金運アップとかお金持ちになるなど「お金」に関する言葉にはなぜ良からぬイメージが湧くのでしょうか?
心の中では少しばかり良くないイメージを持ちながら本音では「お金持ちになる方法」「金運アップの方法」を本気で考えているのです。
実は「お金持ちになりたい」のが本音ではないでしょうか。この記事ではお金に関する考え方から金運アップの方法に至るまで調べてみました。
「お金持ちになる」とはどのようなことなのか、そして「お金持ちになれる方法はあるのか?」について以下の3つのポイントから紹介します。
その②:先人たちのお金の考え方
その③:お金を稼ぐための使い方
その①:お金の使い方に関する子供の教育
お金に関してよいイメージが出てこない背景には日本特有の文化を知る必要があります。日本では昔から「子供の前でお金の話はしない」ということを言い続けてきた文化があります。
お金にとらわれず清く生きることであり苦労せずにお金を儲けることを良しとしない考えの中で育ったためお金を口に出すと違和感を感じるというのです。
では海外ではどのように子供がお金と向き合っているのでしょうか?
外国の子供は「金融知識と投資」を学ぶ
諸外国ではお金に関する教育を小さな子供の時から行っていて、しっかりとしたお金の価値と使い方を教えているのです。
イギリスの教育
イギリスでは「金融ケイパビリティー教育」を行い段階的に「金融知識」「金融スキル」「責任」を教育しています。
アメリカの教育
また米国では専門家や実業家などが中心となり子供たちに「金融教育」を行い、「個人のお金に関する計画管理」を学んでいます。
子供にデビットカードを持たせたりオンラインゲームなどで投資の経験をつませたりしています。
日本の子供は「お金の消費」を学ぶ
一方日本の教育は「お金の消費に関すること」が中心となっています。以下の文部科学省の学習指導要領を紹介します。
「文部科学省における消費者教育・金融経済教育の取組について」からどの様な指針で子供たちにお金の教育をしているかを知ることができます。
〈小・中・高等学校〉
引用:文部科学省ホームページより引用
【学習指導要領に基づく取組】
学校教育においては、小・中・高等学校の社会科・公民科、家庭科
などの教科を中心に、児童生徒の発達段階を踏まえ、消費者教育・
金融経済教育に関する内容を指導することとしている。
(例)
小学校家庭科:身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入で
きるようにすること
中学校社会科(公民):契約の重要性やそれを守ることの意義、個
人の責任に気付かせること
高等学校家庭科:クレジットカードの適切な利用や多重債務問題な
ど消費生活と生涯を見通した経済の計画について
理解させること
※現行学習指導要領(小学校:H23~、中学校:H24~、高等学
校:H25~)
日本の教育は海外とスタンスが違います。資産運用はリスクを伴うイメージが強いためアメリカの投資等を含む教育とは距離があります。
お金の使い方は習うのですがお金を増やす金融知識やお金を稼ぐ投資については皆無なのです・つまり正しく「お金を稼いでお金持ちになる」という方法が子供たちに教育されていないことがわかります。
その②:先人たちのお金の考え方
さて、先人たちはお金をどの様にとらえていたのかを調べました。
お金に関わる言葉には昔から歴史の中で人々が残した名言があります。
残された名言から考え方を知ることができます。
金銭は肥料のようなものであって、ばら蒔かなければ役には立たない
出典:フランシス・ベーコン(哲学者)
フランシス・ベーコン(Francis Bacon) 生年月日:1561年1月22日
イギリスの哲学者、神学者、法学者
金を稼がんとせば、金を使わねばならぬ
出典:プラウトゥス(喜劇作家)
プラウトゥス 紀元前254年 – 紀元前184年 古代ローマの劇作家
古代ローマ時代からお金については現代の経済学者と同じようにとらえていたのです。
その③:お金を稼ぐための使い方
