60歳になり孤独を感じる方もいるでしょう。
どのように、老後の孤独に向き合って暮らせばいいのでしょうか?
そこで今回は、医師や専門家から学んだ「60歳から孤独を選ぶ生き方のメリット・デメリット」をまとめたので紹介します。
現代は一人暮らしの方向に進んでいる?
今の世の中は、高齢者の一人暮らしが進んでいるようです。
厚生労働省「2023年度版国民生活基本調査」によれば、高齢世帯の51.6%が一人暮らしです。
内訳は男性18.4%、女性が33.3%です。
2023年と2019年の調査を比べてみましょう。
高齢者の一人暮らし | 2023年 | 2019年 |
---|---|---|
全体 | 51.6% | 49.5% |
男性 | 18.4% | 17.3% |
女性 | 33.3% | 32.2% |
4年間で男性女性とも、1.1%増加しているのが分かります。
会話の頻度は2週間に1回以下?
65歳以上の一人暮らしのでは、どれ位人と会話するのでしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所が2022年に調査した「生活と支えあいに関する調査」があります。
例えば、高齢の一人暮らし男性の15%は会話頻度が「2週間に1回以下」という結果でした。
一方で65歳以上の未婚者の割合は2015年5.9%で、2040年には14.9%になると予測されています。
このことからも、時代は高齢者の一人暮らしが進んでいると思われます。
高齢者の一人暮らしが増える要因としては、近年の核家族化によることも知られています。
孤独と孤立は違う
孤独という言葉は、どこかさみしい感じがします。
しかし、「ちょうどいい孤独」の著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生は本の中で次の様に説明しています。
孤独は自分が望む場所と時間を自分で選ぶこと、つまり「自立」した人間のこと。本当に頼らなければならない時に頼れる相手がいる状態のこと。
引用元:「ちょうどいい孤独」かんき出版 p27より
つまり、自立した人間だからこそ孤独を選べるのが重要なポイントです。
たった一人だけというのではなく、どこかに頼れる相手がいることだと説明しています。
孤独がどこかおしゃれにかっこよい生き方に見えてきました。
一方で、孤立は以下の様に厳しい状態ですね。
孤立は、いざという時に頼れる人が誰もいないという状態のこと、あるいは社会から外れて生きなければならない状態のこと。
引用元:「ちょうどいい孤独」かんき出版 p27より
つまり孤立とは、頼るべき相手がいないことですから、本当にひとりだけの状態です。
しかし、孤独と孤立を比較してみると、孤立は努力で何とかなる気がします。
理由は、だれか頼れる人がいれば孤独に変わるからです。
つながりを少しでももてれば孤独という生き方に変えることができる可能性があります。
それは、SNSでつながることでも可能かもしれません。
孤独には7つのメリット
ぼくは今まで、孤独はさみしそう、孤独はかわいそうというイメージがあったのは事実です。
しかし今回、医師の鎌田先生から学んだことは、孤独は自発的な生き方で、しかも自由でカッコいいことです。
孤独に対してイメージが逆転しました。
さらに孤独には次の7つのメリットがあると言います。
- 自主性が高まる
- 自己肯定感が高まる
- 社会的圧迫感が減る
- ユニークな考えが浮かぶ
- 集中力が高まる
- 本当の自分に気づく
- 人を大切に愛せる
孤独が持つ7つのメリットをまとめてみました。
人に左右されずに自分で自分の人生を選択する自主性という力がついてくるメリットがあります。
しかも、孤独になると自分の価値観が高まり自己肯定感が養われます。
また、積極的な孤独は社会的圧力をはねのけるパワーがついてきます。
孤独な時間を作ることは、集中力が高まり、ユニークな考えが浮かぶのもメリットです。
その結果、新ビジネスや新しい人生に展開することもあります。
事実、ビートルズのジョンレノンやアップルのスティーブジョブスは若い頃孤独だったことが知られています。
本当の自分に気付くのも孤独のメリットです。
日常生活から離れ一人で孤独な時間をもてば、真の自分自身を感じることもできるでしょう。
自分の孤独な時間を持てない人は他人を愛する資格はないと言ったのは、米ジャーナリストのビート・ハミルです。
孤独を体験したからこそ、他人も愛せるようになる。
孤独を積極的に生きることで、そこから生まれるメリットもたくさんあることに気付きます。
孤独感のデメリット
積極的な孤独とは違う「孤独感」は少し影響が違います。
孤独感は自分が感じることですから、消極的な孤独と言えます。
「自分は孤独だ・・」「孤独でさみしい」そんな感じでしょうか。
孤独感にはデメリットがあると言います。
米ブリガムヤング大学の心理学教授が2010年に行った30万人を調査した研究によると、孤独感は短命のリスクに通じる」としています。それは肥満に比べ2倍も短命のリスクがあると言います。
孤独感は死亡率を26%高め、社会的孤立になると29%になり、一人暮らしではなんと32%にも増えるようです。
孤独感は心身にデメリットを及ぼすことが分かります。
60歳からは、群れないで束縛されない!
ここまで説明したように、孤独感や孤立を積極的な「孤独を生きる」ことに変えれば、老後の人生は希望に満ちた自由で束縛のない生き方になります。
しかも、群れない生き方は自由そのもので、たまには友人とつながる程度で、束縛されない生き方と言えます。
60歳から、積極的に孤独に生きることをすると、たとえ夫婦2人の生活でも、パートナーによろこばれることにもなります。
ぬれ落ち葉的な依存的な生き方が変わり、かっこいい孤独に生きる老人になるでしょう。
まとめ
現代の社会では必然的に一人暮らし化が進んでいます。
それを悲しいと思えば孤独感になり、その結果、短命リスクが増して人生損します。
これからは積極的な自立した孤独を求めて楽しむことがいいと思っています。
自由で束縛のない人生を、孤独にわがままに生きようではありませんか!