静岡県の「熱海温泉」は歴史のある有名な温泉地です。
でも意外と熱海温泉とはどんな温泉なのか知らない方もいるのでは?
今回は熱海温泉の歴史、温泉の特長、源泉かけ流しの温泉宿などを紹介します。
近年では若い方たちの移住先としての人気があります。
熱海温泉の由来と驚きの歴史
そもそも「熱海(あたみ)」という名前はどんな意味があるのか調べてみました。
熱海市公式ウェブサイトによると次のような由来があることがわかりました。
「熱海」と書いて、「あたみ」と読むこの地名の由来は、海中より温泉が凄まじく沸きあがり、海水がことごとく熱湯となったため、「あつうみが崎」と呼ばれ、それが変じて「あたみ」と称されるようになったと言われています。
引用:熱海市公式ウェブサイト https://www.city.atami.lg.jp/index.html
熱海という地名は「温泉」に由来があったことがわかります。
熱海温泉は静岡県熱海市にある温泉で日本の三大温泉の一つとも言われています。
三大温泉とは、熱海温泉(静岡県熱海市)、南紀白浜温泉(和歌山県白浜町)、別府温泉(大分県別府市)の3つです。
熱海温泉のお湯の総湧出量は毎分約16,600リットルと豊富な湯量です。
熱海温泉には42℃以上の高温泉が約9割で平均約63℃と熱いお湯が湧いています。
源泉総数は500を超えていてその数に驚きます。
熱海温泉の源泉かけ流しの温泉宿を調べてみると、「自家源泉」が目立つことからも源泉数の多さがわかります。
熱海温泉の歴史
熱海温泉の歴史は古く「伊豆風土記」の記述(713年)が一般的に知られています。
それによれば、
「天孫降臨に先立って大己貴命は、秋津の国の民が若死にするのを憫んで少彦名命に製薬温泉之術を与えて伊豆国の神の湯に遺わされた。この湯は普通の湯ではなくて一昼夜に二度烈しく沸騰して噴出する。これを桶に入れて身を浸すと諸病が悉く治った」とあります。この記述が大湯を示すとされています。
引用:熱海市公式ウェブサイト https://www.city.atami.lg.jp/index.html
この記述は「大湯間欠泉」(おおゆかんけつせん)を指していると言われています。
大湯間欠泉(写真)とはかつての熱海温泉の中心的な源泉だった間欠泉のことで「大湯」とも呼ばれます。
1604年に徳川家康は二人の息子を連れて湯治のため熱海を訪れたとの記録が残っています。その後、江戸城まで熱海の温泉を運ばせたと伝えられています。
熱海市史によれば江戸時代には多くの文化人が訪れたようです。江戸時代の約100年間(明和~慶応)に紀行文が36編も存在するといわれています。
熱海温泉の泉質は「美肌の湯」?
熱海温泉のお湯の泉質はどんな特徴なのでしょうか、熱海温泉ホテル旅館協同組合の説明を引用します。
市内の源泉のほとんどが肌に優しい弱アルカリ性のため、 湯のあたりはとてもやわらかく、美肌効果も実感できるはずです。ちなみに最もアルカリ性が高いのはpH9.6という源泉で、上多賀地区に湧出。
熱海温泉ホテル旅館協同組合:https://www.atamispa.com/goatami/goannai/
成分総量が最も多い源泉は1リットル中、 約35gの温泉成分が含有されています。これは家庭用浴槽に一般的な入浴剤(1袋30g)を約233袋入れたも のと同等という“濃さ”です。
上多賀地区のお湯は「一般的な入浴剤(1袋30g)を約233袋入れたも のと同等」という濃さにも驚きます。
熱海温泉の泉質を詳しく調べてみました。
- ナトリウム・カルシウム―塩化物泉 – 80%
- ナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩泉 – 19%
- ナトリウム・カルシウム―硫酸塩泉 – 1%
塩化物泉と硫酸塩泉で約9割を占めていることがわかります。
塩化物泉は、俗称「熱の湯」とも呼ばれていてぽかぽかと温まるお湯で日本に多い泉質です。
陽イオンの主成分により「ナトリウムー塩化物泉」「カルシウムー塩化物泉」「マグネシウム―塩化物泉」があります。
この温泉を飲むと塩辛く感じます。
塩分濃度が濃かったりマグネシウムが多いと苦く感じます。
硫酸塩泉は、俗称「傷の湯」「美肌の湯」とも呼ばれ、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症に良いお湯です。
陰イオンの主成分により「ナトリウムー硫酸塩泉」「カルシウムー硫酸塩泉」「マグネシウムー硫酸塩泉」があります。
古くは硫酸塩泉が主流でしたが源泉開発が増えたことが影響し泉質が塩化物泉へと変わったといわれています。
硫酸塩の成分が多いことから弱アルカリ性になり肌触りが滑らかなのお湯になったのが特徴です。
熱海温泉「源泉かけ流し」の宿10軒
熱海温泉の中で「源泉かけ流し」のお湯がある温泉宿を10軒選びました。
それぞれ特徴があって一度は泊まってみたい温泉宿です。
1.熱海シーサイドスパ&リゾート
源泉かけ流しの本格温泉。窓から海を望む大浴場や露天風呂など身も心も開放される。
- 源泉名:熱海温泉 熱海252号 温度76.1℃
- 泉質:ナトリウム・カルシウム・塩化物温泉 pH8.3
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:露天風呂・貸切あり
- 所在地:静岡県熱海市東海岸町6-53
- TEL:0557-82-8111
- 公式サイト:https://www.atamiseaside.com/
2.絶景掛け流しの宿 熱海月右衛門(あたみつきえもん)
