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シニアのデジタル活用革命|充実・活動・挑戦の新時代へ

「シニア=静かに過ごす時代」──この古い固定観念は、今まさに覆されようとしています。

2025年、日本のシニア層は人口の約30%を占め、社会の中心的存在として、デジタルを武器に新しいライフスタイルを切り開いています。

シニアは何を求めてネットを使うのか?

当記事では、シニア層のデジタル活用とこれからの時代に向けたシニア像について解説します。

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シニアは何を求めてネットを使うのか

シニア層のインターネット利用で最も多い目的は「情報収集・調べ物」で61.2%、次いで動画の視聴が20.4%、友達とのコミュニケーションが6.1%となっています。若者が「SNSやアプリを使ったコミュニケーション」を主な目的とする(72.5%)のに対し、シニア層は知りたい情報を深く調べることに重点を置いているのです。

また興味深いのは、検索の仕方にも特徴があることです。シニア層は「アマゾン通販」「楽天市場ショッピング」など、略称ではなく正式名称で検索する傾向があり、テレビ番組やテレビショッピング関連のワードも上位に現れます。さらに、他世代に比べて広告からサイトに流入する割合が高く、特にショッピングサイトやオークションサイトでこの傾向が顕著です。

音声検索機能の利用率も若い世代よりシニアの方が高いことが分かっています。老眼や指先の動きの鈍化など、加齢による身体能力の変化を音声操作で補完しているのです。

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「令和シニア」が示す、驚くべきデジタルシフト

数字で見る現実

70代のスマートフォン利用率が他の世代に追いつきつつあり、70代前半のスマホ保有率は男性93%、女性90.2%、70代後半では男性82.1%、女性79.5%という驚異的な数値が報告されています(出典:モバイル社会研究所「2024年一般向けモバイル動向調査」)。

「シニアはデジタルが苦手」というイメージはもはや過去のものです。60代のインターネット利用時間は前年比で10.5分増加し、逆にテレビ利用時間は12.8分減少しています(出典:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)。

情報収集の主戦場がテレビからネットへと確実にシフトしているのです。

お金の使い方も変わった

また別の調査では、2024年は2019年と比較すると、ネットショッピングは18ポイント増加して52%、オンライン決済は40ポイント増加して45%、ポイント活用は25ポイント増加して43%に達しています。
キャッシュレス決済、ポイ活、ネットショッピング──シニア層の「現金離れ」は確実に進んでいます。

シニアのデジタル活用──3つの視点から見る現状

1. 情報収集のプロフェッショナル化

シニア層はエンターテインメントよりも情報収集の目的でインターネットを活用する傾向が強く、特にYahoo!ニュースなどのニュースメディアや検索エンジンの利用が高いことが特徴です。

若い世代がSNSで流行を追う一方、シニア層は信頼できる情報を深く読み込む「スローメディア」の実践者となっています。

2. 健康管理のスマート化

スマートウォッチの利用率は全年齢層で上昇傾向にあり、特に60〜64歳では利用率が前年比2.6ポイント増加して8.3%となっています(出典:モバイル社会研究所)。

歩数、心拍数、血圧、睡眠時間などのデータを記録できる健康管理機能への関心が高まっており、自分の体と真剣に向き合う姿勢が見られます。

3. SNSで自己表現する世代へ

インスタグラムの利用率は前年と比べて4.7ポイント上がり22.2%、FacebookやX(旧Twitter)の利用率も上昇しています(出典:モバイル社会研究所)。

「インスタグランマ」と呼ばれるファッショナブルなシニア女性たちが登場し、年齢にとらわれない自己表現を楽しんでいます。

見えてきた課題──「持っている」と「使いこなせている」の壁

しかし、現実はすべてが順調というわけではありません。
シニア層の85%が使いづらさや見づらさを感じているという調査結果もあります。文字の小ささに苦労し、指で拡大したり、拡大鏡を使用したりする工夫が必要な場面も多いのです。

スマホを保有しているからといって、デジタルデバイドが解消されているとは言えない。
スマホを使うことによって、どれだけ生活が便利になったか、どれだけ人とのつながりを持てているかがデジタル社会の指標なのです。

また興味深いのは、シニア向けスマートフォンの利用率が低く、多くの人が一般的なAndroidスマートフォンやiPhoneを使用しているという事実です。
家族のサポートで始める人が多く、「シニア向け」商品に対して「自分はまだシニアではない」という意識が影響している可能性があります。

これからの対応──3つの鍵

鍵1:「シニア向け」ではなく「誰でも使いやすい」設計

シニア層が求めているのは、特別扱いではなく、年齢に関係なく使いやすいユニバーサルデザインです。
「簡単・便利・安心」をテーマにしたサービス提供が重要で、直感的な操作性と安心感を両立させた製品が支持されています。

鍵2:個別最適化されたコミュニケーション

タイムパフォーマンスを重視する若い世代と違い、今のシニア世代は十分に咀嚼(そしゃく)して判断して購買する、参加することに価値を求めている人が多いのです。
一方的な情報提供ではなく、対話を重視した丁寧なコミュニケーションが求められます。

鍵3:学び続ける環境の整備

地域の団体や公共図書館が開催するクラスやワークショップを活用したり、YouTubeのチュートリアルやウェブサイトのガイドなどを利用したりすることで、自分のペースで学習を進めることが可能です。生涯学習の視点から、継続的なデジタルリテラシー向上支援が不可欠です。

未来への展望──AIとIoTが開く可能性

AIを活用した健康管理アプリは個々の健康状態に合わせたアドバイスを提供でき、IoTを活用したスマートホームデバイスは家電の自動化や安全対策を実現します。
音声操作が可能な照明や冷暖房、見守りカメラ付きセキュリティシステムなどが、シニア層の生活をより快適で安全なものに変えていきます。

新たなシニア像──「新人類」の進化

1980年代に「新人類」と呼ばれた当時の若者たちが還暦を迎え、青春の追体験や共有体験を通して健康や生きがいを実感できる場がシニア世代の間で活気を帯びています。
ディスコ文化の再来、SNSでの自己表現、ネットショッピングの活用──彼らは「静かに過ごす」のではなく、「充実・活動・挑戦」を実践しています。

定年退職をしても社会参加に前向きで、「社会との関わりを得たい」「仕事を通じて自分が役立っていると実感できるから」という声が多数聞かれます。
社会とつながり続けたい、自分の経験を活かしたいという強い意欲が、デジタル活用をさらに加速させています。

まとめ──シニアがリードするデジタル社会へ

令和のシニアは、デジタルの力を借りながら、人生の新しいステージに挑戦し続けています。彼らが求めているのは、年齢を理由とした特別扱いではなく、誰もが平等にデジタルの恩恵を受けられる社会です。

企業や行政には、シニア層を「サポートが必要な対象」としてではなく、「デジタル社会の重要なプレイヤー」として捉え直す視点が求められます。彼らの豊富な経験と知恵、そして新しいことへの好奇心が、これからの日本社会を豊かにしていくはずです。

静かに過ごす時代は終わりました。これからは、すべての世代が共にデジタルを活用し、充実した人生を送る時代なのです。

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