年々厳しくなる年金制度。そのような中でも65才から老齢基礎年金が支給されます。
60才を過ぎたら高齢者なのでしょうか?
日本では「高齢者」の年齢の定義は明確には無いようです。
何才からが高齢者なのかが不明な中で高齢社会に船出していく60代。
どのように高齢社会を生きていくのか模索してみました。
高齢社会が加速する日本
平成8年から毎年政府が国会に提出している「高齢社会白書」があります。
令和2年版の高齢社会白書では、「令和元年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」、「令和2年度 高齢社会対策」という2つの部分から構成されています。
この白書によると、我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人います。
「65歳以上人口」は3,589万人で、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.4%。
「65歳~74歳人口」は1,740万人、総人口に占める割合は13.8%。
「75歳以上人口」は1,849万人で、総人口に占める割合は14.7%(65歳~74歳人口を上回っている)
令和47(2065)年には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上と推定している。
高齢者って何才から?
令和2年、内閣府の「高齢者白書」によると、「高齢者の用語は文脈や制度ごとに対象が異なり、一律の定義がない」としています。
国の高齢社会対策大綱(平成30年2月閣議決定)では、便宜上、一般通念上の「高齢者」を広く指す語として用いている。
また、日本老年学会・日本老年医学会では「高齢者の定義と区分」 について提言を発表ました。
それによると、 65~74才を「准高齢者」、75~89才を「高齢者」、90才以上を「超高齢者」 として区分することを社会に提言しています。
つまり、75歳以上を高齢者の新たな定義とすることが提案されているのです。
また国の高齢社会対策大綱においても、「65歳以上を一律に「高齢者」と見る一般的な傾向は、現状に照らせばもはや現実的なものではなくなりつつある。」とされているのです。
65才から老齢基礎年金の支給開始
現役時代からの延長という感覚がまだ残っている60代前半で、元気そのものです。
しかし、65才を迎えると人生の一区切りが来たような感じがします。
いよいよ老齢基礎年金の支給が始まるのです。
つまり年金生活が本格的に始まるということです。
年金だけでも生活できるようにシンプルな生活体制を考える時です。
現実に政府やアドバイザーが提唱している超豪華な「老後資金2000万円」の準備ができるほどの財産を確保するのは難しいのですから。
60才で定年退職し、雇用延長で65才まで頑張って働いてきましたが、通念上はここで一区切りとなります。
いよいよ年金生活に入るので、定年とはまた違った感じになります。
それは「前期高齢者」、あるいは日本老年学会・日本老年医学会の言葉をかりるなら「准高齢者」というラベルが付くからです。
高齢者として自覚し、腹をくくるときなのでしょうか?
後期高齢者75才から医療保険が変わる?
ここまでの調べでは、今後は75才から「高齢者」と呼ぶことになりそうです。
前期高齢者65才~74才は現在加入している国民健康保険や被用者保険が適用され、後期高齢者の75才からは医療保険が別物に切り替わるのです。
その医療保険は、平成20年4月から新たに「後期高齢者医療制度」が創設されたのです。
それまでは75才以上でも、国民健康保険や被用者保険に加入していましたが、新しい「後期高齢者医療制度」では、財政運営は都道府県単位ですべての市町村が加入する「広域連合」が行います。
そして広域連合が運営する「後期高齢者医療制度」に加入することになります。
どうも難しい話ですが、74歳までは今まで通りで、75才から「後期高齢者医療制度」という医療保険に切り替えて加入するということになります。
60代は「高齢者」への準備
来る後期高齢者の75才を迎えるまでの10年間をどう過ごすかが大切だと思います。
まだ、体が動くうちに「断捨離」をしたり、財産関連をまとめたり、頭が働かなくなっても大丈夫なように、今から準備することだと考えています。
ネットやブログ自体も「無数のIDとパスワード」「レンタルサーバー、ドメイン、プロバイダー・・」等の契約を解約する手続きなど、残された家族は処理が大変です。
亡くなった後に残されたものは、本人確認のいる書類の整理や通帳の整理はものすごく大変です。
超高齢者になると「運転免許」を手放したくないようです。
なので、若いうちから運転免許を返納して、歩き社会に順応した生活に慣れておくことも一案だと考えています。
年間2万キロも車に乗っていたのですが、すべて歩きに切り替えました。
最初は不便でしたが、慣れると意外と楽しいものです。年を取ってから急に車は手放せないからです。
親戚でこんな問題がありました。
71才と若いのに介護になり歩くこともできなくなり、認知がはじまったのです。本人には通帳があるのですが処理ができません。
そこで、まだ話せるうちに通帳を解約することにしたのです。
銀行に問い合わせると、その口座は「生体認証」で登録したため、解約には本人の「指紋」が必要だから銀行まで連れてきてほしいというのです。
本人は寝たきりで認知が少しあるのですが、なんとか対策を考えているところです。
そうなる前に、準備ができるのが60代ではないでしょうか。
人生に残された健康な時間は意外と無いものです。
おわりに
あっという間の10年が過ぎで行く年なので、はやめに頑張ってまとめておきましょう。