老後に寝たきりにならないためには、いったいどれくらい歩けばいいのでしょうか?
ウォーキングは、お金をかけずにいつでもだれでもすぐできる健康法ですね。
また、家の中で家事をする時の歩数を実際に計ってみると結構歩いているので驚きます。
この記事では、中高年者がウォーキングや家事などでどの位歩けばいいのか大体の歩数の目標を紹介します。
60代に人気上昇中のウォーキングとは?
年代を問わず健康を維持する目的でウォーキングは、近年人気を集めています。
特にスポーツや運動習慣のない人、体力や足腰に不安のある方でも負担が少なく手軽に始めることができることも要因です。
そのため、中高年者への人気は急上昇となっています。
老後に寝たきりや要介護にはなりたくない
日本は世界の中でも長寿国です。
長寿国といっても実は「平均寿命」が伸びたのです。平均寿命は生れた時を基準にした平均的な「余生」です。
日本人の平均寿命
2020年7月31日に厚生労働省が発表した2019年の平均寿命は次の通りです。
男性:81.41歳
女性:87.45歳
前年に比べ男性は0.16歳、女性は0.13歳延びて男女とも過去最高を更新しました。
日本人の健康寿命
平均寿命に対して「健康寿命」があります。
「健康寿命」とは、寝たきりや介護を受けずに日常生活を健康な状態で過ごせる期間のことです。
「健康寿命」は、2016年の厚生労働省調査では次の通りです。
男性:72.14年
女性:74.79年
寝たきりや介護支援が必要な年数
「平均寿命」ー「健康寿命」= 「寝たきり・介護支援の年数」
男性で約9年、女性で約13年もあります。
つまり、男性で約9年、女性で約13年間は、寝たきりや介護支援が必要な年数となります。
寝たきりになる人とならない人の違い
人は年齢が進むとともに、筋力や体力が低下していきます。
20代で筋力・体力のピークを迎えますが、その後30代から徐々に低下が始まります。
そのスピードは、10年間で5~10%も低下していくと言われています。
20才を基準として、体力が30%以下に低下すると「要介護」か「寝たきりの状態」となってしまいます。
つまり、自分で自立した生活ができなくなるのです。
体力の低下が30%を超える年齢は人によって差があります。
信州大学の大学院の医師の情報では、その開きに約15年~20年もの違いがあると伝えています。
その違いの要因は「日常的に運動をしているかどうか」だと言います。
健康寿命を延ばす日常の「ウォーキング」の習慣
介護支援や寝たきりの期間を減らすためには、健康寿命の期間を延ばす工夫が必要となります。
これまでにもウォーキングで健康寿命を延ばす方法や効果について、このブログでも紹介してきました。
当ブログのカテゴリ「ウォーキング」に記事をたくさんアップしています。
お時間がある時に読んでみてくださいね!