熱海月右衛門の源泉は 硫酸塩・塩化物の混合泉。弱アルカリ性でつるりとやさしい「美肌の湯」。
また塩分を含んだ泉質で湯冷めしにくく保温効果に優れています。
pH 8.0の弱アルカリ性
- 泉質:カルシウム ナトリウム-硫酸塩 塩化物泉 pH 8.0
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:絶景貸切露天風呂、客室露天風呂あり
- 所在地:静岡県熱海市西熱海町1-5-16
- TEL:0557-81-8686
- 公式サイト:http://tsukiemon.cc/
3.源泉の宿 ホテル松風苑(しょうふうえん)
地下1003Mから湧き出る天然温泉。
美肌効果抜群のアルカリ度数「pH9.5」の自家源泉をかけ流ししています。
- 源泉:自家源泉
- 泉質:アルカリ性単純温泉 pH9.5
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:露天風呂、貸切風呂あり
- 所在地:静岡県熱海市下多賀966
- TEL:0557-68-3151
- 公式サイト:https://shoufuen.jp/
4.源泉かけ流しの宿 ホテル貫一
旧皇族久邇宮家の御別荘から譲り受けた熱海でも珍しい石膏弱食塩温泉。
源泉温度94℃と熱海でも屈指のもので湧水量も大変豊富。 地下164mの温泉源湧き出る天然温泉・
- 源泉名:自家源泉 源泉温度94℃
- 泉質:石膏弱食塩温泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:展望貸切露天風呂あり
- 所在地:静岡県熱海市東海岸町1-2
- TEL:0557-81-3595
- 公式サイト:http://www.atamikanichi.com/
5.湯宿 みかんの木
源泉は95℃で噴出する熱海でも有数の古源泉を持つ江戸時代から続く温泉宿。
熱海で源泉掛流しの露天風呂と伊豆の幸を楽しむ温泉宿で観光の拠点にも便利です。
- 源泉名:熱海温泉「青沼湯」源泉温度95℃
- 泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:
- 所在地:静岡県熱海市東海岸町1-11
- TEL:0557-81-1533
- 公式サイト:http://www.mikannoki.co.jp/
6.湯の宿 平鶴(ひらつる)
海に浮かぶ露天風呂と源泉100%の天然温泉と魚屋の磯料理。
熱海・網代温泉の中でも透明度と温泉成分の濃さでは随一の源泉かけ流し。
- 源泉名:自家源泉を2本使用「熱海温泉・網代温泉」
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:空に浮かぶ貸切露天風呂あり
- 所在地:静岡県熱海市下多賀493
- TEL:0557-67-2221
- 公式サイト:https://hiraturu.com/
7.オーベルジュ フォンテーヌ・ブロー熱海
全室源泉かけ流しのプライベートバス。
特徴は無色透明で、海辺の温泉らしく塩分を含みます。
弱アルカリ性のとろみのあるお湯は肌を優しく包み込み保湿効果もあります。
- 源泉名:南熱海温泉(混合泉:網代1号泉、下多賀10号泉、下多賀15号泉)
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:全室が展望/露天風呂温泉
- 所在地:静岡県熱海市下多賀1484-5
- TEL:0557-68-3303
- 公式サイト:https://fontenu-atami.com/
8.隠れ家 ほり多
熱海来宮神社に一番近いお宿。故郷に帰ったような我が儘の云える真心の宿。
天然温泉と地元食材が満喫できる熱海の隠れ家旅館です。
- 源泉名:混合泉(熱海60号、299号泉)/西山10号貯湯槽 源泉温度80.0℃
- 泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:内風呂・露天風呂は貸切り可能
- 所在地:静岡県熱海市西山町5-13
- TEL:0557-83-2263
- 公式サイト:https://horita-spa.com/
9.熱海パールスターホテル
目の前の空と海が一つに溶け合うようなダイナミックな感覚が味わえる。
自家源泉を使った最上階の大浴場。
地下220mの自家源泉を全室オーシャンビューの露天風呂に。「お宮の松」正面
- 源泉名:自家源泉
- 泉質:塩化物温泉、メタ珪酸が110.1mgの美肌効果、PH8.3
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:オーシャンビューの露天風呂
- 所在地:静岡県熱海市東海岸町6-45
- TEL:0557-48-6555
- 公式サイト:https://pearlstar.jp/
10.潮騒の宿 ふじま
網代漁港で毎日仕入れる鮮度抜群の旬の魚介類をふんだんに使った料理を提供。
落ち着きのある和室を中心に、ベッドルーム付きの二間タイプもご用意。
和の趣の中で熱海の波音を聞きながら心を解放しゆっくり寛げる宿。
- 源泉名:熱海温泉 源泉温度51℃
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉
- 方式:源泉かけ流し
- お風呂:3種の貸切風呂 すべて貸切
- 所在地:静岡県熱海市下多賀1470-5
- TEL:0557-68-1315
- 公式サイト:https://atami-spa.net/