長年、仕事に追われる日々を送ってきた方にとって、「仕事を手放す」という選択肢は、大きな不安と期待を伴うものです。
「この先、収入がなくなってもやっていけるのか？」
「社会とのつながりを失うのではないか？」
そんな疑問を抱くのは自然なことです。
しかし一方で、仕事に縛られない自由な時間が手に入ることで、本当にやりたかったことに挑戦できる人生が待っているかもしれません。
実際、仕事を辞めて初めて「こんな生き方があったのか！」と気づく人も少なくありません。
本記事では、経済的な準備や生きがいの見つけ方、「隠居生活」の具体的な楽しみ方をお伝えします。
仕事を手放すことで見えてくる新しい生き方の可能性を一緒に探ってみましょう。
定年後に『仕事を手放す』という選択肢は可能か？
定年後に「仕事を手放す」という選択肢を選ぶことは可能なのでしょうか？
経済的な視点
まず経済的な視点から考えると、年金が生活の柱となります。
たとえば、単身者の月々の年金受給額が約15万円、夫婦で約22万円とすると、支出のバランスを見直せば十分に生活できるケースもあります。
具体的には住居費や固定費を削減し、贅沢を控えつつも趣味や生活を楽しむ方法が鍵となります。
また、ある程度の貯蓄や資産運用を計画的に活用すれば、より安定感が増します。
心理的な視点
一方、心理的な視点では、仕事がなくなることで「社会とのつながりが薄れる」「自分の存在価値を見失う」といった不安がつきまといます。
しかし、これらは新しい生きがいを見つけることで解消可能です。
趣味や地域活動、学び直しなど、隠居生活で得られる新たな役割を通じて、生きがいや達成感を得られる場が広がります。
「仕事をしない」という選択は、十分な準備と柔軟な心構えがあれば、実現可能な未来なのです。
隠居生活の魅力：時間の自由と生きがいの追求
隠居生活の最大の魅力は、仕事に縛られない「時間の自由」を手に入れることです。
朝早く通勤する必要も、締め切りに追われるストレスもなく、自分のペースで一日を過ごせる喜びは計り知れません。
たとえば、早朝に散歩をして季節の移ろいを感じたり、好きな音楽を聴きながら本を読むなど、何気ない日常に豊かさが広がります。
また、隠居生活を通じて、自分の「やりたいこと」にじっくりと向き合える時間が増えます。
旅行に出かけたり、新しい趣味に挑戦したり、あるいは地域活動に参加して新しい仲間を見つけるなど、多彩な選択肢が待っています。
実際の楽しみ方としては、例えばガーデニングで自然と触れ合う時間を楽しむ、手工芸や絵画を通じてクリエイティブな活動を始めるのもおすすめです。
また、地元の歴史や文化を調べて新たな知識を深めることも、知的な満足感を得られる方法です。
隠居生活は、ただ時間を過ごすだけではなく、自分のペースで新しい価値観や生きがいを追求できる贅沢な時間なのです。
隠居生活の成功に必要な3つの秘訣
隠居生活を成功させるためには、以下の3つの秘訣が重要です。
1. 経済的な準備
隠居生活では収入が減少するため、生活コストを見直すことが欠かせません。
住居費や通信費などの固定費を削減するだけでなく、趣味や娯楽の支出も計画的に管理しましょう。
また、年金受給額や貯蓄の確認をしながら、無理のない資産運用を検討することで経済的な安定を得られます。
たとえば「月々20万円以内で暮らす」ような具体的な目標を立てると、安心感が増します。
2. 心の準備
仕事がなくなると、これまでの役割を失ったように感じることもあります。
そのため、自分のペースで新しい日常に慣れることが大切です。
「まずは1週間、自分の時間を自由に使ってみる」など、隠居生活を小さく体験してみると良いでしょう。
また、「仕事をしない自分」も受け入れるポジティブな心構えを持つことが成功の鍵です。
3. コミュニティとのつながり
孤独を防ぐためには、趣味や地域活動などを通じた人間関係の構築が必要です。
例えば、ボランティア活動や趣味サークルに参加すれば、同じ興味を持つ仲間と出会えます。
近隣住民との交流や友人との定期的な会話も、心の健康を保つ重要な要素です。
これらの準備を整えることで、隠居生活をより充実したものにすることができます。
