電気代などをはじめ光熱水費は世帯人数が増えればその分高くなります。
特に戸建住宅(一軒家)は集合住宅よりも電気代が高いと言われています。
今から2人暮らしを始める方、すでに2人暮らしの方にとって、電気代は実際どうなのか気になる方も多いのではないでしょうか?
しかし2人暮らしでかかる電気代が平均どの程度なのか予測は難しいものです。
そこで今回は戸建て2人暮らしでかかる電気代をテーマに取り上げました。
当記事では2人暮らしの平均電気代と実際の電気代を紹介します。その上で電気代を見直して節電する方法について詳しく解説します。
またマンションなど集合住宅と戸建て住宅の電気代の違いも紹介します。
2人暮らしで電気代を抑えて節電したい方もぜひ参考にしてください。
2人暮らしの平均電気代は月いくら?
はじめに、2人暮らしの「光熱水費」とその中の「電気代」を総務省統計局 家計調査年報 2022年で調べてみました。
その結果をもとに、2人暮らしの電気代の平均を計算しました。(小数点以下は切上)
2人暮らしの電気代の平均
2022年の総務省統計局の「家計調査報告」で、2人暮らしの場合について電気代を調べ、そこから月ごとの一覧表を作りました。
2人暮らしの電気代は、年間で135,789円、1カ月の平均電気代は 11,316円となります(※)。
月 | 電気代 |
---|---|
1月 | 11,492円 |
2月 | 13,720円 |
3月 | 14,436円 |
4月 | 12,490円 |
5月 | 10,463円 |
6月 | 9,019円 |
7月 | 8,820円 |
8月 | 10,762円 |
9月 | 11,757円 |
10月 | 11,271円 |
11月 | 10,274円 |
12月 | 11,185円 |
合計 | 135,789円 |
1カ月の電気代平均 | 11,316円 |
電気代は年毎に変動しますので、2人暮らしでは月1万円前後を目安にしておくといいですね。
電気代が高い月は2月~4月となっています。
寒い時期は1月~3月だとすれば、少しずれていますね。
その理由は、総務省の家計調査の金額は、その月に支払った金額をベースにしているため、利用した月と支払月がずれていることが考えられます。
(※)出典:総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
電気代が高くなるシーズン
電気代はシーズンに依存していて大きく変動します。
特に暖房の使用で大きく電力を多く使う冬に電気代が高くなる傾向にあります。
理由は、冷房より暖房の方が電気代が多くかかるからです。
総務省の公式サイトから、2人暮らしの年間の電気代を調べて光熱水費・月別一覧表を作成しました。
月 | 電気代 | ガス代 | 上下水道代 | その他 | 月合計(*) |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 11,492円 | 5,974円 | 4,356円 | 3,489円 | 25,311円 |
2月 | 13,720円 | 6,815円 | 4,342円 | 3,595円 | 28,472円 |
3月 | 14,436円 | 6,801円 | 4,354円 | 2,456円 | 28,047円 |
4月 | 12,490円 | 6,261円 | 4,060円 | 1,726円 | 24,537円 |
5月 | 10,463円 | 5,450円 | 4,212円 | 942円 | 21,067円 |
6月 | 9,019円 | 4,612円 | 4,430円 | 536円 | 18,597円 |
7月 | 8,820円 | 3,834円 | 3,948円 | 272円 | 16,874円 |
8月 | 10,762円 | 3,412円 | 4,710円 | 187円 | 19,071円 |
9月 | 11,757円 | 3,131円 | 4,254円 | 252円 | 19,394円 |
10月 | 11,271円 | 3,357円 | 4,151円 | 991円 | 19,770円 |
11月 | 10,274円 | 4,040円 | 4,140円 | 1,455円 | 19,899円 |
12月 | 11,185円 | 5,117円 | 3,793円 | 3,297円 | 23,392円 |
合計 | 135,789円 | 58,804円 | 50,750円 | 19,198円 | 264,431円 |
月平均(*) | 11,318円 | 4,900円 | 4,230円 | 1,600円 | 22,036円 |
(*)合計額は筆者が独自に計算し、小数点以下を切上ています。
電気代は寒い時期の2月~3月にかけて料金が高くなることが分かります。
夏も冷房を使うので電気使用量も上がるのですが、エアコンは冷房より暖房の方が電力をたくさん使うため電気代が高くなります。
戸建て2人暮らしの電気代はいくら?
