だんだん年を重ねるごとに耳が遠くなってきます。
少しでも聞こえるようするには補聴器や集音器という機器が目に入ります。
しかし、補聴器と集音器は外見が似ているものがあったり値段も違います。
補聴器と集音器の違いはなんでしょうか?
この記事では、補聴器と集音器の違い、選び方と注意点をまとめました。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の情報も参考に調べてみました。
補聴器と集音器の違い
「補聴器」と「集音器」の違いはなんでしょうか。
販売されているのを見ると、どちらも耳に聞こえる音を大きくする機械で耳に入れて使います。
補聴器は薬事法で厚生労働省の認定を受けた医療機器です。つまり、聴力が低下してきた人(難聴者)が使用する前提で開発されています。
集音器は薬事法で管理医療機器の認定を受けている医療機器ではありません。そのため難聴者の使用を前提とした様々な機能が搭載されていません。
調べてみると補聴器と集音器は別ものだと分かります。詳しく紹介します。
補聴器の特徴
補聴器は厚生労働省の認可を受けた医療機器なので製品ごとに厳しい検査を受けます。その結果一定の効果や安全性が認められて初めて製造販売されます。
補聴器は音量の出力制限機能が付いていたり、個人に合わせて調整(フィッティング)が行える等、基本性能が保証されています。
補聴器はの主なタイプは
- 耳かけ型
- 耳あな型
- ポケット型
の3種類になります。
耳かけ型
耳にかけて使うタイプで、耳あな型に比べ、操作が簡単です。また、とても小さく、カラフルでおしゃれなデザインも増えています。
レシーバー(スピーカー)が本体から分離され、耳の穴の中に納まるRIC(Receiver in Canalの略)というタイプもあります。価格帯 約\50,000~\500,000
引用元:一般社団法人日本補聴器販売店協会
耳あな型
耳あなの中に収まるタイプです。小型軽量で 目立ちにくく、耳(耳介)の集音機能を活かすことが出来ます。耳の形状と聞こえの程度に合わせて作るオーダーメイドタイプが一般的です。
価格帯 約\50,000~\500,000
引用元:一般社団法人日本補聴器販売店協会
ポケット型
本体とイヤホンをコードで繋ぐタイプです。スイッチやボリュームが比較的大きく、操作が簡単です。マイク内蔵型では話し手に本体を向ける事で聞き取りやすくなります。
価格帯 約\30,000~\90,000
引用元:一般社団法人日本補聴器販売店協会
補聴器は対面販売が基本となります。
一人ひとりの聞こえの状態に合わせて調整(フィッティング)を行い、販売員とじっくり相談して選びます。
購入後も補聴器のメンテナンスや調整を行いながら耳に合う聞き取りやすいように仕上ていきます。
集音器の特徴
集音器は特に法律で指定されていない音響機器で、正常な聴力の人や非常に軽い難聴の人向けに製造されているようです。
医療機器ではないので製造販売する上で法律的な制約はありません。そのため補聴器のように基本性能は保証されていません。
医療機器ではないことから一般の電気店やネット販売などの通信販売で簡単に購入する事が出来ます。
しかし補聴器のように自分の耳に合わせて何回もフィッティングを行うという事は出来ません。
聞こえにくいと感じたら?選び方と注意点
耳が聞こえにくいと感じたら補聴器や集音器を買う前に耳鼻咽喉科で検査することをすすめています。
注意点は、特に補聴器を購入する前には耳鼻咽喉科を受診し聴力検査等により補聴器が有効であるかどうか診断してもらい選び方もアドバイスを受けましょう。
聞こえのチェックはこちら
下記公式ページの最初に自己チェック表があるので参考にしてみてください。
補聴器の相談ができる医師を検索できます。
補聴器相談医制度があります。
この相談医は補聴器を用いた医療に関わる日本耳鼻咽喉科学会から委嘱された医師です。
聞こえが不自由に感じるようになった人に対し診断・治療を行います。
また、必要なら補聴器販売店も紹介してくれます。
補聴器購入後も認定補聴器技能者と連携し経過観察と適切な使い方の指導をしてくれます。
名簿は下記公式ページから全国の医師が検索できます。
集音器を通販で買ってみた
ぼくは左の耳が軽い難聴なのでどんな感じか集音器を買ってみました。
集音器なので補聴器のような医療機器ではありません。
日本製で評判がいいことからダメ元で試してみたいと思いAmazonで購入しテストしてみました。
アマゾンで4,045円(送料無料)で購入しのはアネックス株式会社の「効聴」という集音器です。
送料込みで4,045円と安いので大丈夫かと半信半疑です。
本体(写真下)を見ると左右の耳に聞こえる音量のバランス(左 右のダイヤル)を調整できます。
それと電源のオンオフ・音量のダイヤルが付いています。
留めるフックには小型マイクのスキマが見えます。
反対側には聞こえる周波数(高音/低音)の切り換えスイッチが付いています。
- 高音で聞こえる範囲:200Hz~12,000Hz
- 低音で聞こえる範囲:200Hz~4,000Hz
実際に使ってみた感想
補聴器とは違いますので、音を大きくする機能がメインです。
本体は軽いです。音楽用と間違えるようなデザインです。
ぼくは左耳が軽い難聴でテレビの音量を25で聞いています。けっこう大きめの音量です。
この集音器を使うと音量は18でも聞こえます。
逆に耳が正常な妻が音量18では音が小さいので音量が23で聞きます。
つまり通常の人よりも聞こえているということになります。
難点は、本体が衣服に擦れると「カシャカシャ」と音がします。対策として聞こえる周波数のスイッチを「高音」から「低音」に切り替え音量を少し絞ることで気にならなくなります。
この調整は慣れが必要で、一度慣れればテレビは十分に良く聴こえます。音量25が18まで下がりました。
しかし、会話の時に使うと自分で話す声も拾うので最初は驚きます。
しばらく使って慣れると気にはならなくなります。
主に集音器はテレビを見る時と妻と会話する時に使っていますが、聞き違いや何度も聞き返すなどは無くなりました。
次回は「補聴器」が必要かどうか耳鼻咽喉科で検査してもらう予定です。その結果を改めて紹介したいと思います。
今回買った集音器のリンクを参考に紹介しておきます。
まとめ
補聴器と集音器の違いを説明しました。
補聴器は医療機器で厳しい検査に合格して製品化されますが、集音器は法的な条件が無く補聴器のようにフィッテイングやメンテナンスもありません。
この違いをしっかり確認しましょう。特に補聴器は買う前に耳鼻咽喉科の補聴器相談医制度の相談医のチェックを受けることが大切です。
■参考サイト