62歳で隠居生活を始めた私の体験談
ここでぼくが62歳で仕事を辞めて隠居生活を選んだ体験談を紹介します。
始めたきっかけ
60代で定年退職し、その後は嘱託社員として部署を変えて同じ会社で仕事をすることにしました。
配置先では、今までの管理職の延長ではなく、若いアルバイトと同じ力仕事がメインとなりました。
給料は現役時代を考慮してくれたので月30万円と決して安くは無いと感謝していました。
ところが、仕事内容は体力が必要なことと、それまで管理職だったのが今度はアルバイトと同じ席が与えられたことで、心が折れてしまいました。
上司となるのはぼくが業務指導してきた若い新人となり、ますますやる気がへこんでしまいました。
「この先の人生は本当にこれでいいのか？」と心身両面できつくなり、そう思ったのです。
嘱託社員になって、2年後の62歳の時でした。
これが、隠居生活を選んだキッカケとなりました。
準備したこと
まずは、妻と話し合いました。妻は「今まで頑張ったのだから、これからは体を大切にあなたの好きなように生きてね！」と応援してくれました。
準備した事は、生活費のことです。
年金は65歳から満額支給となりますので、62歳から3年間は収入がありません。
そこで妻と話し合って決めたことは次の通り。
- 62歳から65歳までは、退職金を切り崩して住宅ローンも含めて充当する。
- この間の生活費は、月10万円でやりくりする。
- 住宅ローンは70歳で完済ですが、65歳で完済するように変更。
65歳までは、本当に厳しい生活費でした。退職金は三分の一になりました。
その一方で手に入れたのは「健康な体」と「仕事に縛られない自由」です。
ストレスでうつ状態だったのが、みるみる元気になりました。
65歳の年金が満額出るまでは、一汁一菜の生活を無事に乗り切ることができ、家のローンも完済しました。
現在の生活
「お金はあの世に持っていけない！あの世に持っていけるのは思い出だけ！」
退職金の残りは、元気なうちに、思い出作りに使い切ろうというのが夫婦で出した結果です。
70歳を越えるとどんどん旅行などは体がついていかないので、今を楽しむことにしました。
旅行は海外ではイタリア、タイ、グアム、韓国など、国内は北海道〜九州まで温泉旅行を楽しみました。
現在の隠居生活の一日はこんな感じです。
- 5：00起床・朝食の準備（僕の担当）
- 6：00朝食
- 7：00瞑想の時間
- 8：00ウォーキング
- 9：00～11：30ブログ執筆とメールやWebチェック
- 12：00昼食（僕の担当）
- 13：00昼寝
- 14：00～16：00午後のブログ執筆、読書など
- 17：00夕食（妻の担当：一緒にすごす時間）
- 19：00入浴
- 21：00まで読書
- 22：00就寝
現在63歳から始めたブログは、ぼくの生きがいとなりました。理由は、自宅で没頭できること、ブログ記事で社会に役立てることと、記事を書くことで広告収入が入ることです。
収益は年金収入に影響を及ば差ない程度に抑えています。年20万円を超えない様に月2万円前後です。
苦労してでも家の住宅ローンを65歳で完済できたことは、老後の生活でラクです。
現在は、毎月年金だけで夫婦2人が健康的に十分生活できます。
生きがいを感じる瞬間
日々、ウォーキングをしながら季節の変化を感じる時間がとても贅沢です。
また、朝食と昼食の準備から後片付けまで担当することで、新しいやり方や料理などのスキルが格段にアップしたことです。
読書量も大幅に増えて、月少なくとも10冊は図書館で借りて読んでます。無料なので（笑）
このような生活で、月妻の年金と合わせて、年金だけで十分な満足感のある生活となっています。
隠居生活に切替えた現在、ぼくは幸せな暮らしとなっています。
まとめ：隠居生活を始めるための第一歩
仕事を手放すのは人生の終わりではなく、再出発のチャンスです！
まずは小さな一歩を踏み出すことで、隠居生活への道が開けます。
まずは、今週末に、自分だけの時間を過ごしてみてください。
それが隠居生活の第一歩です。
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