年齢を重ねる毎に上がる血圧。
50代までとは違い、60才を過ぎたら血圧の変化に注意が必要です。
無理をしないで血圧を下げる生活のポイントも紹介します。
日本人の血圧の平均値は?
日本人の血圧について厚生労働省の「平成 30 年国民健康・栄養調査結果の概要」に20歳以上の平均値が公開されていました。
それによると、最高血圧の平均値は男性 134.7mmHg、女性 127.9mmHg となっています。
また、最高血圧が 140mmHg 以上は男性 36.2%、女性 26.0%になっていています。
どちらの数字も、この10 年間でみると男女とも下がっています。
高血圧とは、札幌医科大学名誉教授の島本和明先生が監修した「家庭血圧日誌」によると次のように紹介されています。
家庭で朝夕1日2回、5~7日の平均で上が135mmHg以上、又は下が85mmHg以上の場合、高血圧とされています。
なお、診察室では多少上がるので140/90mmHg以上(診察室血圧)としています。
血圧が高い人で降圧薬を服用している人は全体の約2割を占めています。
とくに60代では約30%、70歳以上では約47%と、高齢者になるほど降圧薬服用者率が高くなっています。
60代の血圧には注意が必要
血圧は一般的に、60才前後までは年を重ねる毎に上も下も並行して上がっていくと言われています。
ところが注意が必要なことがあると医師(東京医科大学名誉教授の高沢謙二氏)は週刊現代2018年6月17日の取材の中で述べています。
それをまとめると次のようなことです。
最低血圧と一緒に最高血圧も下がるなら問題はなく、むしろ好ましいと述べています。
注意すべき血圧の変化の目安は、最高血圧が150mmHg以上と高いままで、下だけが以前に比べて下がっていくケースがあるといいます。
この原因は「太い血管の動脈硬化」が起きている可能性が疑われるようです。
最高血圧と最低血圧の差を「脈圧」といいます。
例えば上が140で下が80ならば、脈圧は140-80で60となります。
この脈圧が70より大きい人は注意が必要といわれています。
国立がん研究センターの調査では、脈圧が大きくなりすぎると脳卒中になりやすいことが明らかになっています。
脈圧をチェックすることで脳卒中のリスクを回避することが大切ですね。
血圧を下げる軽い運労
厚生労働省の「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」によると次のような調査結果を公表しています。
1日の歩数の増加についての効果です。
歩数を現状よりも約 1500 歩増やす(男性では 1364 歩、1883 歩の増加)ことにより高血圧者に対して収縮期血圧2~3mmHg の低下が期待できる。(中省略)このレベルの運動量の増加で循環器疾患の発症率や死亡率が5~10%減少することが期待できる。
引用:厚生労働省の「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」より
ほんの少し運動を加えることで血圧を下げる効果があるというのです。
ウォーキングを継続するという義務感でやると逆にストレスで血圧が上がることにもなります。
特に脈圧が変わる60代はウォーキングで歩数自慢にならないように注意が必要です。
普段の生活で血圧に効果的なこと
一日の中で普段より少しだけ多めに動くことでも血圧を下げる効果はあると言います。
家の二階へ行く回数を1回増やすだけでも効果があります。また、掃除をするなど無理のない範囲でできることだけでもいいのです。
その他に血圧を下げるためにできることは、日常生活の中でたくさんあります。
笑うこともその一つです。
昔から「笑う門には福来る」といわれているほど健康にも効果があります。
笑うと副交感神経が活発になり血圧の改善にもつながるという研究があるそうです。
面白いテレビや落語、漫才などを見て笑うのも効果的です。
また睡眠は効果があると言われています。
しかし、眠れないからといって無理に寝ることはないと言います。
人間は眠くなったら自然に寝るので心配はいりません。
1日に少しだけストレッチをして筋肉を伸ばすだけでも血管の老化を予防になります。
そして高血圧を重症化させることから回避できるのです。
おわりに
60代になったら血圧で注意するポイントを紹介しました。
無理せずに効果的な運動をしながら高くなった血圧をコントロールして老後に向けて生きていくことが大切ですね。