人生100年を生きる時代となりました。
定年退職後の60代に残された時間は有り余るほどあります。
仕事の面白さも辛さも十分に味わって、ようやくたどり着いて定年退職。
子育てもひと段落し、住宅ローンもあと少しで完済し、定年後はゆっくりと暮らしたいと思うのはだれしも一緒ではないでしょうか。
60代「昭和男」の生きがいは仕事だった
右肩上がりの世の中を馬力で突っ走ってきた「昭和男」が、定年を迎え60代で直面することがあります。
第二の人生のターニングポイントとなった定年後にどのように自分は生きていくのかという課題。
昭和男の現役時代は、ある面で仕事への生きがいとやる気が持てた時代。
家庭のやりくりと子育ては妻に任せっぱなし。
仕事に夢中で家事などを手伝ったことが記憶にないのです。
その時のように仕事に立ち向かった生きがいを老後に求めても、そこにはあの時代はもう無いかもしれません。
どのように60代の自分を探していくのか。
そして何を生きがいの生きていくのかを考える時ではないかと思います。
定年間近で考えた60代の生きがい探し
58才のころ定年が近くなり「いよいよかな・・」と少しだけ定年後の60代ことを考え始めました。
人間は間近になったり、直面しないと、真剣に考えない癖があります。
定年後は「何か趣味でもないと時間を持て余す」と、ウスウスは本を読んだりネットから知っていました。
定年後の60代にしたいことや生きがいを探しました。
アウトドアが好きだったので、車で日本一周の一人旅やソロキャンプなどをいろいろ考えていました。
今振り返ると、それは仕事の計画を立てるのと同じ感じでした。
予算はいくらで、どんな計画で、何をするのかをまとめて80才までの生き方を書き出したのです。
老後は資金が厳しくなるから現役のうちに揃えておこうと買い込んだのです。
テント、タープ、寝袋、などキャンプ用品や、日本一周に向けた準備です。
ずいぶんお金を使いました。
60代の定年後の生きがいの変化
ようやく定年を迎えて「ゆったりと60代を暮らす定年後」が始まりました。
通勤は無いし、朝早く起きる縛りもないし、上司もいないのだから、すべては自分の自由になったのです。
最初の3カ月くらいは、それこそゆったりと過ごしました。
でも、自宅でゆったりと過ごすのは「あっという間に飽きる」のです。
そこで、用意していたキャンプに出掛けたり、車で日本一周の車中泊の旅に出たりと、1年間は思いっきり自由に過ごすことができました。
これが定年後の60代の生きがいで、ずっと続くと思っていたのです。
定年後の趣味はあっという間に終わる
定年間近に描いた定年後60代の生きがいの夢は、定年後の1年であっという間に終わってしまいました。
定年後の2年間は契約社員になり働いたので、正確には62才から退職後になります。
一生、朝から晩まで趣味に打ち込んで生きることなど、実際にはできないこともわかりました。
現役時代の考え方や描いた理想は、60代を迎えて本当の生きがいとは程遠いことが見えた来たのです。
やりたいことは60代前半で終わってしまったのです。
では、60代の中頃から長く残された人生をどのように生きていくのかを、突き付けられたのです。
60代も後半からの「生きがい」探し
現役時代の40年間にも及ぶ「仕事の癖」がようやく消えてくるのが60代後半かもしれません。
60代の後半あたりから本当の「生きがい」探しがはじまるのですが、それまで「生きがいは自分の外」にあると思っていたのです。
しかし、外側に求めていた生きがいは、ほとんどが無くなり、最終的には自分との対話になります。
自分は何がしたいのか、なにが生きがいなのかを自分自身に問うことだとわかってきました。
そうして、自分自身に問うてみると、漠然としていることに気付きました。
実は、憧れで妄想していた定年後の60代の生きがいは、見つかっていなかったようです。
60代からは、平凡な中の生きがい
定年後の60代を生きることは、なにか生きがいを持っていることだと思っています。
その生きがいとは年齢によって変わるものだと感じます。
定年直後は「ゆったりとした生活」であり、その後は「趣味に没頭し」、それをやりつくすと次にやってくるのは「平凡な中の生きがい」を探すことかもしれません。
知人に大学の学長をリタイアした方がいて、しばらく学会などに顔を出していたようです。
3年ほどたった時からFacebookをはじめ、毎日毎日、近所の「鳥」を撮影して投稿するのです。
それから、すでに7年くらい経つのでしょうか。
いまも美しい鳥を撮影してアップするのが日課になったようです。
身近にある「生きがい」を探す60代
60代は人生のゴールデンタイムともいわれ、体も元気でお金もそこそこあり、自由な時間にも恵まれています。
一生の内で一番良い時期が60代かもしれません。
その先は、健康であればとても長い時間が待っています。
体も効かなくなり、体力も無くなったとき、なにが「生きがい」なのかを想像するのです。
朝、起きてから寝るまでの間が「生きがい」になるのかもしれません。
最後まで、「生きてきてよかった」といえる生き方を、まだ60代の今も探し続けています。