ものづくりの街として知られている新潟県三条にご当地ラーメンがあります。
新潟は「新潟5大ラーメン」で大変有名ですが、そのひとつが「三条カレーラーメン」です。
燕三条市の背脂ラーメン、新潟市の細麺しょうゆラーメン、濃厚味噌ラーメン、長岡市の生姜醤油ラーメンに、新たに新潟の三条カレーラーメンが加わり新潟5大ラーメンと言われています。
新潟三条市で食べられているご当地「三条カレーラーメン」とはどのような歴史があるのでしょうか?
金属加工の街「三条」になぜカレーラーメンが?
三条は新潟県のほぼ中央に位置し、鍛冶を中心とした金属加工業の盛んなものづくりの街で2022年2月1日現在の推計人口は93,015人です。
三条市の鍛冶の始まりは江戸時代にさかのぼります。17世紀の初めごろ、三条・燕の地域では毎年のように風水害に悩まされていました。そこで、この地域の人たちの大変な生活を救うため、江戸から和釘の鍛冶職人を招きました。
そして、農民の副業として和釘製造を奨励したのが三条鍛冶の始まりとされています。現在も市内には刃物や工具などを作る鍛冶職人が暮しています。
このような歴史のある新潟県三条にはラーメンがあります。ご当地「三条カレーラーメン」です。それもカレーラーメンです。どんな歴史と特徴があるのでしょうか?調べてみました。
新潟三条のご当地「三条カレーラーメン」の歴史
全国のカレーラーメンの発祥についてはいろいろな説があります。
新潟三条のカレーラーメンもそのひとつで「新潟発祥説」のラーメンとして知られています。
新潟発祥説を調べると、新潟三条のラーメン店「東京亭」の店主に行きつきます。
店主は、昭和初期ごろに修行先だった東京向島の食堂から新潟三条にラーメンを持ち帰ったのが始まりと言われています。
三条のカレーラーメンにはもう一つの説があります。それは三条の「大黒亭」の初代店主が戦前に働いていた東京のレストランのカレーを参考にしたという説です。
いずれにしても新潟の三条に東京からカレーラーメンが持ち込まれことが歴史から知ることができます。
さて、新潟三条のものづくり鍛冶職人たちは時間もないほど多忙でした。その活力源として昼ご飯はカレーラーメンの出前が多かったといいます。
わずかな時間をさいて昼食のカレーラーメンをすする三条の職人の後継が目に浮かびますね。
三条カレーラーメンこそ、三条のものづくり産業の発展を支えてきたと言っても過言ではありません。
現在、三条には70店舗以上のカレーラーメン店があります。三条にこれほどカレーラーメンの店が多いとは知りませんでした。
三条カレーラーメンの特徴とは?
そもそもカレーラーメンは北海道室蘭や苫小牧が有名でよく食べられています。
これらのカレーラーメンは同じように見えますが、三条カレーラーメンの違いを紹介します。
三条カレーラーメンにはつぎの2つのスープのタイプがあります。
- スープ自体がカレーになっているタイプ
- 醤油ラーメンにカレーをのせたタイプ
です。さらに冷やしカレーラーメンやつけ麺風のカレーラーメンなどがあり、店主によってさまざまに工夫されていてバラエティに富んだメニューです。
三条のカレーラーメンの特徴はメニューの多さです。まさに日本一と言っても過言ではありません。
三条カレーラーメンに使われる具材もさまざまです。
メインは豚肉を使う店主が多い一方で牛肉を使ったり、めずらしいのはとんかつをトッピングするなど三条のラーメン店主の並々ならぬ工夫をしているのが見えてきます。
「カレーラーメン」「カレー中華」「カレーそば」とも呼ばれていて、中華やそばを使うところには歴史を感じます。
それぞれ特徴のある三条カレーラーメンが楽しめるのもいいものですね!
★参考記事