
源泉:御所泉源及び妬泉源の混合(掛け流し)
泉質:含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉
お湯は酸化し淡褐色
〒651-1401 神戸市北区有馬町958
TEL:078-904-0554
公式サイト:http://goshobessho.com/
2.天地の宿 奥の細道
客前料理でライブな感動 五感で食す有馬の宿。塩分・鉄分を多く含む「金泉」と、まろやかで肌にゆっくりと浸透する「自家源泉」の2種類の温がたのしめる。
「金泉」は海水の2倍の塩分を含む極楽泉源を使用。
源泉名 極楽泉源:泉質 含鉄―ナトリウム―塩化物強塩高温泉(pH 6.4)
自家源泉:源泉名 奥の細道、泉質 規定泉(pH 6.82)
住所:〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町字大屋敷1683-2
TEL:078-907-3555
公式サイト:https://arima-okunohosomichi.com/
3.陶泉 御所坊(とうげん ごしょぼう)
鎌倉時代に「湯口屋」として創業。金泉の源泉掛け流しの宿として有名。
● 源泉/御所泉源及び妬泉源の混合(源泉掛け流し)
● 泉質/含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉
● 湧出口泉温/95℃
所在地: 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町858
電話: 078-904-0551
公式サイト:https://goshoboh.com/
有馬温泉には、3軒の他にも源泉かけ流しの宿があります。
是非お気に入りの宿を探してみてください。
まとめ:有馬温泉【兵庫】日本三大古泉の泉質とは?
歴史のある有馬温泉の歴史と泉質を解説しました。
日本三大古泉に浸かり7つ泉質を堪能してみてはいかがでしょうか。