歩くことが健康寿命を延ばすという効果は、科学的な根拠をもとに多数報告されています。
1日のウォーキング歩数の目安
それでは実際にどれくらい歩けばいいのかを紹介したいと思います。
このデータは、「年代別の目標歩数(1日当たり)」として週刊朝日が2018年10月12日号で掲載した記事を参考にしています。
このデータは人それぞれの年代の特徴を踏まえて、健康寿命を保つための1日に歩く歩数の目安を算出しています。一覧にまとめました。
60代以上の1日の目標歩数
年齢 | 1日の歩数 (外出+家の中) | 早歩き | 外出 | 家の中 |
75才以上 | 5,000歩 | 7.5分 | 3,000歩 | 2,000歩 |
65~75才 | 7,000歩 | 20分 | 4,000歩 | 3,000歩 |
60~64才 | 8,000歩 | 30分 | 5,000歩 | 3,000歩 |
定年後の60才~64才は8,000歩となっています。
外のウォーキングで5,000歩、家の中で3,000歩で1日の合計8,000歩です。
その内、30分は早歩きで歩く時間です。
前期高齢者の65才~74才は1日で7,000歩、後期高齢者の75才以上は5,000歩が目安となてっています。
現役世代の1日の目標歩数
年齢 | 1日の歩数 (外出+家の中) | 早歩き | 外出 | 家の中 |
40~59才 | 8千~1万歩 | 30分 | 7,000歩 | 1,500歩 |
仕事で通勤している人は、通勤往復だけでも4,000歩になったり、仕事で歩き回ると1日に8,000歩~10,000歩は歩いてしまうのではないでしょうか。
逆に、家の中では仕事疲れのために休んでいる時間が多く、あまり歩かずに過ごしていると思われます。
家の中でも結構な歩数になる
ウォーキングの時間が取れなくとも、実は家の中で家事をしていても歩いているのです。
実際に歩数計を身に着けて、1日中家の中で測定してみました。
朝食・夕食の用意や片付け、部屋の掃除、風呂掃除、洗濯を干したり取り込んだりなどの合計は約3,000歩~3,800歩にもなりました。
このように、たとえウォーキングの時間が取れない場合でも、なるべく家事を積極的に行うように工夫をすれば、かなり歩いたと同じ歩数になります。
お時間のある方は、家の中で歩数を計測してみると、どんなことをすれば何歩になるのか感覚がつかめます。
定年後は歩かなくなる
定年後に家にいる時間の多い60代からは、「スーパーへの買い物」「1Fや2Fの掃除機かけ」「洗濯を干す・取り込む」「庭の水やり」「食事の準備と後片付け」「洗車」などを積極的に行うことで約3,000歩程になってしまします。
かつて、海外出張で悪天候になりホテルの部屋から出られず運動不足になりました。
運動のために部屋の中をぐるぐる歩き回った経験があります。
それで1回で2,000歩になり、朝と夕合計で4,000歩になったことを思い出します。
私が通っているホームドクターが教えてくれたのは、若いうちに「散歩の習慣をつける」ことが大事だといいます。
年を重ねると歩く習慣を身につけることが面倒になるので、できるだけ若いうちに散歩を日課にしてしまうことだと教えてくれました。
毎日通勤や外回りの営業で1日に1万歩を普通に歩いていました。
しかし、定年退職後は外出する機会が減ってしまい、家にこもりがちになりました。
結果、1日に1千歩にも満たない日もあるくらいでした。
1年もそんな暮しをしていると、63才の時にとうとう足の筋肉が減ってしまい、階段を上がるのも億劫になりました。
それ以来、積極的に歩くことを習慣にして1週間に4回程度は20分ウォーキングしました。
ドクターの勧めです。
結果、1カ月後には1日に7,000歩ほど歩けるように復帰しました。今になって思い出すと、あの時にウォーキングをしなかったら、そろそろ寝たきりになっていたかもしれませんね。
友人は、72才で歩けなくなり一人で買い物や入浴など生活が出来なくなり介護支援を要請しました。
人により生活環境で差がでるのですね。
ウォーキングのコースを作る
ウォーキングのコースをいくつか用意しておくと楽しくなります。
時間のある時、時間が少ししかない時など、その状況でコースを選べるからです。
Aコースは2,000歩で1.3km、約20分。Bコースは4,000歩で2.5km、約40分。
こんな感じで記録を取っておくと、その日の都合でサッとコースに出ることができるようになります。
ただし、高齢者の場合は歩きすぎにより膝や腰を痛めることもあるため、無理は禁物です。歩数自慢にならないように注意しましょう。
腰痛や足の関節痛などの持病がある人は、決して無理をしてはいけません。
私は腰痛ですが整形外科の先生によると、歩くのは良いとのことでウォーキングを勧めてくれました。
まったく運動をしないと余計に症状が悪化するので、痛みがそれほど強くないときには歩くようにした方が良いとアドバイスをしてくれました。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
60代は、無理しないウォーキングを習慣にして「要介護」「寝たきり」にならないように健康寿命をのばしましょう。