60代はまだまだ若いのですが、確実に高齢者へと向かっています。
髪の毛が白くなり、体力が落ちてきて、眼もよく見えなくなって、そのスピードが加速してくる年代です。
どんなに若作りしても高齢者への入口に到達したことには間違いありません。
今後のために「高齢者」の睡眠時間の特徴と変化について知識を得て役立てましょう。
年齢と共に変化する睡眠
厚生労働省に若年者と高齢者の睡眠の違いをグラフで表した面白い調査がありましたので紹介します。
若年者は寝はじめに深い眠りがありますが、高齢者は深い眠りが寝はじめの短時間しかありません。
さらに、よくグラフを見ると早寝早起きの傾向にシフトしています。
この様に、年齢と共に睡眠に変化が生じてくると説明しています。
このグラフから2つの変化が読み取れます。
第一の変化は高齢者は早寝早起きになることです。
早寝早起きになる原因は「体内時計の加齢」による変化です。
その変化は、睡眠を支えている「血圧」「体温」「ホルモン分泌」等の生体機能リズムが前倒しになることです。
これは加齢による自然な変化なので「病気」ではありません。
対処方法は、「眠くなったら床につく」、「早く目が覚めたら布団から出て朝の時間を有効に使う」ことです。
第二の変化は睡眠が浅くなることです。
厚生労働省の調査結果を引用すると次の様に説明しています。
睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。
引用:厚生労働省 高齢者の睡眠より
深い眠りが減ってしまうことと、浅い眠りが増えるのが高齢者の睡眠の特徴になっています。
病気ではないのですが、浅い眠りなので何度でも目が覚めてしまうことが多くなるようです。
60代からやってはいけない寝方
ここまで説明したように高齢になると「早寝早起き」「浅い眠り」が普通になってきます。
病気ではないので心配はいらないようです。
とはいえ、高齢者に多くみられる寝方でやらない方がよいことがあります。
高齢になると浅い睡眠であり睡眠時間も短くなってきます。
そこで朝早く目が覚めるのですが、「やることがないのでそのまま布団の中」という寝方です。
そのような寝方をすると、ますます睡眠が出来なくなり寝不足になってしまいます。
また、やることが無いからと「寝床に入る」ことも良質の睡眠が得られなくなってしまいます。
早く間が覚めたら(二度寝ができない時)は、そのまま起きて趣味や読書など布団から出てしまうことです。
やることがないからと布団に潜り込んでいては、老後の健康が心配になります。
高齢者に多い睡眠障害とは?
高齢者になると睡眠障害になる可能性もあると注意しています。
その原因について厚生労働省では次の様に説明しています。
退職・死別・独居などの心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活、こころやからだの病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります。
引用:厚生労働省 高齢者の睡眠より
高齢者がかかりやすい睡眠障害として「睡眠時無呼吸症候群」「レストレスレッグス症候群」「周期性四肢運動障害」「レム睡眠行動障害」があります。
これらは専門施設での検査と診断が必要であり、それぞれの治療法があるので通常の睡眠薬では治らないといわれています。
これらの睡眠障害が疑われる場合には、日本睡眠学会の睡眠医療認定医へのご相談をお薦めします。
おわりに
高齢者へと向かう60代から、早寝早起きと浅い睡眠への対応を考えて1日を過ごすことが大切ですね。
「やることがない」とならにように、打ち込めるものを探しましょう。