1日の食事回数は3回と2回、どちらが良いのでしょうか?
忙しい時は1日3回の食事が取れない時もあります。
そこで今回は、1日の食事回数は決まっているのかも含めて詳しく解説します。
日本人の1日の食事回数の歴史
そもそも日本人は昔から1日の食事回数が3回だったのでしょうか?
食事回数の歴史を調べてみました。
その結果、食事回数について2つのことが分かりました。
- 江戸時代の前までは1日2食だった
- 1日3回の食事回数は1935年(昭和10年)から
つまり、日本人は江戸時代のmmまで食事回数は1日2回だったことが分かります。
江戸時代の前までは1日2食だった
江戸時代になるまでは1日2食が一般的でした。
江戸時代に入り、日本人の食事回数は徐々に増えていったことが分かっています。
理由は「ランプの発達」によるもの。
ランプが普及したことで夜起きている時間が長くなりました。
その影響で、夜お腹がいたことから夜の食事が1回増えたこと。
さらに食事の回数は増え3回以上にも。
1日3回の食事回数は1935年(昭和10年)から
実は、1日の食事回数が3回になったのは、1935年(昭和10年)からです。
まだ90年も経っていないのです。
人類の歴史からみると、つい最近の出来事だと言えます。
そのきっかけは、国立栄養研究所の佐伯矩医学博士が食事回数は1日3回を推奨したこと。
つまり、大人が1日に摂取する2,000kcalを3回に分けると理想的な配分になるから。
- 大人1日の摂取カロリー:2000kal
- 食事1回の理想的な摂取カロリー:700kcal
- 食事3回の合計:700kcal×3回=約2,000kcal
摂取する場合3回に分けると1回分が約700kalになり理想的だとして推奨したことです。
では、世界の国々の食事回数はどうなのか?
世界では1日の食事回数がどうなっているのか、調べてみました。
その結果が次の通り。
- 古代ギリシア:1日3回
- ローマ人:1日3回
- インド:1日4回程度
- タイで:1日5回が最も多い
- イタリア:1日4~5回
- 中国の農村:1日に2食の歴史が根強い
- 中東:1日に2食の習慣
紹介した海外の食事回数は現在変わっている可能性もあります。
参考まで。
現代人の食事回数は何回?
平成から令和になり、食事の回数は生活スタイルにより多様化しているようです。
農林水産省が平成28年に調査したデータで「朝食欠食状況の変遷」というのがあります。
それによると、朝食を取らない人が増えていることが分かります。
朝食を取らない人は平成28年では、成人の11.4%、中学3年生6.6%、小学生4.5%となっています。その数は年々増加傾向になっています。
引用:農林水産省平成28年「食育に関する意識調査」
朝食を取らなくなった時期は、中学生、高校生の頃から習慣化したという人が2割程度で、20歳以降に朝食を欠食し始めたと回答した人は男女とも半数にのぼっています
ライフスタイルの変化で食事回数も多様化
朝食を抜く習慣は、ダイエットや1人暮らしが始まったりしたことも要因とされています。
それを裏付ける資料がNHKの2016年に行った「食生活における世論調査」から見つかりました。
食事回数が1日2回以下は若い層や1人暮らしに多い。
- 男性40代以下:30%
- 女性16才~29才:30%
1人暮らしの男性の39%が2回以下と最も多い。
逆に1日3回の食事を取っている人は
- 16才~29才:70%
- 70才以上:90%
高齢になるほど食事回数が1日3回と規則的に食べていることが分かります。
1日の食事回数には4つのパターンがある?
食事で重要なのは「1日の摂取カロリーを取る」こと。
つまり、
「食事回数は決まりがなくライフスタイルに合わせて何回にしても問題は無い」
といわれています。
そこで食事の回数はどの様になっているのか生活の4つのパターンをもとに分類してみました。
パターン2:理想のバランス「1日3回」
パターン3:ダイエットに効果「1日4回」
パターン4:低い体脂肪率「1日5回」
ひとつずつ説明します。
パターン1:頭スッキリ「1日1~2回」
食事回数が少ないと食事間隔が長くなり、胃が空になる時間もあわせて長くなります。
そのために胃を休めることができるメリットがあります。
但し、食事間隔が長くなると筋肉量が減るので年代によっては注意が必要です。
体が要求しているだけ食べても、人間の体は必要以上は受け付けないのです。
夕食でたっぷり食べても翌朝は少しだったりします。
1日1食で有名な方はナグモクリニック院長の南雲吉則医師がお手本です。
お年の割に若くアンチエイジング効果を実践している方です。
1日1食は、眠くならず頭がスッキリするようです。
パターン2:理想のバランス「1日3回」
理想的な食事方法として推奨されている日本で最も多い食事回数です。
6時間おきに食事が出来る方にとってはバランスの取れた理想的な回数となります。
高齢者に3食を規則正しく取る割合が90%と高いのは、時間的な生活環境が整っているからですね。
パターン3:ダイエットに効果「1日4回」
ダイエットで人気のある方法です。
食事回数が増えることで消化をするための代謝エネルギーが多く消費されることが一つの要因です。
食事回数が増えると脳に変化が起こると言われています。
次の食事までの時間が長いと摂取した栄養が持ちません。
そこで私たちの脳は、体に栄養を蓄えておくように指示を出します。
ところが食事回数が増え間隔が短くなると、
「次にすぐ栄養が補給できるので栄養を蓄える量を減らしてもいい」
と脳に指示を出します。
それによって体は余分に栄養を蓄える必要が無くなります。
その結果、体に蓄積されずに殆ど燃焼され、ダイエットにつながるというのが仕組みです。
パターン4:低い体脂肪率「1日5回」
一度に多くのカロリーを取得できない方に適した食事回数。
糖尿病患者さんのための食事療法として5食が考案されたようです。
その他、外国では5食の人は体脂肪率が低いという研究結果も報告。
脳に満腹感を与えるために5食にするパターン。
最近は日本でも5食にしてダイエットをする方法が紹介されています。
生活に合わせた1日の食事回数の決め方
食事の回数をカスタマイズして健康を維持することが必要です。
食事の回数で説明したように理想回数はライフスタイルによって様々です。
つまり、人々はみんな個々に生活スタイルが違います。
そのため、食事のスタイルは多様化し1日の食それぞえそれぞれ。
現代は「1日に3食しっかり取りましょう」という理想の食事回数が取れない環境になっています。
夜間勤務では夕食を調整
シフトで夜中に働いている人に、3食しっかりと食べましょうと言っても、朝、昼は疲れて休んでいる時間帯なのです。
朝帰宅してしっかりと朝食、昼食を取ったら逆効果で体を壊してしまいます。
仕事で徹夜や事情があって夜中に仕事をする場合など、空腹感から夜中のバク食いの危険性があります。
食事回数を増やして夕方からの食事内容を調整することも健康には必要な方法です。
まとめ:1日の食事回数は2回でもいいの?食事回数を解説
最適な1日の食事回数は、生活パターンによって変えていく事が大切です。
1日の摂取カロリーをしっかりと取り健康的な食事回数を調整しましょう。
- 【参考資料】
- 農林水産省 朝食摂取状況調査
- NHK 調査から見える日本人の食卓
- 名古屋大学大学院 食べる速さに関する研究