先人からお金に関する考え方を学びました。
次はお金を稼ぐために使う方法をまとめてみると以下のようなことがわかります。
自分の事だけを考えてお金を握りしめていては、お金が増えることはないし周りに人も寄ってこないのです。
まとめるとお金持ちになりたいのなら大きくお金を使うことだといえます。
大事なのはお金の使い方
日経doorsに2018年に取りあげられた「金運上昇の法則」で知られている島田秀平氏の記事が目に入ってきました。
それによると「金運アップ」の神髄は「使い方」だとの説明しています。
意識したいのは、その使い道。同じお金の使い方でも「人を幸せにするお金の使い方」「将来につながるお金の使い方」もあれば、「人のためでも自分の将来のためでもない、ただの浪費」もありますよね。手帳には、前者は「生き金」として黒字で付け後者は「死に金」として赤字で付けます。
出典:日経doors 2018.08.01 金運上昇の法則 島田秀平の「生き金・死に金手帳」
お金の仕組みとスキルを学びさらにお金の運用を学んだ人のところにお金はやってくるということです。
「三貫文は、世にとどまりて、人のまわり持ち」
お金は使い方次第で金運アップしていくと言われているのですが日本でも有名な話がたくさんあります。その中で経済界でも取り上げられている有名な話があります。
井原西鶴の「武家義理物語」の中にある「我物ゆえに裸川」という話です。
鎌倉時代に青砥藤綱という武士がいました。ある秋の夜に鎌倉の滑川を渡った際にちょっとした拍子に十銭ばかりの小銭を川の中に落としてしまいました。
川に落とした十銭(約500円)を探すために人足達をあつめて三貫文(30~40万円)を渡し探させた話です。
雇った人足の1人がみごと小銭を見つけたので藤綱は喜んでその男に更に別の褒美まで与えたというのです。人足達は藤綱の愚行を笑いました。
藤綱の考えは「十銭でもそのままにすれば国の資産の損失になり本意ではない。しかし三貫文は世の中に流通して無駄にはならない」という考えです。
三貫文の大金で人足達は酒宴をはじめるのですが、その席で小銭を見つけた人足が「実は嘘で、探すのが難しく自分の小銭を使ってだました」ことを話したのでした。
すると、その酒宴にいた正義感のあるひとりの人足がその不正に席を立ってしまいます。
その後そのことが藤綱の耳に入り、だました人足を探し出して今度は裸にさせて監視のもとに冬まで探させました。開始から97日目についに男は小銭全てを見付け出したのです。
席を立った人足も居場所が見つかりました。事情があって武士から人足になっていたことがわかり再び武士に返り咲いたという話です。
経済を回す使い方
この話には3つのポイントがあります。第一は「口は災いの元」という教訓、第二はもと武士であった人足は人足になっても志が違う見分階級、第三は十銭を見つけるために三貫文以上を費やした愚行ともいえる経済の拡大再生産効果のことです。
ここでは第3番目のポイントに学ぶことがあります。ある研究では戦国時代の1貫は約12万円。とすると三貫文は約30万円~40万円はしたのでしょう。1銭が50円とすれば十銭は500円程です。
つまり500円玉を川に落として探すのに30万~40万円程使ったというのです。
結論は使ったお金は酒宴にまわりそれが回りまわって経済の拡大再生産につながることにも読み取れるのです。それがまた自分のところに戻てくるのです。
長い話になりましたが、参考になったので追記しました。
現在は2020年5月25日新型コロナの緊急事態宣言が全ての地域で解除されました。
アフターコロナ時代の使い方
十銭を探す経済学が新型コロナ以前とすればアフターコロナの時代はどんな事態が起きても継続できる経済活動が求められています。
三貫文の使い方は新しい時代に即した方法に変わる時かもしれません。
まとめ
お金の価値と使い方を先人の知恵と海外での教育を通して知ることができました。
お金を儲けることよりも、いかにお金を使うかこれからの新しい時代に見合ったスキルが大切だということが分かりました。