老後に年金だけで暮らすのは夢物語になってしまったのでしょうか?
コロナ後に直面する年金生活はどうなるのでしょうか?
今回は
- 老後の年金暮しの不安
- 高齢世帯の平均貯蓄額のマジック?
- コロナ終息後の税負担は?
について紹介します。
老後の年金暮しの不安
老後は年金だけで暮らしたい!
そんな望が夢物語になり始めた現在の年金事情とは?
厚生労働省が公表している「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」があります。
厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金額は、月約14万6,000円です。
その内訳は、男性が約16万5,000円で、女性が約10万3,000円です。
厚生年金額だけでは「年金だけの生活」は、難しいですよね?
つまり、「年金にプラスアルファの生活費」が年金生活者に求められていることが見て取れます。
「高齢夫婦で無職の世帯」家計収支の平均
高齢夫婦で無職の世帯では、家計がどうなっているのでしょうか?
総務省統計局が公開している「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」を参考に見てみました。
夫65才以上、妻60才以上の無職世帯の数字です。
- 実収入は、23万7659円です。(内21万6910円が年金等の社会保障給付)
- 支出は、27万929円です。(消費支出23万9947円、非消費支出3万982円)
統計上では、あきらかに現時点で約3万円の赤字となっています。
ご家庭の事情で、現実的には様々ではあります。
でも、一般的な年金生活者は赤字は避けられないのですね。
高齢世帯の平均貯蓄額のマジック?
年金収入の不足分を貯蓄から切り崩していく場合、高齢世帯の貯蓄額はどれくらいあるのでしょうか?
高齢者世帯の貯蓄(総務省統計局)の数字をみると、2017年は1世帯当たり2,386万円です。
2,386万円とは高額で、かなり現実的には感じられませんね。
この金額は、数字上のマジックかもしれません。
理由は、平均の貯蓄額は、貯蓄額の高い世帯によって引き上げられるからです。
極端な例で説明すると、貯蓄額500万円が9人で1億円が1人の場合、平均は1千万450円となります。
平均という数字は、一人の高額な値により全体が高くなって見えるのですね!
そこで、貯蓄額を低い額から高い額に、順に並べた真ん中の中央値(中央に位置する値)で比較します。
すると、2017年は1,560万円で少しは現実的に感じます。
まだまだ、高額だと思いますが・・・
コロナ終息後の税負担は?
2020年に世界的にパンデミックになった新型コロナ感染拡大により、日本の歳出は拡大しました。
そのつけは、コロナ終息後に国民に何らかの税負担としてのしかかってくると思われます。
年金の改革もあり、コロナにより税負担が増してきます。
年金だけで質素に暮らすことすら「夢物語」になってしまうのでしょうか?
まとめ
今回は「年金だけで暮らすのは夢物語になったのか?コロナ後に直面する年金生活とは?」について紹介しました。
自助努力にも限界がやってくるかもしれませんね。
今から、先を見越して工夫しながら年金生活を考えることも大切なことです。