熊本ラーメンはどのような歴史と特徴があるのでしょうか?
九州のご当地・とんこつラーメンには
- 「久留米ラーメン」
- 「博多ラーメン」
- 「長浜ラーメン」
- 「玉名ラーメン」
と今回紹介する「熊本ラーメン」があります。
久留米ラーメンを源流とする熊本のとんこつラーメン。
その豚骨ラーメンは久留米・博多・長浜・玉名とは、ちょっと違う特徴があると言います。
この記事では「熊本の歴史と文化」「熊本ラーメンの歴史」「熊本ラーメンの特徴」について説明します。
熊本ラーメンのある熊本市の歴史と文化
熊本市の人口は、737,490人(2021年5月1日現在)の街です。
熊本県のやや北部に位置する県庁所在地で「日本最南端の政令指定都市」です。
「もっこす」と「わさもん」で知られる熊本人の気質は、一本筋が通った人、新しいもの好きというというほめ言葉として使われます。
熊本市には「日本三名城」のひとつに数えられる熊本城があります。
熊本藩初代藩主の加藤清正(かとうきよまさ)が、慶長6年(1601年)から7年の歳月をかけて築いたとされる名城です。
上下水道はすべてが天然地下水です。日本はもとより世界でもめずらしい都市です。
阿蘇山の噴火でできた地層を雨水が通ることで豊富なミネラル分が溶け込んでいる。
おいしく体にやさしい天然水が使い放題の都市とも言えます。
大自然も歴史でも数えきれないほど魅力的な熊本市です。
この熊本市にご当地・熊本ラーメンがあります。
熊本ラーメンはどのような歴史があるのでしょうか?
ご当地・熊本ラーメンの歴史
熊本ラーメンは
- 1953年(昭和28年)創業の「松葉軒」
- 1954年(昭和29年)創業の「こむらさき」
- 1955年(昭和30年)創業の「味千」
に始まるとされています。
次々と3つのラーメン店が熊本市内に創業したのは偶然ではありません。
実は、3つのラーメン店の店主は、1953年(昭和28年)に玉名に開店。
とんこつラーメン店「三九」へ一緒に食べにいって、その味に感銘したのが発端となっています。
それまでの仕事をやめて、ラーメン店を開店しました。
そこで食べた「三九」のとんこつラーメンの味は、相当なインパクトがあったのでしょう。
玉名の「三九」とは、久留米で屋台から成長したとんこつラーメンの元祖です。
スープ作りの失敗から白濁したとんこつスープが生れました。
その後に九州とんこつラーメンに主流となったのです。
九州とんこつラーメンの始まりとなった店です。
まとめると熊本ラーメンは、久留米ラーメンから発し、博多ラーメン、そして熊本市の北にある玉名ラーメンを経て熊本に到達した歴史をもっているのです。
熊本ラーメンの特徴
熊本ラーメンの特徴の一つは、白濁した「とんこつスープ」にあります。
元祖の久留米、博多のスープは「とんこつがほぼ100%」です。
しかし、熊本ラーメンでは鶏ガラや野菜が一緒に炊かれることが多い。
まろやかでクリーミーな味わいとなります。
麺はストレートの中太麺が主流です。
こしのある硬めの麺は、濃厚なとんこつスープによく絡むのです。
とんこつ発祥の地「久留米」の麺より、玉名の麺より、熊本の麺は太くなっています。
南下するほどに太くなっていくのが、この地域の麺の特徴ですね。
具材は、チャーシュー、キクラゲ、海苔、青ネギが一般的です。
博多ラーメンに見られる紅ショウガは、使わないのが一般的。
しかし近年は店により変化しているようです。
さらに、1955年(昭和30年)創業の「味千」の店主が始めたとされる「ニンニク」を入れるメニュー。
ニンニクは、とんこつスープのくさみを抑えるのが目的で始められたとされています。
にんにくチップは、きつね色になるまで炒めたり揚げたもの。
「焦がしニンニク」と呼ぶ店もあります。
キザミにんにくを揚げて香ばしさを引き出した香味油の「マー油」を使うこともあります。
博多ラーメンや長浜ラーメンに見られる「替玉」(かえだま)の文化は、熊本ラーメンにはありません。
替え玉ができたのは「もうちょっと麺をくれ」というお客の要望からです。
市場で忙しい関係者がすぐに食べられるように茹で時間が10秒台の細麺。
細麺の替え玉もすぐに「もう少しくれ」の要望から生まれたと言われています。
熊本ラーメンには、この魚市場の忙しい仕事人に客から生まれた「替玉」文化は引き継がれなかったのでしょう。
まとめ
ここまで「熊本ご当地とんこつ「熊本ラーメン」の歴史。博多・久留米・玉名とは違う特徴」について説明しました。
九州を訪れたら「久留米ラーメン」「博多ラーメン」「長浜ラーメン」「玉名ラーメン」そして「熊本ラーメン」をぜひ堪能してみましょう。
とんこつ発祥の地「久留米ラーメン」を発端とする、ご当地ラーメンの歴史を感じることができるでしょう。