60代ともなれば、万年筆をさりげなく取り出して書く姿はとっても魅力的です。
ところが、その時に万年筆の使い方で迷うことがあります。
それは万年筆で書くときに、外したキャップをどうするか?という悩みです。
そこで今回は万年筆のキャップの扱いについて海外と日本の違いも含め説明します。
万年筆の文化の違いもお伝えします。
万年筆で書くときキャップはどうする?
万年筆で書くときに迷うことがあるのではないでしょうか?
それは万年筆のキャップを尻軸にはめて書くのか、外して書くのかという選択。
具体的に写真で説明します。
万年筆はこんな感じで持ち運びします。
書くときはキャップをこのように外します。
そして万年筆で書くときにキャップを尻軸にはめるとこんな感じになります。
一方、キャップを外して書くとこんな感じになります。
万年筆のキャップをどうするかの選択。
- 尻軸にはめるのか?
- 外して書くのか?
どちらがいいのでしょうか?迷ってしまうこともあります。
2つの方法のメリットとデメリットを比較してみました。
キャップを尻軸にはめる場合
メリット:テーブルの上をコロコロ転がらない。テーブルから床に落ちて壊れる心配がない。
デメリット:キャップで尻軸が傷がつく心配がある。
キャップを外して書く場合
メリット:軽く書きやすい
デメリット:長さが短く書きにくい。置くとコロコロ転がる。
キャップの扱いは日本と海外で違う?
日本の万年筆は日本人用に考えて作られているといいます。
例えば、ペン先です。
日本では万年筆で書くときは縦書きが多い。
なのでペン先は縦書きがしやすいように設計されているようです。
一方、海外では外国語が横書きなので、ペン先も横書き用に設計されているといいます。
日本ブランドと海外ブランドでは万年筆のペン先にこのような違いがあります。
実際に日本の万年筆で英語を書いてみたら書きずらいけど、モンブランなど海外製はすらすら書ける実感があります。
なのでキャップは日本と海外で取り扱いに違いがあるのか調べてみました。
日本ではキャップを尻軸にさす習慣
日本人が万年筆で書くときには、一般的にキャップを尻軸にさして書いている方が多いです。
そのため、日本ブランドの万年筆はキャップを尻軸にはめて書くように設計されていると聞きました。
つまり、その方がバランスが取れていて書きやすいということです。
海外ではキャップを外す習慣
海外では万年筆でかくときにキャップを外して書く場合が多いと言います。
海外の万年筆は高価なものが多い。
つまり、想像するにキャップをはめると万年筆の尻軸に傷がつく可能性があるから外す。
そんな記事もあるくらいですから、もしかして一つの要因かもしれません。
紀元前2400年頃/エジプト
引用:日本筆記具工業会
葦ペンは葦の先端を割り、インキ持ちを良くし、書き易くする工夫がされていた。まさに万年筆のルーツと言える。インキの主成分はカーボン(煤)であり、墨と同じ物である。
海外では古くから万年筆の文化があったようです。
ちなみに日本に鋼ペンが入ってきたのは、1871年(明治4年)。
万年筆は単なる筆記用部だけのものではなく、万年筆を楽しむ文化もあったと思われます。
ある記事で読んだのですが、万年筆のキャップを外して書くことが多い海外でのこと。
ある方は、書くときはキャップを外し、途中で書くのを中断する度にキャップを閉めるといいます。
キャップを外したり閉めたりする時間を楽しみながら万年筆で書くといいます。
さすが、万年筆だからこその時間を楽しむという「ゆとりの文化」が感じられる記事でした。
万年筆で書くときキャップはどうする?のまとめ
結局、万年筆のキャップを外して書くのか、尻軸にはめて書くのか、はっきりした結論はわかりませんでした。
だた、日本製の万年筆と海外製の万年筆には、背景にある文化の違いが感じられました。
もし日本製の万年筆を使いうなら、キャップは尻軸にセットして使った方がバランスがいいようです。
海外製ならキャップを外して書いてもいいですね。
海外ブランドの文化をキャップ無しで書いてみると実感できるかもしれません。
忙しい方は片手で使える万年筆がおすすめ
万年筆をさっと出してすぐ使いたい方もいるはずですよね。
例えば、ノック式ボールペンのように片手で万年筆を使いたい方。
万年筆でサインするときに、いちいちキャップを外したり尻軸にはめたりする時間がない方。
そんな方のために開発された万年筆があります。
参考に2本ご紹介します。
プラチナ万年筆「キュリダス」
プラチナ万年筆が製造しているノック式万年筆があります。
商品名は「CURIDUS」(キュリダス)。
「CURIOSITY」(好奇心)とノックという言葉からなる造語です。
パイロット万年筆キャップレス
50年前に世界唯一のキャップレス万年筆として世に出た定番「パイロット キャップレス」。
50年前と比べるとかなり進化していますが、どこか懐かしいです。