東北地方には、どのようなご当地ラーメンがあるのでしょうか?
東北に昔から引き継がれていて、東北にしかないご当地ラーメンがあります。
東北でぜひ食べたい魅惑のご当地ラーメンを紹介します。
今回は
- 東北で有名なご当地ラーメン
- 東北のラーメン厳選8杯の特色
- 東北の老舗ラーメン店の探し方
を紹介します。
東北の歴史と伝統を今に引き継ぐ貴重なラーメンが見つかります。
東北で有名なご当地ラーメン
東北には、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島の6県があり、各県にご当地ラーメンがあります。
そのご当地ラーメンには知られざる歴史と特徴があり、現代に継承している貴重なラーメンが存在しています。
そのご当地ラーメンとは、
の8種類です。
それぞれの地域に根差したご当地ラーメンは、スープ・麺・具材にも特別な特徴があります。
東北のラーメン厳選8杯の特色
東北のご当地ラーメンの特徴を紹介します。
それぞれのラーメンは、発祥の源流をもつラーメンです。
現在は、これらのラーメンのアレンジもすすんでいて、どんどん進化していて源流が見えなくなりつつあります。
今回は、源流を持つラーメンの説明をしていきます。
青森・津軽ラーメンの特徴
青森・ご当地「津軽ラーメン」は、津軽地方で食べられているラーメンです。
日本のラーメンの歴史とほぼ同時の明治時代の終わりごろに「津軽ラーメン」の源流があったという驚くべき歴史を持っているのです。
津軽地方に伝わる独特の「津軽そば」は、つなぎに大豆をすりつぶした呉汁を使います。この歴史が津軽ラーメンに引き継がれています。
津軽ラーメンは「王道系」と「濃厚煮干し系」があります。
王道系は、焼干しや煮干し等の魚のだしをメインに醤油で味付けしたスープが特徴で、細麺を使っています。
濃厚煮干し系は、白湯スープに煮干しをたっぷり加え、専用の醤油で味付けした濃厚なスープが特徴です。麺は無かんすいの中太麺を使っています。
王道系も濃厚煮干し系も具材は、チャーシュー、メンマ、ネギが基本でシンプルな構成です。
秋田・十文字ラーメンの特徴
秋田県横手市南部の十文字地域で食べられている、ご当地ラーメンで「十文字ラーメン」があります。
正式には地元で「十文字中華そば」といいます。
1935年(昭和10年)ごろに、マルタマ(まるたま食堂)が創業したのが始まりとされています。
十文字ラーメンの特徴は、煮干や鰹節などからダシをり、醤油味に味付けをした和風のスープが特徴です。
十文字ラーメンでは「かんすい」を全く使っていないことが特徴で独特の食感です。細いちぢれ麺を使っています。
具材は、チャーシュー、ネギ、メンマ、のり、かまぼこ、麸(ふ)がトッピングされるのが特徴でもあります。
山形・酒田ラーメンの特徴
山形県の庄内地方が発祥とされている、ご当地「酒田ラーメン」があります。
1926年(大正15年)、中国人が「支那そば屋」として開業したのが始まりとされています。
江戸時代に、日本海側から瀬戸内海を通り大阪や江戸に回る「西回り航路」の立ち寄り港として栄えました。この影響が強いようです。
ある資料によると大正15年の発祥には2つの店の説があり、「新盛軒」と「財源軒」で、どちらも店主は中国人だったようです。
酒田ラーメンの特徴は、煮干しと昆布だしのスープを醤油で味付けした澄んだスープです。煮干しの他に「トビウオの焼干し」も使われています。醤油味のスッキリしたスープは、最後まで飲み干せるのが酒田ラーメンなのです。
麺は多加水麺を使っていて、自家製面で作る店が大半を占めていて、全国的に見て酒田にしかない特徴かもしれません。
具材は、チャーシュー、メンマ、ネギを基本としていて、いたってシンプルになっています。
山形・赤湯ラーメンの特徴
赤湯温泉で有名な山形県南陽市には、ご当地ラーメン「赤湯ラーメン」があります。
赤湯ラーメンは、味噌ラーメンとして知られています。味噌ラーメンといえば、1961年に札幌市で生れた「味の三平」の味噌ラーメンが元祖といわれています。でも、ほぼ同時期の1960年に赤湯で味噌ラーメンが作られているのは興味深いですよね。
南陽市(旧赤湯町付近)で食べられている「赤湯ラーメン」という名称は、「龍上海」という店が考案した登録商標で、「赤湯からみそラーメン」「赤湯辛味噌ラーメン」とも呼ばれています。
「赤湯特産の唐辛子」「山形の赤味噌」に「ニンニク」「香辛料」を加えて「辛味噌」を作ります。
赤湯ラーメンのスープは、煮干し、豚骨、鶏がら、タマネギ、ニンジンを使っただしを使っています。具材はシンプルで、チャーシュー、ナルト、メンマ、青のり等を使っています。
山形・とりもつラーメンの特徴
山形県北部の最上地方は、全国屈指の豪雪地帯として知られています。その中心部にある新庄市には、全国でも珍しいご当地「とりもつラーメン」があります。
