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新潟県ご当地「燕三条背脂ラーメン」の歴史。背脂スープと極太面の理由とは?

中部地方のラーメン
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新潟県燕市・三条市を中心として食べられているご当地「燕三条背脂ラーメン(つばめさんじょうせあぶらラーメン)」があります。

「燕三条背脂ラーメン」 には、どのような歴史と特徴があるのでしょうか?

そこで今回は、燕三条背脂ラーメン発祥の歴史と麺やスープ、具材などの特徴を紹介します。

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新潟県燕市の歴史と背脂ラーメンの関係

妙高 燕温泉「黄金の湯」
妙高 燕温泉「黄金の湯」 写真提供:公益社団法人 新潟県観光協会

新潟県の燕市は歴史的にも自然と文化にも恵まれたエリアです。

新潟の燕市は金属加工産業でも世界的に有名ですね。

ルーツは、江戸時代の初め頃に信濃川の洪水に苦しむ農家が副業として和釘づくりから始まったことにあります。

江戸中期になると、キセルや鎚起銅器などを作る技術にまで広がりました。その技術は現在のスプーン製造やハウスウェア製品に様々な金属産業に活かされています。

時代の変遷を乗り越えながら、日本国内外で燕の金属製品は使用されています。

鎚起銅器を次のように紹介しています。

一枚の銅板を金鎚で叩き器を形成する技術です。江戸時代に仙台から技術が伝わりました。近くに良質な銅山もあったこともあり新潟を代表する金属産業へと発展していきます。酒器や茶器など銅の特性を活かした製品は好評を博し、現在、地場産業としては鎚起銅器の日本唯一の産地としても注目を集めています。

引用:一般社団法人燕市観光協会

燕の産業を支える重要な技術の一つに金属の表面を鏡のように磨き上げる研磨の技術があります。

職人技です。

燕は江戸時代から続く喫煙具のキセルの産地でもあり日本一の生産量を誇っていました。明治時代になると量産に対応するため仕上げの研磨作業が独立しました。

キセル、スプーン、キッチンツール等の研磨技術は燕の産業を支えており、現在も様々な金属製品を磨き続けています。

燕市は日本さくら名所100選に選ばれる「大河津分水桜並木」があります。毎年4月に行われる「つばめ桜まつり」は樹齢100年を超える桜などを鑑賞することができます。

また、燕市が誇る自然の名所・国上山の「朝日山展望台」からは広大な越後平野や大河津分水路、越後三山を望むことができます。

燕市は、江戸時代末期の禅僧の良寛が晩年を過ごしその芸術性が円熟期を迎えた地として有名です。

良寛ゆかりのお寺「国上寺」があります。

良寛ゆかりのお寺「国上寺」
良寛ゆかりのお寺「国上寺」 写真提供:公益社団法人 新潟県観光協会

厳しい修行を終えた良寛が約20年過ごした「五合庵」も有名です。

新潟の燕市には歴史と文化、そして大自然と金物工業の職人の技など、調べるほどに宝物がたくさんある場所なのです。

そこで生まれたご当地「燕三条背脂ラーメン」の歴史は、地元に深く関係していました。

やはりご当地ラーメンの発祥は、その土地の歴史や文化と密接な関係があることが分かります。

燕三条背脂ラーメンは、伸びにくい極太麺を使い、煮干しなど魚介類の出汁を効かせた醤油味のスープに大量の豚の背脂が浮くという特徴的なラーメンです。

近年、この燕背脂ラーメンの美味しさから新潟を代表するご当地ラーメンとなりました。

その結果、2022年3月には文化庁の「未来の100年フード部門~目指せ、100年!~」に選ばれたことから全国的に愛されるラーメンにその名を広めています。

金属加工の街で生まれた背脂ラーメンはその歴史と深い関係にありました。

では、もっと具体的に燕三条背脂ラーメンの歴史を紐解いてみましょう。

燕三条背脂ラーメン発祥の歴史

燕三条背脂ラーメン 極太麺
燕三条背脂ラーメン 極太麺

燕三条背脂ラーメン(つばめさんじょうせあぶらラーメン)は、新潟県燕市発祥のご当地ラーメンです。

燕市と三条市から広まっていることから「燕三条系」と呼ばれています。

その他の呼称としては、燕背脂ラーメン、背脂ラーメン、燕系ラーメンとも呼びます。

燕三条背脂ラーメンの発祥の歴史は1934年(昭和7年)に遡ります。

浙江省出身の徐昌星が屋台を開業したことに始まります。

福来亭の前身です。

燕三条背脂ラーメンの特徴は、1955年(昭和30年)ごろに出前をしていた洋食器産業の工員達の要望にあります。

洋食器産業の工員達が出したの要望とはラーメンのスープの「味を濃くして豚の脂を加える」ということでした。

その理由は、次の特徴のところで詳しく解説します。

つまり、その流れから濃口醤油のスープ、豚の背脂が特徴となりました。

燕三条背脂ラーメンの特徴

燕三条背脂ラーメン 極太麺と大量の背脂が浮かぶ
燕三条背脂ラーメン 極太麺と大量の背脂が浮かぶ

背脂ラーメンには、出前がベースになって工夫された特徴があります。

工場へのラーメンの出前では、店から工場までの配達時間が影響します。

つまりラーメンを作ってから時間が経つほどに面がのびてしまう問題がありました。

そこで、時間が経っても麺がのびにくくする工夫を重ねていくのです。

その方法は、小麦粉の原料に強力粉を使い極太麺にすることです。

さらに加えた工夫は、出前で配達する間にラーメンのスープが冷めなくすることです。

そのためには大量に背脂(せあぶら)でスープの表面を覆うことでした。

背脂でスープの表面を覆うことで熱いまま保温されることになり配達の時間がかかっても冷めにくくすることです。

このスタイルは、寒い北海道の旭川ラーメンの醤油ラーメンと似ています。

旭川ラーメンではスープが冷めないようにラードが浮かせているのと似ています。

麺は極太麺でうどんに近い太さです。伸びにくく工夫された太麺。

ダシは煮干しなどの魚介類を使っています。

味付けは濃口醤油を使っていて表面には豚の背脂が広がっています。

まとめ

ここまで「新潟のご当地・燕三条背脂ラーメンの歴史。うどんのような極太麺」を紹介しました。

ラーメンには珍しくうどんに近い極太麺をつかっていることと、どんぶり一杯に広がる背脂が特徴です。

新潟を訪れたら、ぜひご当地・燕三条背脂ラーメンを味わってみてはいかがでしょうか。

背脂ラーメン店の一覧があります。
一般社団法人燕市観光協会 「燕背脂ラーメンMAP」
公式サイト:https://ra-men.tsubame-kankou.jp/