2人暮らしの電気代の月平均は「11,316円」とわかりました。
しかし、この金額は戸建住宅と集合住宅の区別はありません。
そのため2人暮らしでしかも戸建てで暮らした場合の電気代は明確にはわかりません。
そこで参考に、我が家の2023年1月~12月の電気代を公開します。
【2023年1年間】戸建て2人暮らしの電気代を公開!
我が家の状況は以下の通りで、木造の戸建て住宅に夫婦2人が暮らしています。
- 戸建て(木造2階 4LDK:100㎡)
- 夫:Webサイト運営(自宅)
- 妻:無職・ボランティア(週3日外出)
- 同居者なし
- エアコン3台
- 契約アンペア数 50A
- 2023年3月 「電気・ガスセット割」にプラン変更
電気代の実績は以下の通りです。
月(2023年) | 使用量(Kwh) | 電気代(支払いベース) |
---|---|---|
1月 | 179 | 8,007円 |
2月 | 206 | 9,625円 |
3月 | 248 | 11,742円 |
4月 | 249 | 10,059円 |
5月 | 174 | 6,995円 |
6月 | 179 | 6,889円 |
7月 | 159 | 5,697円 |
8月 | 177 | 6,000円 |
9月 | 221 | 6,963円 |
10月 | 345 | 10,027円 |
11月 | 295 | 8,291円 |
12月 | 174 | 5,611円 |
合計 | 2,606Kwh | 95,906円 |
1カ月の電気代平均 | 217Kwh | 7,992円 |
戸建て2人暮らしで、2023年1月~12月の電気代平均は月「7,992円」でした。
一般的な電気代平均(戸建て・集合)の「11,316円」よりも3,324円少ない結果となっています。
集合住宅と一軒家の電気代の違い
一般的に一軒家は集合住宅に比べて、床面積が広い傾向にあると言われています。
ある不動産の話では、戸建て住宅の建物は約100㎡(30坪)前後、集合住宅・マンションでは75㎡前後の物件が多いといいます。
つまり、戸建ては床面積が広いため、家電や電気器具も多くなり、暖房・冷房も負担が多くなり電気代も高くなると考えられます。
子供世帯(4人家族)は、ほぼ同じ広さのマンションで生活していますが、光熱費は我が家よりも10%程安いです。日当りが良く、鉄筋コンクリートだから断熱性が良くエコ家電を取り入れているためではないかと推測しています。
2人暮らしで電気代を節約する方法
ここでご紹介しました我が家の電気代平均は月7,992円でした。
この電気代で、無理なくエアコンや家電を使うことができています。
実は家電の見直しや節電を心がけ、さらに電気の契約を2023年3月に見直したことも影響しているかもしれません。
また、国の電気代補助などの影響もあります。
節電は重要なので、戸建ての節電方法を5つご紹介します。
主な家電の消費電力量
家電で電気代がかかる代表的なものは以下の通りで、一般的な消費電力の目安をいれました。
家電の種類 | 消費電力 | アンペア数 |
---|---|---|
エアコン | 660W | 6.6A |
洗濯機 | 300W | 3A |
冷蔵庫 (常時使う) | 250W | 2.5A |
テレビ | 200W | 2A |
IHクッキングヒーター | 1400W | 14A |
電子レンジ | 1300W | 13A |
電気ケトル | 1100W | 11A |
ドライヤー | 1200W | 12A |
これらの家電を最新の省電力で使えるように見直す対象にして節電すると効果出来です。
10年前の家電と電気代を比較
では10年間の間に、家電はどれ位節電になっているのでしょうか?
