日本の男性は世界一家事をしない理由はなんでしょうか?
そこで今回は、なぜ日本人男性は家事をしないのか、奥さんに任せき切りなのかを深堀してみました。
そこには家事をしないのではなく、できないという意外な事情も見えてきました。
日本の男性は世界一家事をしない?
日本人男性はどれくらい家事をするのか、興味深いデーターがありました。
2016年3月の「ニューズウィーク日本版」データだから現在とはちょっとずれがあると思います。
今は当時と比べて男性は少し家事の分担が増えているようです。
数字の単位は(分)です。
なんとアメリカと中国は、妻よりも夫の方が家事にかける時間が多いですね!
アメリカの男性は、一週間で309分で5時間、1日当り約50分。
一方日本人男性は、一週間で46分という短さで、1日当り約7分です。
また、国立社会保障・人口問題研究所が2022年に行った「全国家庭動向調査」では、妻が家事の80.6%を担っていることが分かりました。
2018年は妻が83.2%だから少しは改善されています。
ニューズウィークの7年前の2016年データでは妻が家事をする時間が85%だから、ほぼ一致しています。
ほんの少し改善されてはいるようですが・・・
このアメリカ男性の家事に充てる時間の差の原因はいったいなんなのでしょうか?
日本の男性が家事をしない原因を深堀してみた
日本人男性が家事をしない理由として、以前から定説となってきたことがあります。
「主婦は家事をしっかりするのが当たり前」という風潮です。
主婦は朝ご主人より早く起きて朝食を用意し、家の掃除をして誰が来ても大丈夫なように、部屋はいつもキレイに片付けられている。
主人が仕事から帰ってくるとお風呂や夕食が準備されている。昭和の時代を生きたものとして現実に目の前で見てきた風景です。家庭の中で専業主婦としての女性だからという在り方が教育されてきたのでしょう。
日本の文化には「夫は外で仕事に専念」「妻は家庭を守り子育て家事に専念して、夫を支える」という構図が根底にありました。
これは現代社会でようやく取り上げられてきた「ジェンダーギャップ」そのものですね。男だから外で働き、女性だから家庭を守る、という男性・女性という習慣的な格差です。
しかし、海外ではデータからも分かる様に「男性(夫)」が家事に参加する時間はかなり多いのです。
アメリカでは日本の約7倍、お隣の中国でも6.2倍です。
では、本当にジェンダーギャップが原因で男性は家事をしないのでしょうか?
ほかにも調べると原因が見えてきました。
日本は通勤時間が長いという原因
アメリカの男性と日本の男性が家事に費やす時間がなぜ大きく違うのか?という問題です。
日本文化に根付いてきたジェンダーギャップが原因の一つですが、もうひとつ原因が考えられます。
それは通勤にかかる時間です。
アメリカ人の平均的な通勤距離は16マイル(約26キロ)と言われています。
通勤にかかる平均的な片道の時間は26分。車社会だから、車で26分です。
一方日本人の通勤時間を総務省統計局が平成28年社会生活基本調査で公開しています。
それによると、通勤時間の平均は、平日:男性で1時間26分(片道43分)、女性で1時間7分(片道33.5分)です。
都市圏に住んでいる男性だと片道90分もざら。しかも、満員電車でがんばって通勤するのだから、アメリカのように自家用車に座って26分とは大違い。
つまり、通勤時間がアメリカよりも長く、体力的にもきついのが現状。
なので、平日は家事をするどころか、家事に間に合う様に自宅に着くことは難しい。働き方改革があっても、現実はなかなかかんたんではありません。
仕事を時間で提示で終わって帰ることはもう少し努力が必要な日本。
さらに男性が平日仕事に加え家事をするのはやりたくてもきついかもしれません。
とはいえ、共働きが普通になった現代では女性も同じことです。
家事にジェンダーギャップはもはやなくなりつつあると言えます。
つまり、アメリカのように、家事はどんどん男女同じ時間へと進むことなると推測します。
でも問題は、通勤時間と通勤手段がアメリカと違う点にもあるようです。
体力的にゆとりがないのが日本の現状なので、夫婦で話し合いながら家事分担をすることが大事ですね。
日本の男性が家事をするためには?
理想的には、自宅と会社の間が近く、通勤時間も短いと家庭で使える時間が増えます。
実はぼくも通勤していたころは、体力限界で自宅に着くと、もうへとへとでした。お風呂掃除も、家の掃除も、料理も、洗濯も、何とか手伝えるのは週末位。
ぼくは片道80分の通勤時間の会社を62才で辞め、自宅で仕事をするようになってからは、ぼくの家事分担の方が60%程度になっています。アメリカ並みです!!
やはり理想ですが、人は体力的にゆとりがあると、男性女性に限らず、家事に費やす時間はとれるものです。
せめてアメリカのように通勤時間が短く楽になれば、家事にあてる時間が増えるのではないかと思います。
あとはジェンダーギャップに慣れきっているDNA。男性はこの意識改革を同時にすすめる努力も必要です。