ラーメンの世界において、スープが「命」なら、麺は「肉体」とも言える重要な要素。そして、その麺の個性を決定づけるのが「茹で方」です。
いつも何気なく食べているラーメンですが、実は茹で方ひとつで食感や喉越し、さらにはスープとの絡み方が劇的に変わります。
今回は、定番の茹で方から、あまり知られていない珍しい手法まで、ご当地ラーメンの例を交えて徹底解説します!
ラーメンの麺を茹でる「2つの基本スタイル」

まずは、どこのラーメン店でも見かける、基本の道具と茹で方をおさらいしましょう。
デボ茹で
一人前ずつ網(デボ)に入れて茹でる、現代の主流スタイルです。
- 特徴: 湯切りが正確で、麺の量を均一に保てる。
- 仕上がり: 麺同士がぶつかりにくいため、表面が整った安定感のある食感に。
平ざる(泳がせ)
大きな釜に麺を放り込み、長い平らなザルで巧みにすくい上げる職人技です。
- 特徴: 麺が広い釜の中で「泳ぐ」ため、熱が均一に入り、表面のヌメリが取れやすい。
- 仕上がり: 麺がのびのびと茹で上がり、ふっくらとした独特の弾力が生まれます。
たぶんここまで紹介した方法は、ご存じだと思います。
しかし、世の中には珍しい面の茹で方があることを知りました。
どんな方法があるのか、紹介します。
麺の仕上がりを左右する「珍しい・特殊な茹で方」

ここからは、特定の店や地域で見られる少し珍しい茹で方を紹介します。
① 釜揚げスタイル(湯だめ)
茹で上がった麺を冷水で締めず、そのまま茹で汁(またはお湯)に浸した状態で提供する方法です。
- 代表例: 一部のつけ麺専門店、釜揚げ風ラーメン
- 魅力: 麺の表面のデンプンが溶け出し、もっちりとした究極の柔らかさと、小麦の強い香りが楽しめます。
② 極短時間の「湯通し」
バリカタを超えた、数秒から10秒程度しかお湯にくぐらせないスタイルです。
- 代表例: 博多ラーメンの「粉落とし」「鉄壁」
- 魅力: 芯がしっかり残っており、小麦粉そのものの風味と、パツパツとした歯切れの良さが際立ちます。
③ 水締め(冷やし・つけ麺)
茹でた直後に氷水で一気に冷やす方法です。
- 特徴: 麺の表面がギュッと引き締まり、強烈なコシが生まれます。
- 仕上がり: 喉越しが良くなり、噛むほどに麺の密度を感じることができます。
【ご当地別】茹で方による食感の違い

ご当地ラーメンは、その土地の「麺の性質」に合わせた最適な茹で方を追求しています。
| 地域・種類 | 茹で方の特徴 | 仕上がりの食感 |
| 博多ラーメン | 秒単位の指定(カタ・バリカタ等) | 低加水の細麺。ボソッとした粉感と強い歯応え。 |
| 佐野ラーメン | 多加水麺の短時間茹で | 青竹打ちの柔らかい麺を、強火でサッと茹で上げ。ピロピロとした軽い喉越し。 |
| 山形・酒田ラーメン | 超多加水の泳がせ茹で | 極薄のワンタンのような、ふわふわでとろけるような食感。 |
| 武蔵野うどん風ラーメン | 長時間茹での水締め | 極太麺をじっくり茹でてから締める。ワシワシとした強靭なコシ。 |
結論:茹で方は「麺のポテンシャル」を引き出す魔法
ラーメンを食べる際、「硬め」と注文するのが定番になっていますが、実は「店主が一番美味しいと思う茹で加減(普通)」こそが、その麺の特性(加水率や太さ)を最も引き出していることも多いのです。
次回ラーメンを食べる時は、厨房の奥で「デボ」を使っているのか、それとも「平ざる」で泳がせているのか、ぜひチェックしてみてください。その茹で方のこだわりを知ることで、一杯のラーメンがより深く、美味しく感じられるはずです!