物忘れや最近の出来事を忘れるなど、そろそろ気になる60歳代!
年を重ねるにつれて認知機能の低下が気になりませんか?
老後に向けて、60歳代にやっておくべきことはなんでしょうか?
そこで今回は、年を重ねると直面する認知機能の低下を予防する方法について紹介します。
いつまでも元気で明晰な頭脳を維持したいですね!
年齢とともに低下する認知機能とは?
実は年を重ねると認知機能が低下することが知られています。
では、「認知機能」とはどんなことなのでしょうか?
認知機能とは?
長寿科学振興財団の長寿ネットから「認知機能」に関する定義を調べてみました。
それによると「認知機能」とは次のことを指します。
認知とは理解、判断、論理などの知的機能のことを言います。五感(視る、聴く、触る、嗅ぐ、味わう)を通じて外部から入ってきた情報から、
引用:公益財団法人長寿科学振興財団
・物事や自分の置かれている状況を認識する
・言葉を自由に操る
・計算する、学習する
・何かを記憶する
・問題解決のために深く考える
などといった、人の知的機能を総称した概念です。
認知機能の概念が分かったところで、いったい脳ではどんなことが起こっているのか調べてみました。
すると立命館大学での研究を見つけました。
認知機能を支配する「前頭前野」とは?
研究によると、認知機能が低下することを「脳」のレベルで見ていくと次の事が分かっています。
加齢と共にその影響を最も大きく受け、さらに最も早く影響を受けるのは、「前頭前野」であることが指摘されています。(Raz, 2000; Smith &Jonides, 1999)
認知機能は、前頭前野が支配している機能です。
「前頭前野」を活性化する効果
つまり、前頭前野を活性化することができれば、加齢による認知機能の低下をある程度遅らせることができると言います。
立命館大学の研究でわかったこと
立命館大学人間科学研究所高齢者プロジェクトが、2006年12月~2007年2月に行った実験の結果が論文で発表されました。
この論文でとても興味深いことを知りました。
それをご紹介したいと思まいます。
前頭前野を活性化するさまざまな認知課題を比較検討した結果,複雑な課題よりは簡単な課題が前頭前野を活性化することを見いだしている。
引用:立命館人間科学研究,16,117-125,2008.
たとえば,<8-6>といった単純な計算が,<54÷0.51-0.19)>といった複雑な暗算よりもはるかに前頭前野を活性化することを実証した。
さらに彼は,文章を読む活動の差についても研究し,黙読よりは音読が前頭前野を活性化するということを見いだした。
この論文で興味を持った実証結果は二つです。
単純な計算をすることと音読をすることで「前頭前野」を活性化することを実証したことです。
紹介した立命館の研究では、認知症の高齢者に「音読」と「易しい計算」を1日に20分前後行いました。
1週間の中では3~5日間です。それを6ヵ月、12ヵ月間に渡り実施。
- 音読と計算をしたグループでは、認知機能の維持・改善をしていた
- 音読と計算をしなかったグループでは、認知機能の有意な低下が見られた
こうした結果から,音読や易しい問題の計算をすることにより有意な改善が示されたと報告しています。
音読と易しい計算をすることで、認知機能の低下を防止することができることが実証されたのです。
参考:立命館人間科学研究,16,117-125,2008.高齢者に対する計算と音読活動の介入が前頭葉機能の活性化におよぼす影響:NIRSによる検討
60歳からは、音読と計算がおすすめ!
60歳になったら、「音読」と「易しい計算」をするのがおすすめです。
おすすめというよりは、「必須!」と言った方がいいかもしれません。
理由は、音読とやさしい計算をすることで、前頭葉が活性化するから!
その結果、前頭前野を活性化して、加齢による認知機能の低下をある程度遅らせることができるため!
音読は1日に約20分なので、本を音読したり、お坊さんの様にお経を口ずさんだりするのもいいですね!
また、易しい計算は、電卓を使わずに暗算してみたり、あるいは、買い物のレシートを手書きで計算することも役立ちます。
身の回りで、音読や計算に該当する方法はたくさんありますので見つけましょう!
まとめ
60歳にもなると、いよいよ認知機能の低下を感じるのではないでしょうか。
この記事をまとめると次のようになります。
ぜひ、日々の音読と簡単な計算の習慣を身につけることで、認知機能の低下を遅らせたり改善できるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。