居酒屋で鶏のモツ煮を出していたところ、ラーメンといっしょに鶏のモツ煮込みを頼んで食べる客が増えて、その味が絶妙なことに気付いた客がいたようです。これがきっかけとなり、ご当地ラーメンのブームにのり「とりもつラーメン」へと定着していったという説もあります。
「とりもつラーメン」で使われるのは、赤モツです。赤モツとは、心臓・砂肝・キンカン(卵巣)などの部位です。
鶏のモツ煮は、砂肝が柔らかく、キンカンの食感は絶品ではないでしょうか。
鶏ガラのシンプルなスープで、旨み・コク・香りはくせになります。麺は中細麺を使っています。
宮城・仙台ラーメンの特徴
寛永3年(1626年)に、伊達政宗公は「御塩噌蔵」と呼ばれる日本初の味噌工場をつくりました。
このような歴史からか、仙台には「味噌ベース」のラーメンが多く存在しています。仙台の味噌とラーメンのコラボでご当地ラーメンといえば「辛味噌ラーメン」です。
老舗の味を現在に継承しているの「味よしラーメン」です。白味噌を使った味噌ラーメンです。レンゲに盛られた辛味噌を溶かしながら頂きます。
太麺で、具材はチャーシューとメンマ、キャベツのおひたし、ネギ、青のりなどが使われます。
福島・喜多方ラーメンの特徴
蔵の街で有名な福島県喜多方市には、古くからご当地ラーメン「喜多方ラーメン」があり、札幌ラーメン、博多ラーメンとともに「日本3大ラーメン」とも言われています。
正末期に日本で働くために中国・浙江省から渡ってきた一青年がいました。彼の名前は、藩欽星(ばん きんせい)と言い、1927年(昭和2年)創業の「源来軒」創業者です。
資料によると藩欽星は、中華麺に近い「支那そば」を打ち、チャルメラを吹きながら屋台を引いてラーメンを売り歩いていたのが発祥と言われています。
この90年を超える、手作りの「支那そば」の歴史こそが「喜多方ラーメン」のルーツなのです。
喜多方ラーメンの特徴は、 飯豊連峰からの伏流水「硬度13の超軟水」が豊富であったことがスープの味の決め手となっています。伏流水でつくられた、味噌や醤油がラーメンの味をさらに美味しく仕上げていったのです。
豚骨がベースの醤油味のスープは、透明であっさりした味わいです。
近年は、種類も増えてWスープのように豚骨と煮干しのベースをブレンドしたり、塩味や味噌仕立てなどメニューも増えています。
喜多方ラーメンの麺は太麺です。コシが強い独特の縮れた平打ち麺で「熟成多加水麺」と呼ばれています。 具材は、チャーシュー、ねぎ、メンマ、なるとのシンプルなものです。
福島・白河ラーメンの特徴
福島県のとご当地ラーメン「白河ラーメン」は有名で、今や首都圏にも白河ラーメンを扱う店が広まっています。
1921年(大正10年)に白河本町にラーメン店「亀源」を開店し「手打ち支那そば」を始めたのです。白河本町には「白河ラーメン元祖 亀源跡」として碑が建てられています
これが「白河ラーメン」のルーツとなります。
伝統的な白河の「そば打ち技法」を応用したのが、白河ラーメンのちぢれ麺と言われています。
その技法は、木の棒で麺を打ち、包丁で切り出して、手でもんで麺をちぢれを作るというものです。
豚骨や鶏ガラを主体とした醤油ベースの澄んだスープが特徴です。
白河ラーメンの麺は、多加水の幅が広いちぢれ麺が特徴となっています。具材は、ネギ、チャーシュー、メンマ、鳴門巻き、ホウレンソウなどがつかわれています。
東北の老舗ラーメン店の探し方
東北のラーメンは、その風土に根差したラーメンのルーツがあり、現代に伝わっています。
まだ、昔の源流を持つご当地ラーメンを見つければ、シンプルな中にも当時の店主達が編み出した味を確かめることができます。
それぞれのご当地ラーメンの特色を元に、東北各地の店を調べると、現在もその源流をくんでいる老舗が見つかるはずです。
新しいラーメン店では、いろいろ現代流に進化させているため、店主独自のアレンジがなされ、おいしいラーメンとなっています。
でも、老舗にはもともとの味がいまでも残っています。
ぜひ、発祥の味をもっているラーメンを探し出してみるのも興味があるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで「東北・魅惑のラーメン!伝統あるご当地ラーメン8杯を紹介します。」をまとめました。
東北地方には、どこにしかない津軽ラーメンに見る独特のスープや、飯豊連峰からの伏流水「硬度13の超軟水」を使った喜多方ラーメン、仙台の伊達政宗公の「御塩噌蔵」の影響を受けた仙台ラーメンなど、たくさんの魅力あるラーメンが存在しています。
源流のまま現代まで引き継がれているラーメンの文化も残っています。
ぜひ、時代を超えた東北独自の特徴をもつおいしいラーメンを味わてみてください。