漁師町になぜ激辛の「勝浦タンタンメン」があるのでしょうか?
そこで今回は、漁師町で食べられている勝浦タンタンメンの歴史、勝浦タンタンメンの特徴を紹介します。
ご当地ラーメンある漁師町「千葉・勝浦」
千葉県の太平洋に面した外房。
海辺に漁師町の「勝浦」があります。
この勝浦に、ご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」があります。
真っ赤で辛さが半端ないという、勝浦タンタンメン。
伝統のスープ、具材の特徴が生まれた背景はどんな感じなのでしょうか?
勝浦まで勝浦タンタンメンを食べに行ってきました。
そこで、食べた辛さとおいしさをお伝えしたいと思います。
千葉県勝浦市は房総半島の南東部にあり、太平洋が目の前に広がっている町です。
東京駅からは特急わかしおで90分の距離で、東京に近い大自然の海が楽しめます。
17の漁港には、金目鯛、カツオ、サザエ、アワビ、伊勢エビなどが水揚げされ、新鮮な素材を味わうことができます。
特に勝浦の朝市は「日本三大朝市」の一つで、新鮮な魚から食材、民芸品などが並び遠方からも観光客が多くやってきます。
ご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」は、この様な町で食べられています。
ご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」の歴史
勝浦タンタンメンの歴史をネットや文献をもとに調べてみました。
勝浦タンタンメンの歴史は、1954年(昭和29年)までさかのぼります。
当時から千葉の勝浦は漁師町でした。
漁師をはじめ多くの漁業関係者が海辺の町で暮しています。
当時の勝浦では、寒い冬の漁に携わる漁師さんや海女さん達から、冷えた体を温める温かいものが求められていたといいます。
大衆食堂「江ざわ」という店
勝浦には、大衆食堂「江ざわ」が店を開いていました。
「江ざわ」の店主は、新たなメニューの提供を考えていたようです。
その中で店主が知ったのは、中国の「担々麺」という辛い麺類です。
さっそくメニューに取り入れることにしたと言います。
しかし、担々麺に使う具材の「ゴマ」をたくさん使うと価格が高くなります。
また、担々麺に使う練りごまやゴマで作られた中華の調味料「芝麻醤」(チーマージャン)は手に入れるのが難しかったのです。
そこで、店主は手に入りやすい材料だけを使ったメニューを生み出したのです。
このメニューを、1954年(昭和29年)に大衆食堂「江ざわ」が提供しました。
これが「勝浦タンタンメン」の始まりの説で一般的なようです。
このメニューは、勝浦で身体が温まると大評判になりました。
その後、勝浦で広く普及して、勝浦市民には無くてはならないメニューとなりました。
ご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」として勝浦はもとより全国にも広まっています。
勝浦タンタンメンの特徴
勝浦タンタンメンが誕生した背景から、具材も通常の担々麺とは違います。
まず、調味料「芝麻醤(チーマージャン)」などは入りません。
勝浦タンタンメンは「ラー油」がたっぷり入った真っ赤なスープが特徴です。
醤油ベースのスープは、鶏ガラを使った透明なものです。
真っ赤なラー油のスープは、見るからに激辛でせき込むほどの辛いものから、子供でも安心して食べられるものまであります。
具材は、「ひき肉」「タマネギ」「にら」「ネギ」などが使われます。
勝浦タンタンメンを勝浦で食べてみた
勝浦タンタンメンを食べに車を4時間車を走らせました。
たった1杯のご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」を目の前にしたときは感動でした。
勝浦の町を歩くと磯の香がして漁師町を実感します。
このラーメンが生まれた時代背景などに思いをはせて食べる1杯はこの上なくおいしい味でした。
まとめ
勝浦にはよく釣りにでかけます。
夜釣りや船釣りで冷え切った体には、この勝浦タンタンメンが身体にしみてあったかくなります。
ホッとするひと時を与えてくれるのが、勝浦タンタンメンの魅力です。
漁師町で食べる勝浦タンタンメンは思い出に残るラーメンなのです。
ここまで、漁師町のご当地ラーメン「勝浦タンタンメン」の歴史と特徴を紹介しました。
その辛さと体が温まる勝浦タンタンメン。
歴史の中から生まれた独特のおいしさが忘れられません。