一般財団法人 家電製品協会が調査した家電について事例を5つ紹介します。
家電の種類 | 節約できた電気代 (年間) | 2022年の消費電力 (年間) | 2012年の消費電力 (年間) |
---|---|---|---|
エアコン | 4,120円 | 768kWh | 901kWh |
冷蔵庫 | 4,560~6,110円 | 273kWh | 420~470kWh |
照明 蛍光灯→LED | 2,110円 | 68kWh | 136kWh |
照明 白熱灯→LED | 2,880円 | 15kWh | 108kWh |
温水洗浄便座 | 530円 | 161kWh | 178kWh |
新しい家電は研究開発が進み技術開発により省電力化へと進んでいます。
新しい家電は節電に貢献します。
次は、節電するための具体的な方法を説明します。
気密・断熱効果を上げて電気代を節約する
「気密性」「断熱性」を上げると、エアコンの電気代を節約できます。
そのためには隙間をできるだけ少なくしたり、断熱材を使って効果を高めることでエアコンの節電が可能になります。
実際には窓に「プチプチ」を張るだけでも、かなり節電効果がみられるのでおすすめです。
照明器具をLED化して電気代を節約する
いまやLEDの照明器具は当たり前になっています。
しかし、まだまだ蛍光灯を使っている方も実は少なくありません。
例えば、蛍光灯シーリングライトからLEDシーリングライトに取り換える効果は、年間電気代が約2,110円(50%)も節約できます。
白熱電球からLEDシーリングライトに交換すると年間電気代が2,880円(86%)も節約できることが分かっています。
20Wの蛍光灯をLEDに交換するだけで、年間で電気代が節約できるのでぜひ交換しましょう。
テレビ視聴方法で電気代を節約する
ついついテレビをつけたまま寝てしまうことはありませんか?
年を重ねると、テレビの視聴中に途中で寝てしまい、気が付くと朝方だったりすることも・・・
経済産業省資源エネルギー庁が公開している「省エネ行動と省エネ効」に、テレビの操作方法次第で節電効果がでることを公開しています。
例えば液晶テレビ(32V型)で1日1時間見る時間を減らした場合、年間で電気16.79kWhの省エネ、原油換算4.23L、CO2削減量8.2kg。その結果、電気代が年間で約520円の節約。
さらに画面は明るすぎないように輝度を最適(最大→中間)にした場合、年間で電気27.10kWhの省エネ、原油換算6.83L、CO2削減量13.2kg。その結果、年間電気代が約840円の節約になると説明しています。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
エアコンの見直しで電気代を節約する
消費電力量が大きいのがエアコンです。
グラフをクリックすると大きくなります。
出典:電力計画.COM
エアコンは一般的な家庭における電気消費量の約4分の1を占めていることが分かります。
- エアコンを扇風機と併用する
- フィルター掃除をする
- 室外機の周りにモノを置かない
- エアコンを買い替える
我が家は古いエアコンを2台廃棄して、最新のエアコンを3台にしました。
エアコンの台数が増えても、電気代がそれまでよりも節約になっています。当時は子供が同居していたので4人家族でした。
それでもエアコンを変えただけでピーク時は月約1万円の電気代節約になりました!
記事を別に書きましたので興味があれば参考にご覧ください。
冷蔵庫の温度管理で電気代を節約する
冷蔵庫はシーズンによってこまめに設定温度を調整することで節電になります。
これは結構めんどうなのですが、節電になるのでぜひチャレンジをおすすめします。
また、食品の詰めすぎは冷蔵庫に負担をかけるので電気代が増えます。
省エネ家電で電気代を節約する
微々たる節電ですが、実は「塵も積もれば山となる」という長期的な節電方法です。
照明器具のLED化、エアコンを最新の省エネタイプに交換、冷蔵庫も省エネタイプに交換することは大きな節電につながります。
新しい家電は大きく技術進歩しているので省エネ、一方古い家電は電力量が大きく電気代がかさみます。
そこでできるだけ最新の家電に交換すると、年単位で電気代は節約できます。
長期間のランニングコストを見直すことで電気代を節約する工夫ですね。
電気の契約見直しで電気代を節約する
ここまで家電とその使い方等を見直して電気代を節約する方法を説明しました。
次に説明する節約方法は「電気の契約等を見直して節約する方法」です。
電気の契約アンペア数を見直す
まずは現在契約しているアンペア数が戸建てで使う電力量に見合っているかどうかをチェックしましょう。
例えば、戸建ての場合は通常ファミリー使用で設定することから50Aの契約が多いのではないでしょうか。
2人暮らしなら40A程度で十分だと仮定します。
