四国の高知県にある「鍋焼きラーメン」とは、どんな歴史と特徴があるのでしょうか?
そこで今回は、鍋焼きラーメンが生まれた高知県須崎市と鍋焼きラーメンの歴史を紹介します。
土鍋を使ったラーメンの意外な発祥の理由が分かります。
ご当地「鍋焼きラーメン」発祥の高知県須崎市の歴史と文化
四国の高知県と言えば、カツオのたたきや桂浜が有名ですね!
高知県須崎市を中心に食べられているご当地「鍋焼きラーメン」がなぜこの地で有名になったのでしょうか?
そこで鍋焼きラーメンの背景の文化を調べてみました。
四国は高知県の真ん中に位置するのが須崎市(すさきし)で、人口22,510人 (2021年2月1日)です。
須崎市の西部を流れる清流としても有名な新荘川で、1974年にニホンカワウソの生息が確認されたことでも話題となりました。
カンパチ、鯛、ハマチなどの養殖漁業、ハウス栽培によるミョウガ、キュウリ、ピーマン、シシトウ、花卉(かき)などが主要作物。
特にミョウガ栽培は、全国一の販売額となっています。
昭和40年に国の重要港湾に指定された須崎港には石灰石の積出港があり、積出港まで24kmの距離を専用のベルトコンベアで運んでいます。
この地ではラーメンの出前が行われていて、そこに鍋焼きラーメンの発祥の歴史があるようです。
ご当地「鍋焼きラーメン」発祥の歴史
通常「鍋焼き」といえば、鍋焼きうどんをさすことが多いですよね。
でもなぜ須崎市では「鍋焼きラーメン」と言って、うどんではなくラーメンなのでしょうか?
須崎市ではポピュラーな名前なのです。
昔からローカルメニューとしてお店や家庭の食卓で老若男女に愛されて来たと言います。
今では、須崎名物「鍋焼きラーメン」となりました。
鍋焼きラーメンの歴史は次の通りです。
戦後、須崎市内に開業した「谷口食堂」の店主で谷口兵馬(たにぐちひょうま)さんが考案したとされています。
なぜ土鍋で鍋焼きラーメンなの?
では、なぜ「鍋焼き」で土鍋を使っているのでしょうか?
その理由は「保温のため」だといいます。
出前で普通のどんぶりを使うとラーメンが冷めてしまう・・・
そこで保温のため当初はホーロー鍋で届けていたのです。
その後、近所にあった「みつだ食堂」が土鍋を最初に使い主流になりました。
お客様に美味しく食べてもらいたいという「おもてなしの心」から生まれてきたのです。
ご当地「鍋焼きラーメン」の特徴
須崎商工会議所では、「鍋焼きラーメンの街創造プロジェクト」を進めています。
このプロジェクトでは、鍋焼きラーメンの定義を定めています。
- スープは、親鳥の鶏がら醤油ベースであること
- 麺は、細麺ストレートで少し硬めに提供されること
- 具は、親鳥の肉・ねぎ・生卵・ちくわ(すまき)などであること
- 器は、土鍋(ホーロー、鉄鍋)であること
- スープが沸騰した状態で提供されること
- たくわん(古漬けで酸味のあるものがベスト)が提供されること
- 全てに「おもてなしの心」を込めること
出典:https://www.city.susaki.lg.jp/life/detail.php?hdnKey=178
※7つの定義は、須崎市 元気創造課 商工観光係から書き写しました。
この定義が「鍋焼きラーメン」の特徴になります。
鍋焼きラーメンには生卵がトッピングされています。
生卵をとくタイミングが絶妙な味につながるのでしょう。
意外とあっさりした親鳥の鶏がらの醤油ベースのスープが特徴です。
麺は、硬めで腰のあるストレートの細麺です。
鍋焼きラーメンの付け合せに漬物が出るのも特徴ですね。
漬物の付け合わせは、九州の鹿児島ラーメンや宮崎ラーメンでも見られます。
まとめ
ここまで、高知県・ご当地「鍋焼きラーメン」の歴史と特徴を紹介しました。
高知に足を運ぶ機会があったら、ぜひ保温性抜群の土鍋を使った「鍋焼きラーメン」の絶妙な味を味わってみてはいかがでしょうか。