致死率100%『狂犬病』国内で14年ぶりに発症?どんな病気

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狂犬病とはどのような病気なのかを紹介します。

2020年5月22日に14年ぶりに国内発症例が確認された恐ろしい感染症の「狂犬病」は一度感染して発症すると致死率は100%です。

今回愛知県豊橋で確認された事例ではフィリピンで感染し2020年2月に来日し5月22日に発症が確認され現在重症です。

報道によると5月11日に足首の痛みを感じ、その後狂犬病の症状の「体の痛み、水を怖がる」等があり検体を国立感染症研究所で遺伝子検査をしたところ感染が確認されましたと報じています。(Yahooニュース、JIJI.COM)。

この恐ろしい狂犬病とはなにか。その原因等含めてWHO、国立感染症研究所の資料をもとに3つの項目を調べました。

その①:狂犬病と症状・致死率
その②:狂犬病の流行している国
その③:予防と対処について
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その①:狂犬病と症状・致死率

国立感染症研究所から「狂犬病」とはどの様な病気なのかを調べました。それによると次のような感染病です。

狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入、および極め て稀ではあるが、濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症する人獣共通感染症である。

引用:国立感染症研究所より

専門的な説明では、狂犬病は「4 類感染症全数把握疾患」に定められていて診断した医師は7日以内に保健所に届け出る必要があるとされています。

日本国内での狂犬病は1957 年以降発生していません。

発生していない要因は「イヌへのワクチン接種」「検疫制度」「日本は島国」の3つが上げられています。

狂犬病の原因

「狂犬病ウイルス」により起こる感染症です。狂犬病ウイルスをもっているイヌ、ネコやコウモリなどの「野生動物」に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入で感染します。

「狂犬病ウイルス」は、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)のリッサウイルス(lyssavirus genus)に属しています。

リッサウイルスは以下の7つのgenotype に分類されます。

  • genotype 1 (狂犬病ウイルス)
  • genotype 2 (Lagos bat virus)
  • genotype 3(Mokola virus)
  • genotype 4 (Duvenhage virus)
  • genotype 5(European bat lyssavirus type 1)
  • genotype 6(European bat lyssavirus type 2)
  • genotype 7(Australian bat lyssavirus )

genotype 1がいままでの「狂犬病ウイルス」です。genotype 3~7のリッサウイルスは、ヒトに狂犬病様の脳炎をおこすことが知られています。

これらのウイルスはRNA ウイルスであり、大きさはほぼ75×180 nm で砲弾の形をしています。

狂犬病ウイルス 国立感染症研究所
出典:国立感染症研究所 狂犬病ウイルス

症状(参考:厚生労働省の狂犬病)

通常、ヒトからヒトに感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはないとされています。

潜伏期間は1~3か月程度とされていますがまれに1年以上に及ぶこともあります。

その症状は次の通り「前駆期」「急性神経症状期」「昏睡期」があります。

○前駆期:発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
○急性神経症状期:不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
○昏睡期:昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

引用:厚生労働省

WHOの情報

狂犬病はワクチンで予防可能な人畜共通感染症のウイルス性疾患です。いったん臨床症状が現れると、狂犬病は事実上100%致命的です。

Rabies is a vaccine-preventable, zoonotic, viral disease. Once clinical symptoms appear, rabies is virtually 100% fatal. In up to 99% of cases, domestic dogs are responsible for rabies virus transmission to humans. Yet, rabies can affect both domestic and wild animals. It is spread to people and animals through bites or scratches, usually via saliva.

引用:WHO Rabies

その②:狂犬病の流行している国

世界保健機関(WHO)によると、全世界で毎年3万5,000〜5万人が狂犬病によって死亡しているとしています。

厚生労働省が発表している世界の狂犬病を媒介する動物で、日本では犬となっています。

厚生労働省 世界各地の狂犬病媒介動物
出典:厚生労働省

厚生労働省が作成した下記の世界の狂犬病発生状況は2016年6月28日の資料(WHO2016年)で知ることができます。

出典:厚生労働省 狂犬病の発生状況
出典:厚生労働省 狂犬病の発生状況

日本国内での発生状況

国内では1957年以降は感染し発症していません。

1953年1954年1955年1956年1970年2006年
死亡者数3人1人 0人1人1人 (※1)2人 (※2)
犬の発生件数176頭98頭23頭6頭 発生なし 発生なし
狂犬病発生状況 厚生労働省のデーから筆者が作成

※1 ネパールを旅行中、犬に咬まれ帰国後発病、死亡した輸入症例。
※2 フィリピンを旅行中、犬に咬まれ帰国後発病、死亡した輸入症例。

その③:予防と対処について

狂犬病に感染し潜伏期間を経て発症すると以下の通りで現在は有効な治療法はありません。

○治療:発症後の有効な治療法はない。
○予防:罹患動物に咬まれた場合、ワクチン接種等により行う。
海外の狂犬病発生国で頻繁に動物に接する場合には、渡航前に狂犬病ワクチンを接種しておくことが望まし

引用:厚生労働省

日本では、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)施行日:平成二十八年四月一日により予防と撲滅が定められています。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのま ん延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。

引用:厚生労働省 狂犬病予防法

参考サイト

厚生労働省 狂犬病
国立感染症研究所 狂犬病とは
WHO Rabies(狂犬病)

まとめ

日本国内で日本人が発症したケースは1957年以来ありません。

しかし、海外と日本の距離が近くなった現代では狂犬病ウイルスのリスクも皆無とは言えなくなりました。

新型コロナウイルス感染症に世界が直面している今こそあらためて確認することが大切です。

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