契約アンペア数が50Aで、2人暮らしなら40Aで間に合うとします。
その結果、電気代の基本料金は40Aと比較すると50Aの契約は月295円24銭高くなります。
年間では3,542円88銭の差となります。
わずかな差額とはいえ長期間になると見過ごせない料金になりますので、見直しましょう。
戸建て2人暮らしの契約アンペア数の目安
戸建ての2人暮らしの契約アンペア数は一般的に30Aという時代もありましたが、実際に様々な家電が増えており現代では、一人暮らしでも30Aが目安になっています。
つまり、2人暮らしなら契約は40Aは欲しいですね。
以下のデータを参考にして見直してみてください。
2024年2月現在の東京電力の契約アンペア数の電気代は以下の通りです。
東京電力の「従量電灯B」を契約した場合の基本料金と使用した電力量の料金は次の通りです。
月の電気代は次の計算をして算出します。
40Aで契約した場合は、「基本料金」1,180円96銭と使った分の「電力量料金」を加算した合計となります。
契約アンペア数の「基本料金」
契約アンペア数 | 基本料金(円/月、税込) |
---|---|
10A | 295円24銭 |
15A | 442円86銭 |
20A | 590円48銭 |
30A | 885円72銭 |
40A | 1,180円96銭 |
50A | 1,476円20銭 |
60A | 1,771円44銭 |
出典:東京電力エナジーパートナー株式会社(2024年2月現在)
使用した分の電気代「電力量料金」
使用した電力量 | 単位 | 電力量料金(円/月税込) |
---|---|---|
最初の120kWhまで (第1段階料金) | 1kWh | 30円00銭 |
120kWhをこえ300kWhまで (第2段階料金) | 1kWh | 36円60銭 |
上記超過 (第3段階料金) | 1kWh | 40円69銭 |
出典:東京電力エナジーパートナー株式会社(2024年2月現在)
参考:ご契約アンペアの選び方 ➡(東京電力エナジーパートナー)
電気料金プランの見直し
電気料金には、様々なプランがあります。
- オール電化の住宅向けプラン
- 電気・ガスのセット割引プラン
戸建て住宅における2人暮らしのライフスタイルに見合ったプランを探すことができます。
これらのプランはインターネットの電気料金の比較サイトで調べることができます。
*最後のシミュレーションの項目で説明します。
新電力に切り替える
2016年に「電力小売の全面自由化」により、お得なプランが選べるようになりました。
2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。
引用:経済産業省 資源エネルギー庁
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化って何?」
電力の全面自由化によりさまざまな事業者が電気事業に参入したためセット割などのプランもあります。
- ガス事業者:「電気+ガス」のセット割
- 通信事業:「電気+インターネット」のセット割
事業者を比較して、お二人に見合った電気料金プランを選ぶことができるでしょう。
電気代をシミュレーションで見直す方法
電気代の比較サイトを利用すると、電気代をシミュレーションすることができます。
その結果、最適な電気料金プランをランキングしてくれるので、その中から2人暮らしのライフスタイルにあった電気プランをあっという間に見つけることができます。
おすすめは上場・大手事業者が運営する「電気料金比較サイト」を利用することです。
理由は無料で安心して調べることが可能だからです。
電気代やガス代をランキングから選ぶ
電気代やガス料金のランキングや、電気・ガス料金セットプランのランキングを自動で提案してくれる国内最大級の電力比較サイト「エネチェンジ 」があります。もちろん上場企業です。
このサイトの使い方を説明します。
公式サイトへ進むと、以下の画面が表示されるので、ここに必要事項を入力します。
入力したデータから電気料金プランのシミュレーション結果がランキングで表示されますので、その中から選ぶことができます。
安心して使えるサイトなので、2人暮らしで電気代がどれほど節約可能なのかをチェックしてみましょう。
個人的な感想ですが、結構節約できるものです。
PR用の公式サイトは下のリンクから電気代シミュレーションができます。そのほかにガス代も可能です。
この機会にぜひ比較してみてください。料金は無料です。
2人暮らしの平均電気代と見直す方法(まとめ)
2人暮らしを始める場合の電気代をテーマに平均電気代と節電する方法について解説しました。
家電の見直しと電気の契約を見直すことで節電も可能なのでぜひ参考にしてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。