群馬県の名湯「伊香保温泉」(いかほおんせん)はどんな泉質なのでしょうか?
今回は伊香保温泉の2つの泉質「黄金(こがね)の湯」と「白銀(しろがね)の湯」を詳しく解説します。
また「源泉かけ流し」「源泉100%かけ流し」の宿を5件選んでみました。
伊香保温泉は旅館手ぬぐい発祥の地
温泉旅館には一人1枚タオルが部屋においてあるのは皆さんご存じ。
いまは旅館の名前が印刷されたタオルですが、昔は手ぬぐいでした。
実は伊香保温泉はあの手ぬぐい(タオル)の発祥の地なのです。
あとで説明しますが、伊香保温泉の鉄分が豊富な「黄金の湯」に何度も入っていると手ぬぐいが茶色に染まっていきます。
当時、伊香保温泉にに行ってきたよ!
その証として、茶色に染まった手ぬぐいを持ち帰ることがステータスだったと言われています。
伊香保温泉には情緒あふれる石段街
伊香保温泉は榛名山の東麓、標高約700mの地に広がる温泉街。
万葉集や古今集などにも登場する400年以上の歴史を持つ温泉地が伊香保温泉。『
「不如帰」の徳富蘆花や竹久夢二、伊香保を世界的に広めたベルツ博士など多くの著名人もやってきたことは有名です。
伊香保温泉街のシンボルは長さ約300m約360段続く石段。
石段横には「湯の花まんじゅう」の看板をはじめ立ち並ぶ土産物屋が軒を連ねている。
「イカホ」の語源の由来はいくつか見当たります。
アイヌ語のイカホップ(たぎる湯)から来た説
上州名物のイカズチ(雷)と燃える火(ホ)から「イカホ」になった説
アイヌ語の「イイカオ」説
つまり「好い顔」だという説も・・・
黄金の湯イカホップ「たぎる湯」につかり、情緒ある石段を歩けばイイカオ「好い顔」になるのも分かるような気がします。
伊香保温泉の起源
伊香保温泉は名湯として知られています。
その起源は2つ存在しています。
- 第11代垂仁天皇の時代に発見されたという説
- 草津温泉と同じように行基によって見つけられたという説
があります。
南北朝時代(4世紀の半ば頃から約50年の時代)にはすでに温泉が湧き出ていることが確認されているので古くからある温泉といえます。
伊香保温泉には2つの泉質
伊香保おんせんには2つの湯があります。
- 黄金(こがね)の湯
- 白銀(しろがね)の湯
もともと伊香保温泉は、「黄金の湯」だけで「白銀の湯」はありませんでした。
「黄金の湯」とよばれ理由は、湯の中に含まれる鉄分が酸化し独特の茶褐色になるため。
黄金の湯は刺激の少ないやわらかい湯。
身体を芯から温めて血行を促すので、特に女性には「子宝の湯」として喜ばれてきました。
さらには病気やケガの療養に良いことから湯治場として昔から人気でした。
白銀の湯は近年湧出が確認された温泉。
1分間に110リットルの豊富な湧出量が確認されています。
「白銀の湯」の名前は、お湯の色が無色透明だったため。
病後の回復や疲労回復、健康増進に良いことで知られています。
現在の伊香保温泉では、「黄金の湯」と「白銀の湯」の2つの湯が楽しめます。
- 黄金の湯の泉質:硫酸塩泉。
- 白銀の湯の泉質:温泉法第二条に規定するメタけい酸の項により「温泉」に該当
伊香保温泉「源泉かけ流し」の宿厳選5件
伊香保温泉にある「源泉かけ流し」「源泉100%かけ流し」の温泉宿を5件選んでみました。
1.石坂旅館(いしざかかん)
伊香保温泉『石段』まで徒歩1分。石坂旅館は老舗旅館。
- お風呂は源泉を引いた元湯の「黄金の湯」
- 源泉かけ流し
黄金の湯(硫酸塩泉):石坂旅館のお風呂は、伊香保温泉特有の「黄金の湯」を源泉100%かけ流し。
加水も加温もしないので源泉100%かけ流しでめずらしいです。
「黄金の湯」は、身体を芯から温めてくれるので女性に優しい『子宝の湯』として知られています。
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
- 源泉の温度:40~43℃
- PH値:6.4
〒377-0102群馬県伊香保町伊香保67番地
TEL:0279-72-3121
公式サイト:http://ishizakaryokan.com/index.html
2.横手館(よこてかん)
横手館は、元禄時代(宝永年間1710~1720)に「はたご」として創業。
本館は総桧造りの四階建。別館常盤苑は鉄筋造り
- 伊香保温泉(黄金の湯)を使用
- 加温している
- 加水はしていない
- 源泉かけ流し
泉質:硫酸塩泉(正式にはカルシウム・ナトリウム・硫酸塩・炭酸水・塩素・塩化物混合泉)
源泉温度:約46.5℃(湧出口)
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保11番地
TEL:0279-72-3244
公式サイト:https://www.yokotekan.com
3.千明仁泉亭(ちぎらじんせんてい)
伊香保を愛した明治の文豪「徳冨蘆花」が 常宿とした旅館。
悲劇の物語小説『不如帰』の冒頭を飾る千明仁泉亭。
「黄金の湯」源泉100%かけ流し
加水や循環を一切しない源泉100%かけ流し。
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
濃厚な温泉で刺激の少ない中性の湯でしっとりと肌に馴染みます。
露天風呂:「黄金の湯」100%かけ流し
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保45
TEL:0279-72-3355
公式サイト:http://jinsentei.com/index.html
4.如心の里 ひびき野
約15,000坪の敷地には庭園や小路。群馬県産の新鮮な野菜や、お肉(上州牛・赤城牛)、川魚(ぎんひかり)を使った料理が特徴。
- 黄金の湯「源泉かけ流し」
- 源泉名:黄金の湯
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)
白銀の湯は、「濾過循環式」なので源泉かけ流しではありません。
源泉名:白銀の湯
泉質:メタケイ酸単純泉
メタケイ酸が豊富な美肌の湯です。
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保403-125
TEL:0279-72-7022
公式サイト:https://www.j-hibikino.com/
5.お宿玉樹(おやどたまき)
木のぬくもりと青畳の香りただよう純和風の宿。
樹亭 お食事処 山あかりは谷川岳を眺めながら旬の味覚が味わえる。
黄金の湯:硫酸塩泉
白銀の湯:メタケイ酸泉
貸切岩風呂 小春日和:源泉100%掛け流し「黄金の湯」
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保87-2
TEL:0279-72-2232
公式サイト:https://www.oyado-tamaki.com/index.html
■源泉かけ流しとはどんな温泉なのか関連記事を紹介します。
まとめ:群馬の名湯【伊香保温泉】の泉質と源泉かけ流しの宿5件
群馬県の名湯「伊香保温泉」の黄金の湯と白金の湯を解説しました。
源泉かけ流しと源泉100%かけ流しの温泉宿を5件選んで紹介しました。
源泉かけ流しの宿の他にも、伊香保温泉には寛げる温泉宿やホテルがあるので選んでみてはいかがでしょうか。
伊香保温泉の情報は渋川伊香保温泉観光協会でも公開しています。
■一般社団法人 渋川伊香保温泉観光協会
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保541-4
TEL:0279-72-3151