年を重ねてくると残っている歯が少なくなってきます。
このまま治療もせずに老後を迎えようとしていませんか?
実は歯が健康なら脳も健康になるということが分かっています。
今回は
残っている歯が多いと認知症になりにくい?
- 残っている歯の本数と健康寿命
- 脳を若返らせるには?
- 脳の老化と歯の関係とは?
- 脳の健康を保つコツ
について、東北大学大学院の研究を参考にして紹介します。
認知症を予防する上でも、日々の歯のケアが大事です。
残っている歯の本数と健康寿命
いつまでも認知症にならないで健康な老後を迎えたいものです。
実は、興味ある研究報告があります。それは、東北大学大学院の研究グループが70歳以上の高齢者に行った調査です。
それによると、健康寿命が長い人ほど残っている歯の本数が多かったというデータです。
自分の歯が年を重ねるとだんだん減っていきます。
でも、ケアしたり歯科医の検診を受けたりして老後も自分の歯を残すことが健康寿命・認知症の予防につながるということですね。
また、高齢者で認知症の疑いがある人に残っている歯の本数はどれ位なのでしょうか?
その平均は9.4本ともいわれています。
東北大学「自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い」
引用:東北大学 2017年 | プレスリリース・研究成果より
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/06/press20170628-01.html
脳を若返らせるには?
ものをよく噛むと脳によいという話はよく聞きます。よく噛むにはやはり健康な歯が必要ですよね。
ではなぜよく噛むと脳が若返るのでしょうか?
その理由は、食べ物を噛むと歯の下にある歯根膜という器官に圧力がかかって、そこにある血液が脳に送られるからです。
一回噛むと約3.5mlが送られると言われています。
よく噛むと、この血液がたくさん脳に送られるので、脳が活性化して若返るというのです。
歯の健康がイマイチだと、よく噛めないから脳の若返りにも影響するのですね!
脳の老化と歯の関係とは?
参考に厚生労働省の「平成28年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を紹介します。
平成28年10月~11月に実施した「歯科疾患実態調査」の結果によると、80歳になっても自分の歯が20本以上ある8020(はちまるにいまる)を達成した人の割合を公表しています。
それによると、前回平成23年の調査結果「40.2%」から「51.2%」に増加していることが分かりました。
ご高齢になってもしっかりご自分の歯を保っている方が増えているのです。
歯の本数が減る原因の第1位は「歯周病」です。驚きですが虫歯ではなく歯周病です。
厚生労働省e-ヘルスネットでは、45才以上で過半数の人が歯周病の原因となる歯周ポケットを持っていて歯周病のリスクを持っている説明しています。
歯周疾患の有病状況
引用:厚生労働省e-ヘルスネット
歯周ポケット保有者の割合は年齢が増すにつれて高い傾向を示し、45歳以上では過半数を占めます。また全年齢層の約4割の人に歯肉出血が認められます。近年、歯の保有状況が良好になってきたことから、歯周病に罹るリスクを有する歯が増えています。
歯周病を予防することは、歯を残すことになり、その結果、脳の老化を予防することにつながります。
脳の健康を保つコツ
自分の歯の健康を保つことが、脳の健康を保ち、その結果痴呆症の予防となることがわかりました。
その為には、歯を良くケアすることです。
そのポイントを厚生労働省「口からはじめる生活習慣」を参考にまとめてみました。
歯周病予防に効果的な歯磨きの方法
- 歯と歯肉の間の歯垢を、歯ブラシの毛先の位置に注意してしっかり取り除く
- 歯ブラシの動かし方は小刻みにする
- 奥歯をみがくときのコツは、 大きく開かず「い」の口でする
- みがく順番を決める
この他に、歯間ブラシを使って歯ブラシでは落とせない歯と歯の間の汚れを落とす方法、左右の手を変えて磨くことで磨き残しを減らす方法もあわせて行うと良いようです。
詳しくは一人一人の状況で変わるので定期健診を設けて歯科医と相談するのがおすすめです。
人生100年時代は、どれだけ老後に自分の歯が残せるかが、健康寿命をのばし痴呆症を予防することにつながります。
まとめ
今回は歯が健康なら脳も健康になるという内容を紹介しました。
内容のポイントをまとめると次の通りです。
- 残っている歯の本数が多いと健康寿命が伸びる
- 脳を若返らせるには、よく噛むこと
- 脳の老化予防は歯を残こすための歯周病の予防をすること
- 脳の健康を保つコツは、歯磨きとケアをしっかりと行うこと
60代からでも、しっかりと自分の歯の健康を守り、脳の若返りをしつつ、寝たきりや痴呆症にならないようにしていくことが大事ですね。
まずは、歯の健康からです。
先日、虫歯で欠けたまま十年以上そのままにしていた歯を治療しました。
たった1本治療して使えるようにしただけなのに、いろんなものがよく噛めるのです。
その1本のおかげでおいしく食べることができるようになりました。
歯が元気な時に、歯科医院で検診を受けることもおすすめです。